作家 坂井あおのブログ

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    絶えず移動していく僕ら
      止まれない私たち

小説・シナリオ(ドラマ、映画、CM)・写真詩集作家、坂井あおの日々浮かんでは記憶の海に消えゆく思いを気ままに綴るブログです。

小説家・脚本家 坂井あおのブログです音譜

なんとなく、日々思うことを書いています。

 



私はドラマやお笑いでも、人がつらかったり、困ったりする状況が耐え難いストレスに感じてしまう。

ドラマの脚本をやっていた人間としてどうなのかと思うけれど、そうなのだからどうしようもない。

 

主人公がこれから傷つくと分かるとき、芸人が仕掛けにひっかかる前など、とてつもないストレスを感じて、目を背けてしまう。

 

子供の頃から「感受性が豊か」とか言われてたけれど、つまり「メンタルが弱い」ということを周りの大人が前向きに言ってくれていたのだと思う。

けど、けっこう生きていくのにキツイなとかんじることも多かった。


 

ただ、最近気づいたことがある。

 

現実だと、同じような場面でも、そんなにきつくないのだ。

現実で誰かがつらいとき、逆に私は強くなる。

 

誰かの置かれた窮地を知ると、「その人は今、どんな心情なのか」を真剣に考えると同時に客観的にものごとを捉えて、「どうすればその人にとって一番救いになるのか」を必死で考えたりしている。

 

そうなった理由は、おそらく学生のとき。私は自分の感情のもろさがきつくて、日常生活に支障をきたすこともあった。そこで私が取った対策は、心理学や生物学、歴史などを学ぶことだった。

 

知識を身に着けることで、自分に起こっていることをできるだけ客観的に、他人事のように捉えるようにしたのだ。

 

そうしたところで、心の負担は変わらないのだけれど、少なくとも一時的にその感情から遠ざかることができた。

もしかして、フィクションだとキツイのに、現実だと大丈夫なのは、このせいかもしれない。

 

もちろん誰かの窮地のために必死で考えたところで、私の力などほとんど何も役立たない。それはその人の窮地であり、その人の感情だ。

それでも、自分のなかで頑張って、その人のためにできることを考えることだけはできる。

 

一方、フィクションは自分がどう頑張ったところで、何も変えることはできない。テレビのなかの芸人だってそうだ。

私にできることは、いったん、その場を離れること。

 

それでも知る必要がある場合は、できれば結論を知ってから見る。

結論が分かれば、覚悟や客観視もしやすくなる。

 

「そんなのドラマの本当の面白さを楽しめないじゃないか」といわれるかもしれない。

けれど、自分が病まずに生きていくためには仕方ないのだ。人がどうであれ、自分はそれを選ぶ。

 

ただ、ごくたまにつらいストーリーでも、逃げずに見れるものもある。

それは、ストーリーも演出も演技も映像も、何もかもが完璧な作品。

個人的に「好み」の作品なのだろう。

 

それから、つらくない作りのドラマは平気で見れる。

また、つらい話でも気に入ったら、何回も何十年も繰り返し見続ける。

 

ドラマの素晴らしさは、言葉で直接的に伝えても響かないことを「物語」にすることで、人の心に届けられることだと思う。

個人や時代を超えて、いろんな感情や人生をお茶の間で体験できる。

 

だから楽しみたいけれど、この感情の弱さとは付き合っていかなければいけないので、私は自分なりの方法で楽しんでいる。

 

痛みや弱さはとても個人的なもので、それがどのくらいキツイことなのかは、誰かと共有することは難しいけれど、自分の人生だから「自分なりのやり方」で付き合っていくしかないのだろう。

何年ぶりかでログインできました(笑)


コロナ禍、体調を崩し昨年は顔面神経麻痺になり、引きこもり気味でしたが、今年からやっと復活しました。



仕事はしてたけど、自分自身のためのクリエイティブは枯れ果て、何かを作りたい気持ちも、心惹かれるアンテナも動いてなかった気がします。

でも最近、少しずつ、なにか小さなノックの音が聞こえる。

それが何かはわからないし、見つけたい言葉を見つけられるかまだわからないけど、それでも何か、自分にとって大切なものを見つけることができる予感がしています。


表現を失っていたといっても、仕事では言葉を書き続けていましたし、楽しいことはいっぱい体験しています。
いろんな人にあったり、いろんな場所へ行ったり、いろんなものを見て、たくさん笑って、ただ心から表現したいと思わなかっただけ。長い長いインプットの時間だったのかもしれません。

すっかり年は取ってしまったけど、一方でぜんぜん変わりのない自分もいる。
経験値が増えて、落ち着きは前よりはあるかな。

何も大したことはしてないけど、自分らしく入れる場所にいて、大切な人たちに囲まて、これ以上感謝すべきことはない気もしますが、まだまだもがいて行こうと思います。

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