余~波~
2月のトリノ冬季五輪の余韻というか余波というのか、それは確実に続いていて、特に実感するのは、やはり巷のあちこちで「例の旋律」、引退したはずのパヴァロッティが開会式で唄い、そして何よりも荒川が金メダルを決めた「例の旋律」が頻繁に流れているのを耳にする時である。昨日などは、日本テレビ「プリマダム」の番宣スポットでも流れていたし。しかし、多くの人々はそれを「イナバウアーの歌」とか、単に「イナバウアー」と呼んだりするのである。もちろん、プッチーニの歌劇「トゥーランドット」の中の「誰も寝てはならぬ」(Nessun Dorma !)というのが正しい曲名なのであるが、大衆にとってそんなことは知ったことではない。どこかの動物園では、イナバウアーを得意とするカワウソがいるとかで、その映像のBGMにもこの曲が使われていた。
逆に言えば、この曲が流れると、多くの人々は条件反射的に弓なりにのけぞってしまうのが現状だ。1960年代にイヤミの「シェー」が大流行した際には、私も含めて誰もがみんな「シェー」とやった。怪獣ゴジラでさえやったことは有名である。ところが、いまは誰もみな「イナバウアー」といってはのけぞる。演歌歌手・上杉香緒里(荒川静香似)ものけぞる。カワウソだってのけぞる。TX「おはスタ」のおはガールの一人・みづき(菅澤美月)に至っては、時間を15秒間だけ止める大技「イナバウアー」を放つのだが……左様、私は菅澤美月(13歳)にゾッコンである。客観的に自己を見つめるに、こりゃ相当にヤバイぞ、という感じだ。そもそも我が家庭には子供もいないのに「おはスタ」を見ていることが病的だ。しかし、それを止めようにも、大好きな南海キャンディーズやアンガールズらが「おはスタ」レギュラーとなり始めている今、お笑い好きの私としてはますます見ないわけにはゆかない(元々は、三谷幸喜が山ちゃんの司会代行をやったことが、この番組を見始めたきっかけだったのであるが)。これは陰謀だ。その挙句、私はどんどんみづきに耽溺してゆき、時には周囲の人に「君は、おはガール・キャンディミントの中では誰派?」なんてつい訊いてしまったりもする。「まあり(中島真亜里)派?まどか(下垣真香)派?それとも、みづき派?」 もちろん、ほとんどの人は怪訝そうな表情を浮かべるので、「ハッ、この話題はちょいまずい」と私は我に返るのである。
トリノ五輪の余波といえば、「カーリング娘。」が流行したことも記憶に新しい。彼女らについてはそれこそ「誰派?」なんて話題が、我が周囲でも飛び交っていました。ま、そうは言っても、たいていの人は「マリリン派」と答えるだけなんですけどね。
話をみづき(菅澤美月)に戻すと、最近新しく発売されたメグミルクの「恵」というヨーグルトのCMに、彼女が出演している(http://www.megumi-yg.com/megumi/cm.html
)。しかし横向きで「いただきます」と言っているだけなので、「おっはー」の元気なイメージと直結しないと思っている人も多いのではないだろうか。否、多くないか。ま、いいか。とにかく、試しに、騙されたと思って、一度「おはスタ」のみづきを見て欲しい。多少は、私の騒ぐワケが納得してもらえるんじゃないかと思うのだが。(ちなみに、みづきの所属事務所は、長谷川京子や吉川ひなのや羽田美智子やポッキーの新垣結衣らを抱える「レプロエンタテインメント」http://www.lespros.co.jp/
というところです。みづきも、将来大物になりそうな予感がします。)
おはガール出身タレントとしては、ベッキーや酒井彩名、あびる優、CXの平井理央アナなどが有名ですが、他にも鈴木杏とか蒼井優なんかもおはガールだったとか(ちなみに個人的興味としては奈良沙緒理もいるが、みんな知らんでしょうなあ。「燃えろ!ロボコン」にも出てたんですが)。蒼井優といえば、フィギアスケートの中野友加里選手が蒼井優似だと数多くの人々によって指摘されているが、私もそう思っていた一人で、個人的には浅田の真央ちゃん以上に中野友加里選手のファンである。彼女のくるくるドーナツスピンは最高に美しい。かといって、じゃあ私は蒼井優のファンなのかと問われれば必ずしもそうではない、というところが不思議っちゃ不思議なのではあるが。ときに、再び話をみづきに戻すと、みづきの得意な物真似は、ふぐりすみえ、もとい、すぐりふみえ、……ええと、村主文枝なのであるが、キングコング西野が的確にツッコミをかました通り、その物真似は「バカにしてるようにしかみえない」あたりがまた最高に笑いを誘うのである。とにもかくにも、トリノの余波はいまなお続いているのであった。よ~は~。お~は~。。