本を読んでいて「ええっ」っという説があった。なんでも長篠合戦の武田勢中央突撃は「集団自殺」だとする説。
リデル・ハートさんが言っるじゃない「平和維持の為には戦争を研究せよ」と、そして「戦争の研究は戦史」と。
確かに学問の縦割りは存在する。歴史一つ取ってもそれはある。
例えば先の「集団自殺」説など軍事学を知っていれば、多分出て来ないだろう。
凡愚の将と言われる武田勝頼であるが、なかなか良い動きをしている。長篠城を攻めたのは徳川を引っ張り出す為であり、徳川が出て来なければ岡崎と浜松・掛川は分断されるし、地侍たちは武田になびいたことだろう(助けに来てくれない御館様なんて)。
だから、長篠城を一気に落とさず、徳川が出てくるのを待った。
徳川・織田が出陣。勝頼としては狙い通り、数は少ないが戦国最強と言われわるた武田勢、それに通信手段が発達してない当時は用兵を上手くすれば勝機はある。(勝頼が徳川・織田勢を侮っていた所もあるが)
で、勝頼ここでミスを犯す。徳川勢の迂回攻撃で長篠城を落とせなくなったばかりか包囲された。
勝頼が長篠城を落とさなかったのは理由がある。
それは、高天神城を攻めた時に落とした時点で向かっていた徳川・織田勢が引き上げたから。
今回はそうさせないと考えたのだろうが。
で、三千丁の鉄砲の前に集団突撃となるのだが、軍事的にみてあの包囲下で行ってはいけないことはUターン。
何故なら転回中に襲いかかられたらひとたまりもない。
それに集団突撃というが武田勢は当初右翼に徒出していた徳川勢を攻めている。それも自軍の鉄砲の支援のもと。
結果的に敗れたが、勝頼の動きは軍事的みて悪くない。
学問の横の連携があれば「集団自殺」なんていうのは…。