●見苦しきもの


<一部抜粋>


・色黒で醜く、髪が薄いので付け毛をした女と、髭面でやつれて貧相な男が、暑い夏の昼間に、身を寄せ合って昼寝をしているのは、ひどく見苦しい。


・夜ならば暗くて姿もハッキリと見えないし、誰でも夜は寝るものだから良いが、昼間から寝ている美意識には閉口してしまう。


・暑い夏の昼寝から起きた姿は、身分の高い人ならば風情もあるかもしれないが。つまらぬ容姿の人ならば、てらてらと寝汗で顔が光っていたり、むくんでいたり、頬の寝ジワがなかなか消えなかったりもするだろう。意中の人と、そんな醜い姿を見合わせたりするくらいなら、死んだ方がマシなくらいだ。




●S少納言は遊ぶ


見苦しきもの。


別れ際に諦めが悪く、じたばたする様子。



瀬戸内 寂聴さんが以前、こんなことを言っていました。


「浮気に気付かない人は、捨てられても仕方がないような鈍感な人。新しい靴下を履きたがったり、下着に気を遣いだしたり、注意深く相手を見ていれば、必ず気付くものだ。」


これと同じように、恋の終わりも、相手を見ていれば必ず気付くものです。


送ったメールの返信が以前に比べて遅くなったりとか。

気付けば相手からの連絡は数えるほどで、自分からばかり連絡をしているとか。


こういう状態に気付いた時には、もう末期。


メールや、早朝の電話などの失礼極まりない方法でお別れを宣告されるのは、もはや時間の問題です。



さて、ここで大事なのが“不用意な別れ”に直面した時に、どういう態度をとるかということ。


近年のスピリチュアルブームの影響で、そういう類の本を開くと、必ずこう書いてあります。


「思いは、必ず伝わる。誠意を持って、気持ちを伝えることが大事。」

「諦めてはダメ!信じ続けるポジティブなエネルギーが、ポジティブな現実を引き寄せる。」


これを真正面から信じてしまった人、それがS少納言です。



スピリチュアルな格言に洗脳されて、

いつもなら絶対にしないことを、やってみたことがありました。


オバマ大統領の選挙演説ばりに、熱い思いを伝えてみたり。

今まで以上にマメに連絡をしてみたり。


もうここまでくると、愚かなる一人芝居。

相手の気持ちなんて、もはや頭の片隅にもありません。


そんな自分に伝えられた正直すぎる裁きの言葉は、非常に残酷なものでした。


「こっちは望んでいないのに、そっちが勝手にやっているだけ。迷惑だ。」


完全にノックアウト。


現実に強制カムバック。


スピリチュアルな本で学んだ知恵は、決して実際の恋愛生活に織り込んではいけないと、最高に見苦しい実体験を通して学んだ瞬間でした。



気持ちが冷めてしまうのは仕方がないことであり、力づくでは変えられないのが人の気持ち。


「自分に冷たくするような人が、自分のとって最高な人であろうか?」

こう自分に問いかければ、答えは明瞭。


お気に入りの服に腕を通して、新しい恋を探しに街へ出るのが、

恋の終わりにとるべき行動の正解なのです。


あなたが思い悩んでる間も、

愛したその人は、何もなかったような顔して、いつも通りの楽しい時間を過ごしているのだから。