この時期になってくるとテレビや新聞で出てくるのが戦時中の体験談。
私が伯父から聞いた話をしたいと思います。
まず、伯父について申し上げますと、伯父は私のお袋さまの兄です。軍歴は昭和14年に入営。普通は2年ですが2年半後に除隊し、そして18年に召集で再度お勤めに参りました、そのときのことです。
基本、伯父は部隊で飼っていた犬の話とかどこどこのコーヒーは美味かったとかフォードのトラックは性能がよく取り合いになった等の話をしていましたが一度だけこの話をしました。
場所は伏せさせてもらいます。
二度目のお勤めで伯父はいわゆる古参兵というやつです。階級は5年近くもいたのに星一つのまま、不思議のひとつです。
伯父が召集されるとともに多くの方も召集でやってきました。軍が初めての初年兵というやつです。
そこで行われたのが…。
スパイを木に縛りそれを銃剣で初年兵に…です。
もちろん、スパイは裁判等は受けていません。それどころか…。
それを行わせる下士官もそれを行う初年兵もそしてそれを見ている伯父等古参兵もそのスパイが何者かみんな知っています。
知っているだけではなく初年兵は人を…するのはもちろん初めてなので、伯父に言わすと腰が引けているために一発では…です。
そのため「ひぃ~、ひぃ~」という声がいまだに残っていると言っていました。
私のカンボジア、マレーシア国境で戦を見てきたことがありますが、戦争とはそういうものです。