セーラー服を着た吉高由里子の


「好きだ、バカッ」


という予告編のセリフが良くも悪くも印象的な『僕等がいた』(後篇)を見ました。


これがその「好きだ、バカッ」のシーン。

ゴーイン・バックtoちゃいな
とても吉高さん的なセリフですね。


で、前回は前篇について書いたので、後篇についても今回書いておこうと思います。


もちろん、後篇が公開されてまだ三日目というホヤホヤ作品。

おまけに前篇すら公開中なので、ネタバレになるようなことは書きません。


今回は映画紹介ってより、感想文になりそうな予感です。


さて、私は後篇鑑賞に先立ち、以下の公式ガイドブックを購入しておりました。

ゴーイン・バックtoちゃいな

このガイドブックは2月に発売。ということは、前篇の公開よりも前ですね。


私の場合、前篇を見たら意外と言ったら失礼だけど、後篇もなかなか期待できると確信を抱いたので、このガイドを買うに至りました。


しかーし、実を言えば本ガイドは、親切に主人公達の歩み(年表)まで付けてくれちゃってるもんだから、ストーリー展開をいくつかバラしちゃってるんですよ。


私はアニメ版は全て見ているんで、前篇についてのストーリーが詳しく書かれていても問題ないのです。

(アニメ版の全26話は映画では前篇分のみに該当します)


だけど、このガイドは、よーく見ると、「映画&原作」の公式ガイドと書いてあるではないか!

まぁ、原作も全部読んでしまっているようなコアなファン向けなんでしょうな。

作者・小畑友紀さんと主役の二人それぞれの対談や、原作者書き下ろしの撮影現場マンガなんかが付いていて、それはそれは嬉しいガイドなわけですが、年表を見てしまうと後篇の展開が完全にわかっちゃうんです。


映画の宣伝文句には、


「出会いの前篇から、運命の後篇へ」


なんて言っちゃってるから、

後篇についてかなり衝撃の展開が用意されているわけなのです。


予告編より。

ゴーイン・バックtoちゃいな
ゴーイン・バックtoちゃいな

その「運命」の展開については、私はアニメを観ただけの人間だから知らないはずなのに、ガイドを読んだばかりに一部を知ってしまったんですよ。

うん、別にたいした問題ではないです。一部だから。全部じゃないもの。


でも、楽しみはわずかに減った。主人公の過酷な運命の一部を知っちゃったからね。でも、まぁそれくらい別にいいけど。


というわけで、これから後篇を観る方へ。

ガイドは買ったほうがいいけど、後篇まで観てから読みましょうね。


さて、そんな些細な問題は置いておいて、映画の感想です。


一言で表すなら、私、いい年してキュンと、そしてグッときてしまいました。

前篇では高校生の頃を思い出し、自分にはわずかにしかないケド、淡い青春時代を思い出しました。

後篇では大学生の頃を思い出し、自分にも多少はある、過酷な運命と向き合いました。


こんな感想しかネタバレ回避のために書けないけれど、良い映画ではないでしょうかね?


こうした原作マンガが大ヒットした作品の場合、その漫画と比べて「原作の良さが活かされてない」とか、言ってしまう人がいますけど、それはホントはルール違反なんだよね。


だって、映画には映画の文法がありますからね。いろんな制約もありますし。


私にしても、アニメの方が優れている部分もあるな、とは確かに思わないではありませんけど、一つの映画作品として観た場合、イイ線いってるなってのが素直な感想です。


私は、いずれ原作漫画、全16巻も読もうと思ってます。

なぜかと言うと、後篇から出てきた女性キャラが気になっているのです。


キャラの名前は千見寺亜希子、演じるは比嘉愛未です。

主人公である生田斗真演じるところの矢野君に惹かれながらも、恋人がいることを知って


「親友にして欲しい」


と自ら提案するという、きわめて少女漫画的な設定の役どころでありながら、彼女にそう言わせてしまう、矢野君の普段のふるまいや、千見寺さんの性格とやらを、観察してみたい。


現実にも男女の友情はあるわけだけど、それって恋心があろうがなかろうが、そして片方が同性愛者であるといったような事情があって成立してようが、それとは関係なかろうが、なかなか魅力的なテーマであると思うのですよ。


これが比嘉愛未演じる千見寺さん。

ゴーイン・バックtoちゃいな
矢野君だけでなく、その恋人も暖かく見守ってます。


そういうキャラ設定の魅力、そして登場するキャラがとにかく暖かみがあるところが、原作を読もうと思った動機。

前半ではそうしたキャラの代表格が、高岡蒼佑が演じる竹内匡史君で、その懐の深さが十分に表現されていたけれど、後半は千見寺さんのキャラを描き切れていないと感じたんですね。

もちろん、後半は衝撃・過酷な展開なので、展開が忙しくてそうした描写ができなかったんだと思われます。


こちらが高岡蒼佑演じる竹内くん。

ゴーイン・バックtoちゃいな
まさに「男が惚れる」ようなイイ奴なんだ、こいつが。


というわけで、この作品には、まだまだ隠れた魅力がありそうに思うんです。


映画では時間的な制約から、その全てをシナリオ化できないけれど、俳優さん達(とくに高岡・比嘉の両氏)は、なんとなくその背後にある「想い」みたいなものをうまく表現していたように感じるんだな。ちと過剰にホメ過ぎ、あるいは期待しすぎかもしれないけれどね。


まぁ、もともと私は一つ年上の従姉妹の影響で、少女漫画もたくさん読んで育ったので、すげー久しぶりに少女漫画にどっぷり浸かるのも悪くないかな。


実はその従姉妹は、つい数年前にガンで亡くなってしまったので、つい最近までは彼女のことを思い出すような行動は、少々つらくてしたくなかった(ガンが主題になった映画を見るのも避けていた)のですが、いまはもう平気。


彼女を想いながら、少女漫画に独特なコマ割や台詞回しを、懐かしく、感じとってみたいな、なんて思うのです。子供の頃に、従姉妹の家の少女漫画がびっしり並んだ本棚の前で、二人で黙々と少女漫画を読みあさっていたときのように。。。


あ、話がそれちゃいましたが、とにかく『僕等がいた』は、見て損はない作品なんじゃないでしょうか。