練習後.......................。
九条飛斗たちはそれぞれ片付けの準備を始めてた。
そして、九条が大山の元へと近づいてきた。
「今の練習、どうだったか?ドッペルゲンガーとやるのと全然違っただろ」
そう聞かれて、大山は赤面した。今までドッペルゲンガーに頼ってきたから、その言葉は余計恥ずかしいのだ。
でも、大山は頭をかきながら
「はい・・・・・・・・すごく楽しかったです」
「おかえり!大山っ」
堂波が大山の背中を思い切り叩いた。少し前へよろけた。が、すぐに体勢を元に戻した。
堂波と大山がじゃれあってる。そんな光景は九条たちにはありえないと思ったが、今はこれでいいのだと確信した。
「・・・・・・・一件落着だな」
翌日。
三宅と大山は学校の屋上に居た。
ドッペルゲンガーを元に戻す方法は、きっと羽渡が三宅から吐きだしたのだろうと思い、それでも大山は軽々と口に出してしまった三宅をうらまないことにした。
「あれでよかったのか?」
三宅が問う。
「ああ、俺、間違ってたよ。あんな風にやっても面白くない」
そう言うと、大山は、制服のズボンのポケットから、何かを取り出した。
直径10センチくらいで、色は金色に輝き、星みたいな陣が書いてあった。
「これ、返すよ」
三宅はそれをとった。
「しかし・・・それ、どうやって作ったの?ドッペルゲンガーが呼び出せるなんて、知らなかったよ」
なんとそれはドッペルゲンガーを呼び出せることができるらしい。
「へ、それは秘密だ!ほら、早く部活行ってこいよ」
「おう、またね」
大山が部室へ行くと九条たちがもう先に居た。しかし、あの時の様にぐで~っとしている。
「ほら・・・やっぱり練習しないじゃないですか」
「でもよ、練習も大事だし」
「そうですけど・・・・・・・」
大山はため息をついた。でも、いつもの部活風景に戻ったので、嬉しくもあった。
「それより、大山はどうやってドッペルゲンガーを呼び出したんだ?」
九条が聞いた。
「俺もよく知りませんけど、気づいたらそこに居るって感じです」
「こ、怖いな・・・」
「ふーん、じゃあ、あの時も大山が呼び出した奴か」
堂波が独り言のように言った。
「あの時って・・・・?」
「ほら、あの時古井を見た、見てないって争ってたときだよ」
大山はきょとんとしてる。
そして。
「え?俺、その時にはまだ何もしてませんよ?」
「・・・・・・・・・・・・・」
皆の顔に緊張が走った。
最初に見たあのドッペルゲンガーは一体・・・。
九条は、背後に気配を感じたが、振り向かないことにした。
~終わり~