今回は珍しく邦画。しかもアクション映画ではなく、恋愛モノです。
私・龍虎はアジア映画好き。ということは日本映画も嫌いじゃないんです。
もちろん、日本と言えばアニメや漫画。私もそれらは比較的キライじゃない。
その漫画が原作で、アニメ化もされた『僕等がいた』は、私にとって、けっこう特別な作品というわけです。
最近は、中国映画『狙った恋の落とし方。(原題:非誠勿擾」)』で、舞台に阿寒湖・斜里・美幌・厚岸・網走・釧路が選ばれて、映画自体が中国で国内観客動員数2500万人、DVD鑑賞人数を含めると1億人以上が観たっていうビッグヒット(赤ちゃんを含めても10人に1人が観たってことだよ!)になっている。
その爆発的な効果もあって、中国人の道東観光ブームがもたらされ、道内は活気付きました。
『非誠勿擾』中国版ポスターと、日本の『狙った恋の落とし方。』ポスター。
風景は中国語ポスターが阿寒湖の写真です。日本版は網走の能取岬灯台。
どちらも、すごく印象的なシーンで登場。道東へのノスタルジックな思いを盛り上げるように使われています。
日本で言うとドラマ『北の国から』的な感じ。観た人が一億人だから、まさに中国の国民的映画になったわけだ。
そりゃあ、中国人としてはロケ地に行ってみたくなるよね。
実際、スー・チー(舒淇)の入浴シーンもあるので、撮影に使われた鶴雅リゾートでは、中国人宿泊客が相当増えたらしい。
私も行ってきたけど、グオ・ヨウ(葛優)が、阿寒湖温泉街のスナックに飲みに行く設定があるんだけど、その撮影に使われた居酒屋さんにも中国人がいっぱいでした。
そのときは、日本人は私だけだったよ。
でも、その続編である『非誠勿擾2』では舞台が中国の観光地である海南島に変更され、日本とは関係なくなっちゃったんだよね。
『非誠勿擾Ⅱ』中国版ポスター
舞台は海南島ですが、この二つのポスターではすぐにはどこだかわからない。
他に、ビーチっぽいポスターもあって、そちらは海南島っぽいと言えば言える。
(ただし、人物が写っていません)
中国ではやはり、撮影に使われた海南島の某ホテルが予約でいっぱいになったとか。
さて、現在の日本で道東観光を盛り上げてくれそうなのが、今回取り上げる『僕等がいた』。
前篇のロケ地は釧路(実際には厚岸などでも撮影)。
映画会社いわく日本映画では初めてという前篇・後篇の連続公開というほどの力の入れよう。
(あれ、デスノートとかガンツって連続ではなかったんだっけ?)
しかも、原作の漫画がものすごい人気で、コミック累計数が1200万部を超えているんです。
まだ連載が完結していない2006年には26週にわたってアニメ化され、こちらもかなりの人気があります。
(私も全話観たよ)
そして、映画の公開に合わせて、原作漫画もこの三月に連載が完結したばかり。
そして異例の早さで、そのままコミックスの最終巻である16巻が3月26日にでました。
最近まで最新刊だった15巻。
漫画ファンはもちろん、2006年にアニメ化された頃のファンも、そして新たに劇場版から観るファンも交えて、各ファンの期待を一身に浴びている映画というわけですね。
映画『僕等がいた』のポスター。
まさに盛り上げる材料はそろいすぎているわけですよ。こりゃ期待しないほうが無理ってモノ。
今までの漫画が原作の邦画によるロケ地観光ブームってのは、あまりパッとしなかった。
「天然コケッコー」の島根県浜田市もそれほどだったし。「夕凪の街桜の国」の広島県も物語が悲しいということもあって、観光にはつながっていないよね。同じ広島だったら、小説が原作のことが多い大林宣彦監督の尾道三部作あたりのがインパクトはありました。
ですが、今回は既に大人気の漫画・アニメで、しかもその人気は国際級のもの。
その証拠に海外の言語に翻訳されたコミックスを下記に載せるので、ご覧あれ。
次にフランス語。これは8巻の翻訳。
そしてスペイン語。9巻ですね。
アジアに移ってハングル版。1巻!
中国語繁体字(台湾市場向け)。10巻。
私がネット上で発見することが出来たのは、この五言語だけど、以前に僕等がいたの原画展覧会に行ったとき、全部で八言語あるという説明書きがあったのをうっすらと覚えている。
どこの国かは忘れてしまったけれど、たぶん東南アジアのどこかの国(タイ、インドネシアあたり?)と、中国の簡体字があるんじゃないかな。
とにかく、漫画は既に国際進出済み。
アニメに関しても、動画サイトを見る限りでは、英語字幕、フランス語、スペイン語、中国語繁体字・簡体字、ハングルの字幕が付いたアニメは発見できました(吹き替えもあった)。字幕はファンによる「勝手アップ」という著作権違反の場合もあるけれど、吹き替えはおそらくは正式な版権をとっているはず。いずれにしろ、アニメも海外ではそれなりの人気があると判断できます。
よって、劇場版は現在、日本でしか公開されていないわけだけど、否が応でも海外への配給とその後の外国人観光客の釧路旅行を期待してしまうというわけですな。
ただ、後篇の主な舞台は東京になっちゃうので、そこは懸念材料です。
前篇は現在公開中で、私も既に観たけれど、なかなか良い出来。
ということは、後篇の出来が気になるのです。これが素晴らしければ、きっと海外に配給できる。
今回は公開中の映画ということで、ストーリーについては、ネタバレになるから一切書きませんが、アクション中心にアジア映画を観ている私・龍虎も、この映画は推しますよ。
というか、アニメがスゴイ好きだったので、映画にも期待してたんです。そしたら、前篇は思ったよりも吉高由里子の演技が光っていて、生田斗真、高岡蒼佑、本仮屋ユイカ、小松彩夏といった一見するとオヤと思う俳優陣がみんな熱演だったので、後篇もきっと良いと思う。
早く4月21日(後篇の公開日)にならないかなぁ。
最後に原作のキャラクターと、映画のキャストを比較。