さて、職業選択の話。結論に持っていこうと思います。

最初の記事で話したことをまとめてみると、
・職業を選択する時の基準は、自分のやりたい事、自分のできる事、お金になる事を起点にすると良い
・自分が社会人生活を歩む中で、会社は栄枯盛衰を繰り返すし、この3項目は形を変える
・それに適応して、今の働き方を続けるか、会社は同じで変えてみるか、会社を変えてみるかを選ぶのはほかならぬ自分である。

という話をしました。

次の記事では、
・プロフェッショナリズムの意識は過残業を生む側面を持つ
という話と、
・私がどのように職業を選択したかの例
を書いてみました。



 

 

 

もう一つ、厚生労働省のホームページを見てみると、以下のような項目が働き方改革の上で変更する項目でした。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html

これが改革2トップ
・長時間労働の是正
・雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保


以下が、なるだけやりたい事
・柔軟な働き方がしやすい環境整備(テレワーク、副業・兼業など)
・病気の治療と仕事の両立
・賃金引上げ、労働生産性向上
・子育て・介護等と仕事の両立
・障害者就労の推進
・外国人材の受入れ
・女性が活躍しやすい環境整備
・若者が活躍しやすい環境整備


少子高齢化による労働者不足というのが背景ですね。





 

 

という、これらの話をもとに、結論です。
多少ソクラテス感全開でぶっ飛ぶと思うので、わかるような文章にできるか不安ですが、書いてみようと思います。これまでの2つをちゃぶ台からひっくり返してしまうかも。。。




 

 

職業を選択する上で何が大事なんだというと、そのキーワードは

「多様化」と「好きな事」

です。




実は、ブラック企業というのがここ数年で有名な単語になっているものの、過労死の人数ってここ50年で4分の1になってるんですね。
この傾向をそのまんまとらえると、10年ちょっとで過労死はほぼゼロになります。
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11302000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu-Anzenka/0000165152.pdf

一方で労働時間も50年前から比べると、25%減です。
http://kochi-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/kochi-roudoukyoku/topics/topics222.pdf

労働時間の是正という面で見ると、実はずーっとやっている施策で、今更「改革だー!」って言って騒ぐほどのものでもなかったりするんですね。





 

では、なんで改革と言うほど働き方を改革せにゃいかんのか。
ブラック企業をなくすための施策よりも1個先を考えた施策だからなんですね。
今後団塊の世代が引退を迎えると、少子高齢化は進んでさらに一人当たりの総体的な仕事の物量は増える。目に見えて分かりやすく、今後の未来が不安視できるところです。残業量も増えそうですね。
そこで必要になるのが、もっとガチで作業の効率化を図ろうというものです。




 

 

たとえばITなりAIを使った削減策です。
今の職業が壊滅的にとってかわられる業界もあります。そして基本的に安直な単純作業から無くなっていくはずです。
そして法則のわかっているものから順に、段々高度なものも論理的に説明ができ、プログラムが組める仕事無くなっていきます。スーパーのレジから果ては裁判官や会計士といったところでしょうか。
今まで数時間かかっていた作業が数秒で終わる世界になります。



戦々恐々とするところではあるんですが、ふと立ち返ってみましょう。
ITやAIがとってかわる、今やってるその単純作業、

 

楽しいですか?
 

給料をもらっているor社会に貢献しているという事を抜きにすると、その単純作業って、少なくとも私はむっちゃ嫌いです。



 

 

 

就労時間の是正という話は、そこから個人の生産性を高めて、あわよくば空いた時間で何をしようかという事を考えられる時間だと思うべきなのです。
今の会社でも、この考え方を生理的に受け付けられない人もいます。
「効率化しちゃうと、人を減らしてもいいって思われるじゃないか。」
「今効率化しちゃうと、自分たちが要らないって事を証明しちゃうじゃないか」
時間が無限にあると思える人程、単純作業で時間をかけることを厭わない感じです。ですが、そうじゃない。もうめんどくさい仕事でしかない単純作業を早めに終われせて、次なんか面白い事やろうぜっていう施策ですよ。





さらに普段自分が手や足や目でやっていた、脳みそを使わない作業が、ITをもっと身近にすることで、さくっとできてしまうようになります。
皆さんがとっつきにくく、武器にできていないのは、IT側のインターフェースデザインの問題です。ここはエンジニアが頑張るべきところで、少なくとも見た目(グラフィック)は以前よりずっと進化したし、気軽に通信できる情報量は文字情報から動画まで進化しました。

 

 

