コナーに代わってセラフィルが私たちのチームのスーパーバイザーとなって早1か月。
なかなか物静かで、落ち着いた青年なんです。「エクセル教えてよ~」と言ってくる所がなんとも可愛らしいのでとことん指導。「コンピュータは君に任せたよ!」と嬉しい事を言ってくれます。

でもってセラフィルはアフリカ・エチオピア出身、移民してきて10年。
先日居残りでちょっとゆっくりセラフィルと話をしたのですが、彼の移民話がなかなかいい話だったのでブログに載せちゃいます。

「君には僕の国がどんなだか全く想像つかないと思うけどね、」と言いながら始まった話。
彼は、高校をなんとか出してはもらったものの、卒業後はご両親や兄弟を支えなけらばならない二も関わらず、エチオピアでは日雇いの仕事しかなく、前を見据えた時に当時はまっていたハリウッド映画…アメリカへ行けばお金が稼げる!
と思って、高校卒業後初めてのお給料でグリーンカードの抽選に応募したとか。
そしてその抽選は見事当たってしまいます。

抽選に当たったらいきなりグリーンカードではなく、グリーンカードを当選ベースで申請できるビザが発給されるそうです。この辺り婚約者ビザと似てますね。それが当選して2カ月しか期限がないので当たったら結構すぐに移民しないとせっかくのラッキーもパアです。
もちろんセラフィルにはアメリカへ行く飛行機代もなく、でもどうにか工面してアメリカへ渡ったとか。

さて、セラフィルの国には言語が80以上あるそうな。だから同じ国でも言葉が通じない事があるらしい。母音も7つ、見せてもらったけどもうインディアナジョーンズの世界ですわ。
そんなセラフィルは、どうやって英語を習得したのか、冒頭で出てきたハリウッド映画が主だそうです。私は言い回し云々よりも発音やシラブルを映画から多く学びますが。

でもってやってきたアメリカ。
英語を話せればなんでも仕事はある!と彼は言います。その通りだと私も思います。彼の国の労働事情からするととんでもなく良く、友人に借りた飛行機代は渡米後わずか1カ月で返済。
そして今や国家公務員で、今週にも3人目のお子さんが生まれる予定だ。(双子じゃないのかとみんなからからかわれている)
私も最近薄々感じていますが、郷に入っては郷に従え、今となっては私自身アメリカに来たらさっさとアメリカ社会で働けば良かったなと思います。
なんだろ、私の場合は日本の企業を中心に何社か働きましたが、アメリカにある会社とはいえ中身は日本。私が一番辛かったのはパワハラとも呼べることを受けた事。
働き始めた時アンディはまだ3歳足らずで、病気をまぁ毎週のようにデイケアでもらってきました。子供が病気だとデイケアは受け入れてはくれないので、自分が健康でも休むしかない。
それでも主人のオフィスの人は奥さんが働き始めたばかりでいきなり休むのもなんだから、と3日も休みをくれたものです。一方で私の職場はそんなの知ったこっちゃない、てな感じで休みをくれず。。働く事を後悔したものです。
その後もこのような事がちょこちょこあったのと、遠方に住んでいるとの理由とデイケアのオープン時間に行ってたらダウンタウンへは早くても8:30にしか来られないとの理由にもかかわらず、ほぼ連日7時30分までに来なければならない仕事をほぼ毎日つけられ、理由を述べたら言い訳と捉えられ「子供を盾に仕事サボるな」と何度も言われる、挙句毎日のように「子供がいる人なんか雇うべきではなかった」と言われるように。子供いない人やもう高校生なんかで何でも自分で出来るほど大きな子供を持つ人からすれば、私が言っている事は全く理解されませんでした。まぁこのようなパワハラが横行しまくっている旅行業界なんて絶対に二度と働きたくありません。

DCはNYや西海岸の大都市とは違って日本の企業が極端に少なく、限られたポジションしかなくその上中々ポジションも空くものではありません。だからようやくあった日本の仕事でしたけど、当時週末に具合が悪くなったアンディに病院へ週明けに連れて行くかどうか判断するのは週末次第だから週明けはオフィスにいさせてほしいとの理由も「わがまますぎる」と怒られ、更には会社と家族どっちが大事なのと怒鳴られ…それにはさすがにもうあり得ないと週明け出社し、社長が来たのを見計らって辞表提出。
その後も日本に関係する会社で働きましたが、どこも子供が居る人は「残業しない」=働きが悪いとのレッテルを貼られ(そもそも残業するほど仕事がないのに…。)、日本にて子供を抱えて働く人たちってどうやって働いているんだろうかと思います。もちろん全ての日本の企業がそうではないと思いますが、非常に悲しい現実です。

そして連邦政府の仕事についたこの夏。
ここは今までとは180度逆。
2週間で最低80時間働けば良いので、例えば金曜は30分早く帰りたいとなると有休使うか、別の日に30分余分に働けばそれで良いよ!となります。
上記のあの会社からすると天と地の差だし、なんてったって非常に気が楽です。。。
有休は、2週間ごとの給料と一緒にもらえるので知らないうちに結構貯まってるし。
旦那曰く「え、こんなの普通」…だよね、早くに
就職活動すれば良かったよ~。とはいえ、連邦政府の仕事は人気があるのでこちらもなかなか難しいです。1年くらいアプライし続ける、インターンやボランティアをしコネクションを作るなどしないと狭き門でもあります。

セラフィルとは毎日色々と話し合いをしますが、アメリカでの就職戦線を生き残ってきた私たち。タフさはアメリカンには負けないよね!と言いながら頑張ってます。
今週火曜日からローマ法王がDCを訪問されるので水曜日、木曜日は休み…絶対日本会社ならあり得ない!今週は余裕だなぁ~。