加藤靖久/武蔵坊弁慶

大千秋楽『大地』のラスト。
スクリーンに流れる年表を
役者達も舞台袖に集まって
みんなで観ていました。
この年表が流れ終わったら
美しの水が幕を閉じてしまうという寂しさと
あの時代をみんなで生き抜いたという
なにか達成感みたいなのが同時にありました。
芭蕉の台詞にこんなフレーズがありました。
『悲劇の英雄。
彼がそれを聞いたら、
怒るんじゃないかと思うんだ』
決してそんな事は無いと思うんです。
それは義経だけではなく。
悲劇を生きた人物はいないと思うんです。
沢山の人が命を落としました。
沢山の人が涙を流しました。
届かなかった想いも
叶わなかった願いも
果たせなかった夢も
そこにはありました。
でも大切なのはそんな事じゃない。
大地のカーテンコール。
皆さん笑顔と温かい拍手を受け
なんでこの作品が
これだけ沢山の方々に支持されたのかが
ちょっとだけ分かった気がしたんです。
登場する全てのキャラクターが
ただ出逢うために懸命に生き抜き、
皆が笑顔と笑顔で繋がっていたから。
この作品に関わった全ての関係者に感謝します。
支えて下さった皆さん、応援して下さった皆さん、
刺激を与え続けて下さった皆さん。
本当にありがとうございました。
そして。
あの時代を生き、
あの時代の景色を見ていた先輩方。
皆さんに負けないよう生きていきます。
またいつか
あの時代を生きる日を夢見て。