前々回までに続き
今回は、
<華僑の教育投資思考>
華僑が学歴にこだわるのは
子どもにビジネスの才能がない場合です
学歴がなくても
お金があれば人も運も寄ってきますから、
ビジネスの才能があるなら中学校を出て
すぐにでもビジネスを
始めさせたほうがよいと
考える親も大勢いるのです
ビジネスを本領とする華僑も、
基本的には学歴よりも
ビジネスの才能を優先し、
子どものビジネスセンスを
早い段階で見極めようとします
そのために
子どもが幼いうちから
テストを始めるのですが、
テストといっても
計算問題などではありません
三国志や中国の古典を読ませて、
そのとらえ方で
ビジネスセンスをはかるのです
子どもの幸せを考えてのことではありますが、
華僑は将来子どもから受け取るリターンも
実はしっかりと
計算した上で進路指導をします
学費はもちろん、
子どもが就職する時や
起業する時の援助も
すべて投資と考えています
とはいえ、
投資というものは
相手の合意なくして
勝手にするものではありません
よく話し合い、
子どもが納得して初めて
親はお金を出すことができるのです
「あなたが将来こうなりたいのであれば、
こんな方法やこんなルートがある」
「将来まで見据えると、
あなたが考えている進路よりも
こちらの道のほうがよい」
説得材料としての知識や
情報が間違っていれば、
投資に対するリターンも
得られないわけですから、
親も真剣に勉強します
あるお金持ちの華僑の娘さんは、
子どもの頃から勉強が得意でした
ビジネスの才能もあるのですが、
お金には余裕があるし女の子だし
ということで進学路線となりました
しかしその娘さんが大学へ進む際、
難関の国立大学工学部に
合格したにもかかわらず、
親御さんは私立大学薬学部への
入学を勧めたのです
なぜかと言えば薬局チェーンを
展開して成功している華僑が多いため、
娘さんにも薬局を商うことを
勧めたかったのです
工学部で研究をするよりも、
私立大で薬剤師の資格を取って
自分で商売をしたほうが確実に儲かる
そうしてビジネスを広げていけば、
人を雇って店舗の運営を任せることもできる
将来結婚して子どもができた時に、
子どもとの時間もたっぷり取れる
華僑は、
よほどの大富豪でない限り
女性も生涯働きますので、
職業の選択は大変重い意味を持ちます
いずれ結婚して母となっても
楽をして儲けられるように、
娘さんの将来を見据えて
私立大学を勧めたのですね
もちろんこの提案には、
子どもが儲けてくれたら
自分の老後も安泰だという計算も
含まれています