階段、階段、かいだ~ん!(絶叫)
アーチ状の天井、漆喰に金のきらびやかな装飾。
何もかもが輝いて見える。
1人ボーゼンと階段で立ち止まる私、さぁどーなる?

漆喰といってもいつもその単語が浮かぶのは後になってから。
この時とっさに思ったのは、「おーウェッジウッドの金ヴァージョン」だった。
どうもここは黄金階段と呼ばれるらしい。
もうこれだけでごっつぁん、って雰囲気な私。
でも、そうは問屋がおろさなかった。

この宮殿はすごくゴージャスな絵や、様々な装飾で埋め尽くされていて途中で美しさに慣れる
という贅沢な現象が起きる。
しかし美しさに慣れてきた私がボーゼンとした部屋があった。
”ヴェネツィア共和国の富と権力の象徴”と言われる「大評議の間」。
1つだけを見ても大きなサイズの絵が、金の装飾に囲まれて何枚も飾られた天井。
その重みで落ちてくるのではないかと思われるほど。

サン・マルコ寺院とは異なる荘厳さ。
この装飾はまさに西洋の象徴。
運河に面した側の何枚かのドアが開け放たれ、入ってくる眩しいまでの白い光。
この部屋を更に艶のあるものにする。
輝く黄金、ヴェネツィア共和国の華やかなりし時代を思わせる。
海と結婚したこの街は、今でもその美しさを絶やそうとはしない。