幸せすぎて、消えてしまいたい。という思いを、生まれて初めて持っている。
幸せすぎてというのは、実は違う。幸せすぎるほど幸せだとは思っていいない。ただ、私の一生の中で、今が一番幸せだろうと思う。これからは下がっていく一方だと思う。だから、今のうちに、消えてしまいたい、という気持ちが生まれているのだろう。
今の彼氏と付き合い始め、心を開けるようになったとき、私はやっと、やっと、幸せを掴んだんだ!と涙した。今まで辛いことが沢山あった。こんな幸せ訪れると思ってなかった。とっても優しい彼氏なんです。私のことを大切にしてくれてる。
彼の希望で、同棲を始めた。入籍はしてない。結婚が幸せとは思えない。結婚してないし、家族でもない。その状態を守って、まあ家事は家が一緒だから掃除洗濯はまとめてやるけど、それ以外は完全に別。財布も別。食事だってそれぞれが食べたいときに食べたいものを自分の財布から。二人で食べる時は同棲前と同じように、彼が出すことが多い。たまには私が出したり、半額渡したり、そういうのも、同棲前と同じ。家賃と生活費は全て彼氏のクレジットカードから落ちるから、月末に彼から請求が来て、私は彼に金を渡す。家具や電化製品を買った時も同じ。同棲してるけど、経済的には頼ってない。自立している。
しかし私は失業した。会社が倒産した。その時に彼が何か言ってくるかと思ったけど、特に何もなかった。経済的なことで。私は10万くらいの失業手当と、少しあった貯金から、今までと同じようにお金を出して暮らしてる。
今もまだ失業中。働かないで家にいる。お金は払ってるから文句言われる筋合いはないし、言われない。
働かないでダラダラしてる生活、優しい彼氏のいる生活、これが本当に幸せ。でも、いつまでもは続かない。それが、今、消えてしまいたいと思う理由。今だけが幸せなのだ。これからは幸せでいられないと思うのだ。
失業手当はもうすぐ切れる。私は30代後半。手に職もない。再就職は難しく、就職できたとしても前職と同程度の待遇は望めない。前の仕事も大して良くなかったけどね。給料は手取りで月に20~21万。途中から年次昇給も断りなく無視され、ボーナスは一ヶ月分にも満たず、年収はこの年齢で300万に達していなかった。
どっかに再就職できたとしても稼ぎは落ちる。パートとかじゃないと無理かも知れない。働いて、金なくて、その上、体も悪くなっていく一方で、それは今の幸せからかなり落ちると思う。
私は平均的な人よりも老化が早いようだ。体の衰えを、ひしひしと感じてる。顔や手にシワが増え、肌はたるみ汚くなり、髪もパサパサ、体型は崩れた。私これでも、20代の頃は結構もてたんだ。きれい、ってよく言われた。それで特することも少なくなかった。今はそんなの全然ない。誰にも相手されない。でもまあ、対外的なことだけならいい。もっと重大な問題がある。体がずいぶん悪くなってる。腎臓が悪い。尿に蛋白が出たり血が出たりする。足は常にむくんでいて、痛い。検査したら腎臓に病気があった。目は視野狭窄が進行していて、外周ちょっとくらいならなんとかなりそうなものだが、中央も一部見えない。進行が止まらない。心臓なのか肺なのか、何もしてないのに急に動機が早くなることも多い。普通に家にいるだけで胸が苦しいということがよくある。胸には乳腺が石灰化してるところがある。私の体は、加速度的に悪くなっていく。
彼氏との関係、経済的なこと、仕事と個人の時間、体の問題。今を起点に折れ線グラフでも書いていくとするなら、今が最高で、これからは下り坂になると思う。私の血筋を考えても、私はそんなに長生きすると思えないから、今ちょうど人生の真ん中かそれをちょっとすぎたくらいかな。過去と今を比べると、これは間違いなく、今が最高だから、私の人生全部において、今が最高に幸せなときなのだと思える。だから、消えちゃいたいって考えたりする。
実際に人生をここで終わらせることは私はしない、できない。今何かで死んだら、それは大きく悔やむ。だけど、他のどのタイミングで死ぬよりも、幸せに死ねると思う。