2009年にクランクインしながらも、監督のウォン・カーウァイ(王家衛)が相変わらずのスロー撮影で、三年目に入っても全く完成していない「一代宗師」。
主演のトニー・レオン(梁朝偉)も「いつできるかなんて知らない」という諦めにも似たコメントを今年になってから出していた(レコードチャイナ2/18記事)くらいだから、まだ全然できてないのでしょう。
レッドクリフ(2009)以来の出演映画となる予定だっただけに、ファンは待っていたんですけどね。
昨年の夏頃には、とりあえず予告編だけ各動画配信サイトで公開して、トニーのアクションシーンのよいところを見せ、期待だけ煽っちゃっていた。
でも、カーウァイを知っている人は、きっとこのシーンくらいしか撮影してないんじゃあ・・・なんて余計な心配もしてしまったわけです。だって、普通の予告編ってもっといろんなシーンを入れるし。共演のチャン・ツイィー(章子怡)の顔すら写らないし。
下は各動画配信サイトに予告として公開されたトニーのアクションシーン。
ただ、この雨のアクションだけで構成されているところが不安。。。
この予告編の公開から、すでに半年以上経っているけれど、公開に関しては、なんの動きもなかった。
中国のサイトも見てみたけれど、動きなし。
でもまぁ、2011年末から2012年にかけて、トニー主演のこれまた大作「大魔術師」が香港・中国・台湾で公開され、とりあえずファンはこちらを鑑賞したことでしょう。
私も見に行きたかった。無念。。。
そして、この大魔術師の撮影中に、共演のジョウ・シュン(周迅)が、どうやらついでに監督として撮影したらしい「五行伏妖」も今年公開のようだし。
ついでに言えば、これまたジョウ・シュンとトニーとのコンビで「聽風者」が昨年中にクランクアップしたという。
これもじきに公開されるでしょう。ちなみに内容はインファナル・アフェアを彷彿とさせる展開だとか。
今年はトニーのあたり年ですな。
この「一代宗師」は、知っている人には超有名な実在の人物、イップ・マン(葉問)を題材にした映画。
そう。あのブルース・リー(李小龍)の師匠でもあった方ですね。ただ、実際のところは、弟子入りしてすぐにブルースが事件を起こして、アメリカ送りになっちゃうから、ほんのちょっとの間しか教えていないんですけれど。
さて、「一代宗師」がモタモタしている間に、ブルース大好きのドニー・イェン(甄子丹)はイップ・マン映画を二本も作ってしまった。
2008年の葉問と2010年の葉問2がそれ。
すでに、日本でも公開され、DVD化もされている。
以下が葉問の日本版DVD(amazonより)。
なぜか邦題は「イップ・マン序章」に。
で、以下が葉問2(同じくamazonから)。
こちらを「イップ・マン 葉問」として公開。
どっかで見たドニー兄さんのインタビューによれば、ドニー兄さんは葉問3も企画中だとか言っていた。
でもって、カーウァイの「一代宗師」完成後に撮影でもいいか、なんて発言もしていた。
わー、余裕こいてる。
ばんばってくれよ、カーウァイ。
ドニー兄さんはもちろん大好きだけど、葉問のイメージが固定化してしまって、トニーがやりづらくなる。
実際のイップ・マンその人は、私の資料によると、むしろトニーさんに似ている印象。
といっても、おじいちゃんになった頃の画像しかないけれど。
ということで、私としても、どうせ『2046』のように長年、待たされて公開された頃には出演者のキムタクがやたら若いなんて変な感じになってしまうんだろう、なんて諦めムード。
でも、さっき検索してみて、ビックリ!!
なんと、あのGAGAが、一代宗師を買い付けて、2012年全国ロードショーと書いちゃっているじゃありませんか!
問題のページはこちら→<ギャガのサイトへ>
注:2012年5月に再び上記のサイトを確認したところ、「2013年全国ロードショー」に訂正されてました(トホホ)。
ちなみにタイトルは「グランドマスター(仮題)」。
うん、もともとの製作側が用意した英語題をカタカナにしただけ。
許せる邦題です。
しかし、たった一枚貼られた画像はトニーではなく、チャン・ツイィー。
以下がそのスチール。
しかし、ツイィーに何の役をさせるのかしら。まさか奥さん役?
いや、それだったらアクションしているのは変だなぁ。
敵役でしょうか?
ツイィーにそれなりの役を与える以上、ドニー版葉問もストーリーはフィクションだらけだったけど、一代宗師もフィクションなんだろうなぁ。
というわけで、ギャガさんとしても自社のページに書いちゃった以上は、年間の収益計画に入っているのでしょう。楽な商売をしているわけではないので、これ以上の完成遅れは死活問題。
繰り返しますが、カーウァイさん、あきらめずに完成させてね。
最後に、トニーファンの友人のために、懐かしの画像を。
私が彼の魅力に吸い込まれるきっかけとなったチョウ・ユンファ主演映画「ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌」(原題:辣手神探、1992年)より若き日のトニーの写真。
おそらく、私はこの映画と「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3」、そして台湾映画の「悲情城市」あたりで、トニーを意識するようになったんだよなぁ。高校生・大学生の頃だったなぁ。あー年齢がばれる(笑)。