米国、なにを考えているんでしょうか。
拙ブログでおなじみ戦略技術分析センターのワシーリー カシン(Василий Кашин)の分析です。
以下、The Voice of Russia より転載
アジアにおける軍拡競争 世界へ影響(Глобальные последствия гонки вооружений в Азии)
米国のフランク・ケンダル国防副長官が議会下院で明らかにしたところでは、中国は軍備近代化に大きな努力を払っているということで、現在米国の軍事力が優勢を保っているものの、すでに5年から10年後にはその優勢も確かなものではなくなるという。戦略技術分析センターのワシリー・カシン専門家の見方を紹介しよう。
ケンダル国防副長官の指摘は、世界での米軍プレゼンスが縮小することの前触れだと見ていいだろう。縮小の背景にはイラク戦争以降の負担、米国の経済的危機、さらには中国との対立激化がある。
イラク戦争当時、米軍の配備はいまとは違っていた。ロシアや中国との大規模戦争に備えた新兵器開発プログラムへの予算が削減され、ジョージ・ブッシュ大統領は最強のF-22戦闘機の生産削減に対する議会の承認を得ようと試みていた。
海軍に対する予算も削減され、「フューチャー・コンバット・システム」計画が中止された。そして削減された分の予算は、陸軍予算に回されたほか、無人航空機や地雷防御車両MRAPなど、対ゲリラ戦技術開発に注がれるようになった。予算削減を行ったとしても、中国に対する軍事的優位に代わりはないと思われていたのだった。
しかし現在米国は、イラクで目立った成功を収めることができないまま撤退に踏み切り、アフガニスタンからも手を引くこととなった。そして軍の優先課題は再び変化し始めている。それは米国の予算が増えたわけではなく、敵国の予算が増え続けていることが背景にある。対策としてはひとつ、全体の数を削減した上で、一つの敵に力と資源を集中させることだ。そのような敵は中国と考えられている。つまり他の地域における米軍の力は後退することとなる。今後、イラク戦争のような大規模な介入は、米国の経済状況および軍事技術状況を考慮した場合、すでに不可能となる。
そうなると米国は同盟国との関係に依存していくこととなる。米国は世界各地で、外交および同盟国に対する武器供与などを通じて、太平洋における中国に対抗していこうとするだろう。中国が取り得る対抗手段は、アジア太平洋地域で孤立しないために、独自の同盟ネットワークを構築することだ。
以上、転載終わり
詳しくはこちら、VOR(http://rus.ruvr.ru/2014_02_04/Globalnie-posledstvija-gonki-vooruzhenij-v-Azii-8543/)
アメリカ人って“燃えたら”すごいんですが…
でも、いまはたぶんな~んにも考えてないでしょうね。