心の傷を癒すということ | 映画と私

心の傷を癒すということ

阪神・淡路大震災発生時、自ら被災しながらも、他の被災者の心のケアに奔走した若き精神科医・安克昌(あん・かつまさ)氏。手探りながらも多くの被災者の声に耳を傾け、心の痛みを共に感じ、寄り添い続けた日々。震災後の心のケアの実践に道筋をつけ、日本におけるPTSD(心的外傷後ストレス障害)研究の先駆者となりました。在日韓国人として生まれ、志半ばでこの世を去りながらも、険しい道を共に歩んだ妻との「夫婦の絆」と、彼が寄り添い続けた人々との「心の絆」を描きます。(NHK)


舞いあがれ!で桑原さんの脚本は素晴らしいなと思って、気になってたこの作品。
やっぱりよかった。
とにかく丁寧。
精神科というだけで偏見があった時代。
傷ついた人々にゆっくり耳を傾ける安先生。
医者はただ薬を出すだけじゃない。
患者に向き合っていくことができるかどうか。
末期癌になってしまっても、
最後まで抗がん剤じゃなく、代替医療や家族と過ごすことを優先したことが素晴らしいと思う。
道半ばで亡くなってしまったことはとても残念で、幼い子供たちを思うと泣けてしまうが、短くてもその時間の密度はきっと濃かったのだろう。
父親との最期のやりとりもよかったな。
父が息子を認めて、息子も父の人生を肯定して。
あれだけ高圧的だった父が息子の本に線引いて読んでるの泣ける。
誰も一人にしないこと、それが安先生の目標だった。みんなの声に耳を傾ける。
本を読んでみたくなった。
そして、柄本佑はやっぱり上手。配役も良かったな。