高校に辞めた後、しばらく引きこもり
殻にこもった生活をしていた私だったけど



病院に通い薬を処方されてからは
アルバイトに行く事が出来るようになった。




家を出る前に薬を飲んで、
数分間の電車通勤にドキドキしながら
何も起こらないことを願いつつ働く毎日。



ダメだとわかっていても、薬を飲んでいても
パニック発作は、意図せず突然やってくる




結局、アルバイト中に発作を起こして早退させてもらったり、迷惑をかける事が頻繁にあった


そんな自分でも辞めさせられる事はなく
励ましや優しい言葉をかけてもらった。




あの頃の職場の人たちには
今でも本当に申し訳なく思う。




ある日薬を持って出掛けるのを忘れた時、
それに気がついた電車内で発作を起こしかけ
タイミングよく停車した別の駅で降りて取りに戻った。




たった数時間の外出でも、
薬はお守りのような存在だった。




3食毎に飲む薬が数種類ずつと
寝る前の睡眠薬。


そして、頓服として服用する安定剤。




この頓服薬がとても強くて、
飲んで数分後には立っていられなくなる。


強制的に思考を止められ
やがて睡魔に襲われて眠る。



まさに鎮静剤。


職場でこの薬を使ったら、
家に帰るのが困難になるほどの効き目だった。






同世代の皆が学校に通い
部活やバイトや遊びに忙しくも
充実した時期を過ごしているような
いわゆる青春まっさかりの年齢の頃


私は統合失調症の急性期をぬけるまで
こんな薬漬けのような生活が続いた





週1回の病院で会計の時に渡される、
数枚に及んでびっしり書かれた処方箋。




徐々に病院に通うペースが落ち着いて、
処方箋に少しずつ白紙部分が増えていく度に
私は心の中で小さくガッツポーズをした。