ロシア正教会のキリル総主教が中国を訪問しています。
The Voice of Russia のМилена Фаустова(ミレーナ ファウストワ)さんの署名記事です。
以下、転載
ロシア正教会の指導者、モスクワ及び全ルーシ総主教キリルが、10日から15日まで中国を訪問中だ。この訪問は、始まったばかりにもかかわらず、歴史的なものとの声がすでに上がっている。総主教の訪問は、中国当局の招待により実現したもので、ロシア正教会史上全く初めてのものだ。
キリル総主教は、北京、上海、ハルビンを訪れるが、このルートが選ばれたのは全く当然だ。というのは、まさにこの3都市から、ちょうど300年前.正教の布教が始まったからだ。
ロシア正教会の中国での宗教活動が始まったのは、北京にロシアの聖職者マクシム・レオンチェフが到着した17世紀のことだった。1713年には、ロシア宣教師団が設立され、彼らの努力により、正教の教えは急速に中国社会に浸透して行った。国内には20世紀の半ばまでに、中国人聖職者を持つ多くの正教の信徒衆が形成され、よりしっかりとしたものとなった中国正教会は、モスクワ総主教管区から独立した。
しかしまもなく、中国正教会の運命にとって、辛い時代がやってきた。1954年ロシア宣教師団は廃止された。香港の聖使徒ペテロ及びパヴロ大聖堂のディオニスィイ・ポズドニャエフ長司祭は「それ以降、中国には正教の高位の聖職者はいなくなった」と指摘し、次のように続けた―
「これは、十分に辛い歴史的時代、あの文化大革命、そして1970年代の中ソ対立、ロシアと中国関係悪化の時代の遺産です。その結果、中国正教会は事実上、自分達の制度的構造を失い、ヒエラルキイも聖職者も失ってしまったのです。そうしたことから現代中国の信者や正教会の状態は、正常化を求めています。まさにそれが、キリル総主教の今回の中国訪問の課題の一つになるでしょう。」
ロシア正教会は、一度も中国の信仰上の兄弟を見捨てたことはなかった。2000年代の初め、現在は中国の特別行政区となった香港には、聖使徒ペテロ及びパヴロ教区が再建され、2007年には、そこに付属してロシア語研修センターもオープンした。
ディオニスィイ長司祭は「今日までに、中国における正教会及び信徒の数は、徐々に増え始めた」と話している―
「現在、中国自治正教会の4つの聖堂が公式的に存在し、一般に開かれています。又北京や上海のロシア連邦大使館・公使館の敷地内にも正教の信徒達がいます。これは中国本土のことで、特別行政区である香港にも公式の教区が存在しています。」
今年2月、ロシア正教会宗務院の定例会議で、中国も日本同様、モスクワ総主教管区の正規の一部であるとされた。ディオニスィイ長司祭は、キリル総主教の中国訪問は必ずや、この地域における正教の信仰を強化する事に繋がると確信している。
以上、転載終わり
詳しくはこちら、The Voice of Russia(http://rus.ruvr.ru/2013_05_10/Istoricheskij-vizit-patriarh-Kirill-v-Kitae/ )