技術はまだまだ進化しますし、もっと人間にとって身近な、ありふれた存在になっていきます。機械やプログラムを使っている事さえ意識しないで済む時代は、少なくとも私が寿命を迎えるまでに来るでしょう。そうすると、今よりもっと日常生活の単純作業にかけていた作業がもっともっと効率化される上に、今までできなかった事がもっと簡単にできるようになります。









単純作業、「やんなきゃいけない仕事」が壊滅する中で、我々が何を生業として生きていくのか。
「できる事」、「金になる事」が無くなる中で、何の職業が存在しているのか。
それは

「やってて楽しいと思える事」

になるはずです。

 

 

残った「やりたい事」です。
もっと言うと、「皆が過ごしていて楽しいと思えるモノを発信できる環境を作る人」と二分化されることになります。
そして少数の後者と大半の前者という配分になると思います。後者はテクノロジーを開発する業者ですね。





「やりたくないけど、誰かがやらなきゃいけない」

が仕事になる時代は終わります。
「やりたくないけど、誰かがやらなきゃいけない」

を勝手にやってくれる機械ができるから。





人のやりたい事は多様性の中から生まれます。
ITやAIはたくさんの職業を終わらせますが、代わりにたくさんの職業を生むことになります。
youtuberという単語が残っているかは分かりませんが、
「これむっちゃ楽しいから、みんな見て!体験して!」といえる「職業」が、今よりももっと簡単に提供できるし、人数が増えるはずです。
それを、誰よりも先に、誰よりも好きになった人が、収入を得ることができます。

 







そんなもん見つけられるか!って言う人もいるかもしれません。ですが、そうでもないと思います。
長時間労働の是正は必ずセットで、職場環境の多様化が出てきます。通勤時間や場所に対する無駄を省くものでもありますが、これも大事なのが、「仕事じゃない、やりたい事、やらなきゃいけない事」と両立させるための施策であるという事です。

 

 

個人個人がいろいろな事情で仕事をしている事、その色々な事情をどんどん受け入れていこうというお話です。その良いものでも悪いものでもある、色々な事情の解決が職業になるという事です。そして個人により微妙に違うその事情が、ほかの誰でもない個性でもあるわけです。それを会社が、社会が受け入れる準備を着々と始めています。



逆に言うと、自分から「これ楽しい!」と思えるものを見つけたくない人には、結構な悲劇です。
とりあえず時間を過ごせばいい職業がどんどんなくなっていくわけですから。また、多様性を受け入れるということは、負の感情をゼロにもできないという事です。
統一されたルールで善悪も決められないので、必ず自分が楽しいと思ったものが、誰かの無茶苦茶嫌いなものでもある事も大いにあり得ます。もしかしたら、プロフェッショナリズムを悪く働かせた結果、会社に殺される人ではなく、顧客に殺される人は増えるかもしれません。







というわけで、長ーくなりましたが、総論です。

職業を選択する上で、恐らくブラック企業はおろか、単純作業を膨大にこなすという職業がほぼ壊滅します。

 

そして、時間を如何に使うかというより、楽しみ/ストレスを自分で如何に評価するかが、評価スタイルになるはずです。
 

そのうえで、単純作業が可能な限り効率化される分、「好きな事」を商売にする人が増えます。

それは今までに無かった商売で、他人と違う差を売りに商売する話です。
 

そして、誰もが専門的知識なんてなくても実現できる世の中になるはずです。

 

「それは仕事じゃなくて趣味なんだよ!バカにすんなよ!」という人の考え方はきっと10年後には変わり始めているはずです。

 




なぜ、私が無茶苦茶働いていた時代でもそれなりにやってこれたのか、
その解答の一つは、その時間、何かができるようになる、もっと俯瞰的に物事が見えるようになる、すごくガサツだった仕事が洗練されていく、その時間を楽しんでいる部分があったからだと思います。
そして、「あ、これ違う」と思ったときに、さくっと会社を変更できたのか。
そうやって出来上がった能力に需要があったからです。

そんなことどうでもよくなるぐらい、未来は変わります。
もっと簡単に、それを実現できるようになります。
少なくとも、無茶苦茶苦しい思いをして働かなくてもよくなる世の中にはなるはずです。


必要なのは、自分が何をしているのが好きなのかを、より真正面から考察すること。

 

そしてそれを新しくなるテクノロジーでいち早く表現していくこと。
「このめんどくさい仕事さえ片づければ、あとは絶対楽しくなる」

 

という、その時間が、未来の職業選択になるのだと思います。

 

今の職業がクリエイティブじゃないんじゃないかと思う人、考える時間はここ10年だと思います。
 

楽しみ、不安、たくさんありますね。できればポジティブに未来を受け入れる準備をしてみましょうか。