The Voice of Russia に金正男さんと北朝鮮の改革の署名記事が掲載されています。
以下、転載
Ким Чен Нам станет знаменем северокорейских реформ(金正男氏は北朝鮮の改革の旗手になり得るか?)
Ирина Викторовна Иванова(イリナ ヴィクトローブナ イワノワ ),、アンドレイ ラニコフ(Андрей Ланьков)
韓国の複数のマスコミは、昨年12月に金正日(キムジョンイル)氏の長男でマカオ在住の金正男(キムジョンナム)氏が、韓国当局に政治亡命を求めてきたという噂を書き立てている。韓国当局は、この噂を否定しているものの、このテーマに対する関心は、やはり高い。
金正男氏は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金一族の中でも、最も謎に満ちた人物だと言える。金正男氏は、父金正日氏と彼の2番目の妻、成恵琳(ソンヘリム)氏との間の長男として生まれ、長い間、西側や韓国の専門家らは、彼こそ父の後を継いで次の指導者になると見ていた。
しかし2001年、彼をめぐり奇妙という以上に不可解な出来事が起こった。金正男氏が、偽造旅券を使い日本に入国しようとした疑いで空港で、日本の警察に拘束されたのだ。自分の息子と「東京ディズニーランド」に行くつもりだったという。 この事件の後、彼は父の寵愛を失ったようだ。おそらく金正日氏は、愛する長男への優しい感情を失いはしなかっただろうが、国際的なスキャンダル、それも小話のネタになるようなバカバカしいスキャンダルの中心人物となるような人間は、国の指導者にはなれないと冷静に判断したのだろう。
また金正男氏が権力に上り詰めるには、さらにもう一つ障害があった。もし日本のマスコミ報道を信じるならば、自分が産んだ次男金正哲(キムジョンチョル)に父の後を継がせたいと望んでいた金正日氏の4番目の妻高英姫(コヨンヒ)氏が、金正男氏の「失敗」を利用したのだ。自分の息子にしっかりとした後見をつけようと、彼女は北朝鮮の軍事エリート内での立場を積極的に固め始めた。日本のジャーナリストの意見によれば、そうした動きが、父の寵愛と合法的な後継者の地位を取り戻そうという希望を失った金正男氏の不満を呼び起こしたとのことだ。
2003年、高英姫氏は、ピョンヤンで奇妙な交通事故に遭ったが、日本のマスコミは、事故は偶然ではなかったと推測した。果たして偶然だったか、そうでなかったかはわからないが、高英姫氏生き残り、間もなく金正男氏は北朝鮮を離れ、マカオに住みついた。
そのマカオで、金正男氏は、静かで孤独な生活を送った。彼という人物に、再びスポットが当たったのは2007年の事だった。北朝鮮当局に圧力を加えたいと望んでいた米国人達の要求に従って、マカオの中国系銀行「デルタ・アジア」にあった北朝鮮名義の巨額の口座が凍結されたが、専門家の中には金正男氏がこの口座に関係があると推測する向きもあった。しかし、これは憶測の域を出なかった。
そして2011年、金正日氏が突然亡くなり、彼の三男である金正恩(キムジョンウン)氏が後継者となった。もし長男の金正男氏が、この時まで北朝鮮の指導者の座に座りたいと望んでいたら、命はなかったろう。その後、極めて興味深い事が始まった。
今まで表に出なかった金正男氏が、積極的に、西側のマスコミに登場し始めたのだ。今年1月、日本で、東京新聞の五味洋治記者が、金正男氏との文通やインタビューをもとにした本を出版した。この本の中でも又他のインタビューの中でも、金正日氏の長男である金正男氏は、権力の世襲を「良識から見て受け入れられない」と批判した。
金正男氏と金正恩氏との関係は、決して温かいものではなかったと見られていたが、今や兄弟関係は全く敵同士といったものになってしまった。朝鮮労働党指導部は、金正男氏に対し、批判を止めるよう求めた。ここではっきりしている事は一つだ。金正男氏が、金正恩氏にとって、大変不都合な人物となったということだ。「共和国で経済改革が始まれば、現体制は倒れる」とか「改革しなければ、共和国は崩壊を待つだけだ」といった発言だけ見ても十分だろう。またつい最近、ボスニアにある私立の国際スクールに現在留学中の彼の息子、金ハンソル氏がフィンランドTVのインタビューに応じ、自分の叔父である金正恩氏を「独裁者」と呼んでいる。
金正男氏が、金正恩氏に対する自分の攻撃的発言や共和国の体制に対する批判が、自分や家族にとって危険を創り出している事を心配し、コスモポリタン的で開放的なマカオよりもしっかりした避難先を探しているという可能性も排除できないと思う。それゆえ、彼が韓国当局に政治亡命を要請したという噂は、あながち根拠がないわけではないかもしれない。しかし韓国当局が、北との関係を正常化させるつもりなら、北朝鮮の指導者の母親は違うとはいえ兄に亡命の機会を与える事はないだろう。例え政治的発言は一切しないと約束しても、無理だろう。
しかし、もし金正男氏が、批判的な発言を止めれば、北朝鮮で中国を模範とするような市場改革を実施すべきだと考えている韓国や北朝鮮の人々にとって亜旗のような存在になりえる。 そして、もし北朝鮮の若き指導者金正恩氏が、かけられた期待に反して、改革に踏み出さず、北朝鮮の状況が今後も悪化するならば、金正男という旗は、大きな意味を持ってくる可能性がある。
以上、転載終わり
詳しくはこちら、The Voice of Russia (http://rus.ruvr.ru/2012_11_02/Kim-CHen-Nam-stanet-znamenem-severokorejskih-reform/ )
正男さん贔屓というか、ロシアは将軍さんではダメだと考えているのか。
将軍さんのご母堂が高英姫氏ではなく拉致被害者だという話もあります、ロシアの考えとおり正男さん、復権できるか…?