2016年に日本遺産認定された郡山市の安積疏水。 

「未来を拓いた一本の水路」 「安積疏水」の工事は、明治維新政府による最初で最大の国営農業水利事業である。郡山から猪苗代湖方面に広がる安積原野は、年間雨量が1200㍉㍍にも満たない水利の悪い不毛の丘陵地帯だった。その荒れ野に、猪苗代湖の水を引くという夢は、江戸時代からあったが、猪苗代湖の水位低下の懸念から実現できないままになっていた。

 その夢の実現に大きな力を発揮したのが、当時の内務卿、大久保利通である。1876(明治9)年、明治天皇の東北巡幸の下見に来た大久保は、福島県と地元富商が結成した開成社が進めてきた官民一体の開拓事業に感激。西南戦争後の士族授産と、国家殖産興業の一大事業として、この疏水の実現に自らの夢を託した。 安積疏水は1882年に完成。工事期間3年、延べ85万人の労力と当時の国家予算の3分の1を費やした世紀の大工事であった。疏水は大地を潤し、米の収穫量は約4500㌧から10倍以上に増加、全国の市町村の中で第1位となった。

 

 大谷一号水路橋は、1960年(昭和35年)に造られた約800メートルに及ぶ高架式水路です。南北に通る道に対して、地下通水して逆サイホン式で真西から真東へ流れていきます。

 サイホン水路近隣には、天然温泉宿が数多く在りますので、トレックに疲れたら、郷土料理と温泉満など喫如何でしょうか。