ずいぶんご無沙汰しておりました。先の更新から衆議院選挙に突入し、更に第4回市議会定例会とも日程が重なり、大変慌ただしい1ヶ月でした。
今回も民主党は東京24区(八王子市)から、元衆議院議員のあくつ幸彦氏を公認候補として擁立しましたが、自民党現職に大差をつけられての惨敗となりました。
まず、応援して頂いた方々に心から感謝申し上げると同時に、このような結果となったことをお詫び申し上げたいと思います。全国的にも安倍政権の経済政策等に批判的な世論が高まりつつありましたが、その受け皿として民主党が躍進することができませんでした。
敗因を一つ一つ挙げればきりがありませんが、大きく2点に集約されると思います。
一つは、自民党に対する、民主党の旗幟(政策)を鮮明に打ち出せなかったこと。
二つ目は、政権交代を何が何でも実現するという気概に欠けていたということ。だと思います。
1点目については、アベノミクスや集団的自衛権を含めた安保政策、原発をめぐるエネルギー政策など争点は様々ありましたが、現政権への批判にとどまり、対案を分かりやすく示すことが出来なかったと思います。特に、政権与党を経験したことから、現実的な主張から足を踏み外すことがないように重点が置かれ、他の野党と比べて、政権批判とセットでの対案が有権者にはっきりと伝わりにくかったように思います。単なる政権批判やブレーキ役を選ぶのであれば、我々より共産党などの他の野党の方が適当だったのかもしれません。今回の共産党の躍進は、このような有権者の判断があったのだと思います。我々には、政権を任せられるだけの現政権に対する明確な旗幟と政策が足りませんでした。09年選挙のときのような具体的で話題性のある政策(例えば、高校無償化や子ども手当など)を、現実的な実現方法とセットで、次回までにしっかり練っておく必要があることはいうまでもありません。
2点目は2012年の再政権交代選挙から今回選挙まで、1点目にも関わる、現在の民主党全てに貫通する反省点です。まず今回は維新の党などと選挙協力をし、選挙区調整などを行いました。結果的に民主党の候補者は200名弱となり、仮に全員当選したとしても過半数に満たない候補者数となり、政権選択という衆院選本来の大義が失われてしまいました。この原因は、一言いうなら「準備不足」ですが、常在戦場の衆議院にあっては、いつ起こるか分からない解散総選挙の準備を怠っていたことは重大な反省点です。この2年間、民主党は政権与党時代の「反省」に大きなエネルギーを費やし、政権を奪還するという気概や、与党を厳しく追及する姿勢に欠けていたように思います。今回の「準備不足」も、このような党内状況にあっては起こるべくして起きたことだと考えています。反省は確かに必要ですが、反省をした結果どのように変わったかということは、実際に政権与党に返り咲き、政権運営の中で結果を出して行くことでしか、有権者には伝わりません。他党のことに言及するのは憚られますが、自民党は以前から変わったでしょうか?公共事業に過度に依存した政策、社会保障の削減などによる格差拡大、福島の原発事故の教訓を省みない原子力政策、身を切る改革の約束は反故にされ、極めつけは政治とカネの問題。。確かに政権運営におけるリスクマネジメント(今回の解散総選挙もその一例だと思います)は非常に巧みですが、そのほかは以前より良くなっているとは思えません。自民党は高度経済成長期の考え方から脱却できていないと思います。今後も本質的に変わることは難しいでしょう。このことからも、我々の示すべき旗幟は自ずと見えてくるはずです。
いつまでも自民党一強の一本足打法を続けていては、日本の政治は前に進めないと思います。民主党がもう一本の足となって、国民が交互にこれを選択できるようになってこそ、日本の政治は左右の足を交互に前に出し進むことが出来るのだと思います。
そのためには、まず民主党がしっかり前を向くことです。そして政権交代を目指す気概をもって、政策や候補者などの準備を本気で進めることだと思います。野党再編もその気概をもって進めてほしいと思います。当面の課題は新しい代表を決める代表選挙です。今回は全国の党員、サポーターも投票権を有します。私も有権者の1人として、民主党の新しい顔をしっかりと選びたいと思います。