竹の並空母「Адмирал Кузнецов(アドミラル・クズネツォフ)(写真はWikipediaより)」です。
中国空母が配備されるまで唯一の竹の並空母です。
この船は名前がころころと変わっています。
Советский Союз(ソ連邦)、Рига(リガ)、Леонид Брежнев(レオニード・ブレジネフ)、Тбилиси(トビリシ)、そしてАдмирал Кузнецов(アドミラル・クズネツォフ)です。
正式な名は「Адмирал флота Советского Союза Кузнецов(クズネツォフ・ソビエト連邦海軍元帥)」といいます。
昨日のフランス空母は竹の上、で、こちらは並。その違いはカタパルト有無です。
写真を見てもらえれば分かると思いますが、前部にジャンプ台のように傾斜が付いています。ソ連もカタパルトの開発を行っていたのですがうまくいかなかったようです。そこでこのジャンプ台から搭載機は自力で飛び出します。ちなみにフランスの空母のカタパルトは米国製です。
しかし、そのために馬力のある戦闘機なら飛び出せるのですが早期警戒機のできません、これが並の所以です。
空母といっておりますが、ロシアでは重航空巡洋艦(Тяжёлый авианесущий крейсер)と称しています。
その証拠というか他国の空母が搭載していない対艦ミサイルP-700「グラニート」(SS-N-19)を装備しています。
さて、その使い方ですが平時は他国をビビらすため。
そして有事は…。
これが意外に防衛的。というのはこの空母を潜水艦を守るためのもの。
米の任務部隊(空母機動部隊)が攻めてきたらそれを攻撃するメーンは潜水艦と陸上基地から飛び立った航空機。それらを守り、自艦のミサイルを発射する。
早期警戒機を搭載していないので、あくまで陸上基地から飛び立った哨戒機の傘の下にいなければなりません。
この辺が米国の「松」、フランスの「竹の並」と大きく違うところです。
中国の空母はこの2番艦「 Варяг(ヴァリャーグ)」を基にしたもの。ジャンプ台はそのままなので運用も似通ってくるのでは…。