ザ・ホエール | 映画と私

ザ・ホエール

恋人アランを亡くしたショックから、現実逃避するように過食を繰り返してきたチャーリー(ブレンダン・フレイザー)は、大学のオンライン講座で生計を立てている40代の教師。歩行器なしでは移動もままならないチャーリーは頑なに入院を拒み、アランの妹で唯一の親友でもある看護師リズ(ホン・チャウ)に頼っている。そんなある日、病状の悪化で自らの余命が幾ばくもないことを悟ったチャーリーは、離婚して以来長らく音信不通だった17歳の娘エリー(セイディー・シンク)との関係を修復しようと決意する。ところが家にやってきたエリーは、学校生活と家庭で多くのトラブルを抱え、心が荒みきっていた……

(公式HP)


アロノフスキーっていいところついてくるなあ。

肥満についてのこういう映画初めてだ。

個人的に肥満治療のナウ医師の番組みるの好きなので、興味深い。

最近見かけなかったブレンダン・フレイザー

が見事にナチュラルな巨漢になってた!

アカデミー賞納得。


なぜここまで太ることができるのか?

妻と娘を捨て、同姓の恋人に走った過去、

そして恋人の自殺。

周りの人を不幸にした自分を呪うかの如く

過食するチャーリー。

肥満によって死が迫ったその時に、

宣教師の男、娘が登場する。

一室で繰り広げられるので、

演劇を観ているかのような緊張感。


自己嫌悪と、それでも自分の気持ちに正直で

あると言うことがテーマの一つにもなってる。

上手に取り繕うこと、誰かのために演じること、それを少しもしようとしない娘。

悪意ある言葉、罵り。

でもそれによって救われる。

嘘がないから。

宗教で救いを与えようとする宣教師と対照的に。


最後も、やはり娘によって、救われる。

娘自身も自分を捨てた父を恨みながらも

偽らず、正直に生きた父を愛していたのだな。

お互い気持ちに蓋して、生きていくという選択肢もあったろうが。


娘に自分を誇りに思ってとか

幸せにと願うなら、父も自分を大切にして欲しかったな。

サマンサ・モートン老けたけど、健在っぷり見れてよかった。

ホン・チャウもええね。