だいぶ前にDVDを取り寄せて観ていたこの映画『王朝の陰謀-判事ディーと人体発火怪奇事件』。

もうブログ記事にもしたのですが、このたび日本で公開されたので、再見してみました。

(再見=ツァイチェンになっちゃうけど、日本語の字義通り再度観たの意味です)


まずは、これを公開してくれた太秦という配給会社に感謝。

ここんところ、この会社は『画皮-あやかしの恋』の公開を発表するなど、頑張っています。


この『王朝の陰謀』も、客の入りはどうかな、と思ったけれど、さすがアンディ・ラウ(劉徳華)が有名だからか、老若男女(さすがに10代はいなかったが)幅広い客層に受け入れられ、いつも香港映画がスカスカの映画館でも半分くらい埋まってた。めでたい!


あらためて観てみて思ったことは、やはり日本語字幕で観るとストーリーがスッキリ入ってくる、っていう当たり前の事実。


DVDは字幕が簡体字・繁体字・英語から選択できるようになっていることが普通なので、私の場合は英語で観ることが主。

しかし、この英語字幕が曲者で、今回の映画のような歴史物だと、歴史的人物の名前などが全然頭にはいってこないのです。


その点、昔の輸入VIDEO-CDのころは、最初から繁体字と英語が並列で書かれていることが多く、英語を見てわからんときは、漢字を見られるから良かったんだよね。

それでも英語だと「字数が多くなる」「漢字だとどこの地名だかわかるのに、英語にするとわからん」など、いろんな問題があります。


やっぱり漢字って優れた文字なんだなぁ、と実感。

例えば、香港の地名で以下の場所があります。

尖沙咀

はい、チムサーチョイって読む有名な地名ですね。


日本人でも香港に旅行したことがある人なら、これが地名であることはよくわかるわけですが、英語で以下のように出たらどう?

Tsim Sha Tsui

一瞬、なんのことかわからなくなるよね。

あ、ああチムサーチョイ=尖沙咀ね!って、一秒後には気づくんだけど、漢字で出てくれば即座に理解できるのにさ。


やっぱ中国語を学ばないといかんね。

しかもこれからは簡体字で理解しないとね。輸入されてくるDVDも簡体字が多いのでね。


おおっと、完全に脱線してスンマセン。

王朝の陰謀でした。


まずは、公式サイトから登場人物をピックアップ。


主演アンディ(ディー役)

ゴーイン・バックtoちゃいな
役名のフルネームはディー・レンチェ(狄仁傑)

この写真のアンディも凛々しいですな。


ヒロインのリー・ビンビン(チンアル役)

ゴーイン・バックtoちゃいな
チンアルってのは冬兒と書きます。

あの『テラコッタ・ウォリア』でコン・リーが演じた役名と一緒ですね。

宝塚の男役のような写真ですが、映画中では女らしい衣装のシーンも半分くらいあり。


一緒に謎解きをするワトソン役のダン・チャオ(ペイ役)

ゴーイン・バックtoちゃいな
ペイというのは裴と書きます。

珍しいけれど、中国人にも韓国人にもある苗字。

ところでダン・チャオ(鄧超)は本ブログでは初紹介かな。

この写真の髪色で劇中では通していましたが、若白髪という設定(?)なのかな。


そして出ました我らがカリーナ(則天武后の役)

ゴーイン・バックtoちゃいな
見事な貫禄ですよ。

恐いけれど、貴賓というか気品を感じさせるカリーナ姐さんにピッタリの配役。


最後に特別出演だけど物語の鍵を握るレオン・カーファイ(シャトー役)

ゴーイン・バックtoちゃいな
味わい深い役をやってましたよ。最近の彼は陰のある役が多いね。

しっかし、このシャトーって漢字にしたら「沙陀」だって。

漢字で書いたら全く印象が違うよね。シャトーではブルーシャトーをどうしても思い出す。

確かに発音はそうなんだけど、なんとかならんかったか。


それでは次に見所シーンを公式より。


襲いかかるビンビン。ムチ使いが似合ってます。
ゴーイン・バックtoちゃいな
牢から出たばかりで髭ぼーぼーのアンディ。


やっとこ凛々しいモードへ。
ゴーイン・バックtoちゃいな
武器は、前皇帝から賜った由緒正しき剣。

持ち手の上の部分が銃のリボルバーのようになっていて、それをジャッと回すと、相手の武器の弱点を探し出して砕きます。


おおっ! でも残念ながらラブシーンではない。
ゴーイン・バックtoちゃいな
ビンビンは敵なのか味方なのか分からない役どころなんですよ。


はい、最大の見せ場! 通天仏が都に崩れかかっております。
ゴーイン・バックtoちゃいな
ただ、CG丸出しなんだよなぁ。こんだけ技術が発達したのになぜなのか。


人体発火のシーン。これもCGっぽいんだよなぁ。残念ながら。
ゴーイン・バックtoちゃいな
これがどうして起こるかを謎解きするのがアンディの役目。


というわけで、今回は見せ場を抜粋してアレコレ言うだけだったんだけど、DVDでなく日本語訳つきで劇場で見た結果、前回観たときよりも、案外と完成度の高い映画なんじゃないの、って評価が高まりました。


監督のツイ・ハークが「完全復活!」とか映画のコピーに使われちゃってるけど、確かにしばらくパッとしなかったわけで、この映画と、次の『龍門飛甲』では間違いなく大作を任されて、それなりに素晴らしい仕上がりなんだよね。


ツイ・ハークお得意の細かい突っ込み所は確かにあります。

もうコレは昔っからなんだけど、あれ、そういえばアイツどうなったっけ、って感じで、ツイ・ハーク映画は登場人物がほっぽらかしになる傾向があるんだよね。


今回もしばらくレオン・カーファイがほっぽらからされてましたが、まぁ、最後のテロップを見ていたら、彼は特別出演の扱いになっていたので、出番が少ないのは仕方がないんでしょう。


で、もう多くの人が見たので、ネタバレになることを書いてもいいんだと思うけれど、一応はこれから日本でもDVDが発売されると思うので書かないでおきます。


その代わり、邦題について少し突っ込みを。

『王朝の陰謀』っていうのは、やっぱりマズイよ。だって、これは謎解き映画なわけで、犯人が分からないストーリーのはず。


中国語題名は以前にもブログに書いたように、二通りあって、一つ目は香港・中国の『狄仁杰之通天帝国』。

そして、二つ目は台湾の『通天神探狄仁傑』。

どちらも主人公の名前(狄仁杰=ディーレンチェ)に通天仏をからめ、台湾では探偵ものだよって意味の神探って言葉が着いただけ。

しかし、日本の題名のように王朝の陰謀って言っちゃったら、最初から則天武后が怪しく見えちゃうじゃないの!


まぁ、それでも日本ではディー判事の知名度が今一つだから、仕方ないのか?

サブタイトルまで入れると、やったら長い題名だし、やはり邦題は、私・龍虎のような中華映画マニアに付けさせてくれないかなぁ。きっと良いタイトル考えると思うんだけどなぁ。


と、ダラダラしてきたところで、今回はおしまい。結論、この映画は観る価値はあると思いまさぁ。