[[「十月八日、零時十九分。ご臨終です。」 彼女の命の終焉を

、医師が彼に伝えた。そして同席していた看護師と共に頭を静か

に淡々と深々と下げたが、淡々としたその様子からは、言葉で

伝えられたはずの、彼女の死という現実は伝わらず、無情とも

いえるそのことを伝えるその瞬間に見えた看護師の目に光る

ものが、言葉よりも心を雄弁に物語っているのではないかと

彼には感ぜられた。

 どれくらいの時間が経ったのか警察官が数人きて「警察に

よる検死をしますので、ご主人は出ていただけますか」と。

                             つづく