ちょうしこきやがって、中国の尖閣諸島方針。
戦略技術分析センターのワシーリイ・カシン(Василий Кашин)研究員の分析です。
なかなか的を得ていると思います、長いですがお読みください。
以下、The Voice of Russia より転載
中国が釣魚島のためにしようとしていること
2013年初頭以降、中国は、釣魚島をめぐる紛争における方針を転換した。日本に対する中国の軍事力が相対的に優勢になりつつあることに従い、諸島をめぐる中国軍の振る舞いはより決然たるものになっていく可能性がある。戦略技術分析センターのワシーリイ・カシン研究員はそう見ている。
アジアの国境紛争の歴史を見れば、時に、相手国の思惑を誤解したために、たとえどちらの国益にもかなわないような場合でも、結局軍事紛争が引き起こされるということがあった。この紛争においても、どちらの当事者も、ひとつ国益のみに立脚して行動するような合理的プレイヤーではない。
日本政府は釣魚島を購入・国有化した。 中国との関係を悪化させることなど、日本政府の望むところではなかった。右翼の東京都知事の政治的立場を強化させないために、日中関係を損ねるような措置をあえてとることを迫られたのだった。
中国政府は日本が係争諸島における主権の強化のために行うあらゆる行動に対し、厳しいリアクションをとることを迫られている。国内の愛国主義的・反日的風潮の高まりを考慮しないわけにはいかないからである。
日本にとって、諸島を防衛することは、今後、ますます難しい課題となってくる。中国海軍の強大さは増している。いつ諸島に対して不意のアクションをしかけてくるかと日本は戦々恐々である。なるほど現状、日本は技術的な優位を保っている。しかし中国は目覚ましい勢いで軍事力を増長させている。すでにウクライナより、「ズブル」式揚陸船を取得。陸上部隊を電撃上陸させることが可能な船である。またロシアの戦闘機スホイ35を取得し、また海軍力を一層強化することで、作戦遂行能力はさらに高まる。
中国は今後、ロシアより、地対空ミサイルコンプレックスC-400を購入する計画である。いわゆる重量級ミサイルである。その飛距離は400km。尖閣諸島は日本本土から330kmの距離に位置する。すなわち中国は近々、少なくとも部分的には、係争領域の上空を地上のミサイル防衛兵器でコントロールすることが出来るようになるのである。
そして中国は、今月9日、無人飛行機をデモンストレーションしてみせた。係争諸島上空に無人機を飛ばすことが可能になれば、強硬な政治決断がまた容易になる。諸島をめぐる緊張はより高まるであろう。
中国の軍事的ポテンシャルの増大にともない、否応なく、日本も諸島防衛のための新たな複合的措置を講じる仕儀に至った。今後あるいは、同海域に、航空機・潜水艦を常時パトロールさせるということになるかも知れない。あるいはさらに、諸島の上に常駐の警備施設を構築することになるかも知れない。すれば、中国と日本の関係は、先例のない危機に瀕するであろう。
軍事的観点からは、尖閣をめぐる情勢は、今後も悪化していく定めにあるかのように見える。双方とも、この問題について失態を演じ、顔に泥を塗りたくないあまり、係争領域に次々と新たな軍事力、新たな軍事技術を導入することを迫られているようである。諸島は小さい。そして手ごわい岩礁を有している。占拠は容易だが、防衛は難しい。遅かれ早かれ、大破局を回避するためには、同地域における軍事力の展開の制限に関する双務的合意を締結することになる。しかしそのためには、日本は、まずは領土紛争の存在を認めねばならない。そしてその解決のために議論をしなければならない。それをこそ中国は狙っているのである。
以上、転載終わり
詳しくはこちら、The Voice of Russia (http://radiovr.com.cn/2013_09_25/244113223/)
日本としては領土問題の有無を認めないこと。
そして軍事力の強化ですが…。
15旅の師団化、周辺諸島への空自進出、「いずも」の空母化…
どれをとってもハードルが高い。