(長文を書く人はフォントを小さくしているので真似してみます。)

 

 

日本で働いているとき、私の隣の席に座っていた同僚が退職して新しい会社でチャレンジをすることになりました。

私自身からみると、この人は正直言うと決して一緒にやりやすいタイプではなく、色んな人がこの人と一緒に仕事するときの、やりにくそうにしている私を見ていたと思います。ですが、このblogで書いていることはすべて本音ベースで話をしていますし、今回も本音でいうと、この人の才能はすごいと思っています。どうでもいい仕事をしている人ではなかったですし、この人の出してきた結果は決して誰でも真似できるものではなかったと思います。なので、未来のことはどうなるかわからないけれど、すべきチャレンジをしていると思うし、正直に応援しています。

 

 




んで、それとは別に安倍総理が働き方改革内閣みたいな事を言っているのと、以前取り上げたヒカルさんが高卒入社向けのキャリアセミナープログラムを立ち上げているのを見て、私も働く事について考えてみようかと思います。

 

 

 


働き方改革については基本的に賛成ですし、(それとは逆のすげー働きたい人のケアはしてほしいけど)、ヒカルさんのに至っては全面的に賛成で、むしろすげーことやってんなぁと感心します。



原則として働く場所は選んでもらう場所ではなく、選ぶ場所だと思っています。
また、転職を経験している人間ですし、一社にずっと長くいるよりは、必要なタイミングで会社を変わるほうが良いと思っている人です。

そのための情報は多ければ多いほど良いし、最初の会社が合わなければ、やりたいことが別にあれば、見極めと覚悟のうえでトライすべきだと思います。


これは今が全体でみると売り手市場だから言えることかもしれません。
ブラック企業という会社が存在するのも、人が必要なのに会社が採り渋っているor取れていないという状態の表れだと思います。私の数年先輩で就職氷河期を経験した方は、ほんとは実力あった人がガンガン落とされていった世代で、私が海外に旅行に行くと、せっかくならこの機会にと世界を旅に出ているという人をチラホラ見かけました。
この人たちの幸せの見つけ方もいいなぁと思って、いつ何時でもバックパックをもって旅に出てやるぜと思ってもう10年以上たってしまいました。そういう人から見ると、私が行っていた就職活動なんてナンボのもんじゃいって思われるかもしれないです。


ただ、今の時代は基本的に需要過多の時代なので、仕事で結果を出せる人間は、自分がふさわしいと思える場所を選べる時代でもあります。結果を出せなかった人も、合わなかった人も、職場を見つけられる時代でもあります。(正規、非正規とかは、いったん棚上げします。すみません。)

 

私が最初に入った会社で、私が応募した職種で入社したのが5人。そしてそのうち私を含めて4人はその会社にいません。職種を広げて同期入社にしても恐らく今残っているのは2~3割ぐらいといったところでしょう。その7割はリストラも含まれるわけですが、IT業界にかかわらず、色んな業種に仕事を移して、各業界で頑張っています。親の店を継いだり、会社を作ったり、留学したり、NGOに行ってみたり、海外青年協力隊や海外の会社に転職とか何でもありです。


これはIT業界で顕著なのかもしれませんが、出来る人は学歴問わずというところ。
私のむちゃくちゃ尊敬する先輩は、昔は調理師学校卒のコックさんでした。
また別な人で酒飲んでるときに「この会社に来る前何やってたんですか?」って聞いてみると、
「ずーっとウィニングイレブンやってたかなぁ。」と答える人もいました。
この人もすごくまじめで信頼できる人です。


学歴関係ないというのは、正直新卒社員という枠組みでいうと大ウソです。
頭の回転の速く、自頭の良い人がいる人数は高学歴のほうが確率高いです。会社に直結しない勉強をしている学生を、素養としてそこでスクリーニングする事は決して悪い事じゃないと思います。

ですが、入ったところからどうキャリアを歩むかは、本当に人それぞれで、学歴関わらずよくもなるし悪くもなる。なので、「重要なのは社会人をスタートしてから。」というのが、社会人まだ若輩者ながらも私が思う持論です。


ちなみにインドでは職業カーストというのが根強く残っているようです。
しかし、IT業界など新種の産業に関しては、そのカーストが問われないケースが多いらしく、実力主義がちゃんとまかり通っています。一生がある程度生まれた時から決定づけられてしまうそんなインドでさえ、選択は幅をもって訪れます。
IT業界で影響力のあるインド人が多いのもこういったところが背景かもしれません。


私は大学に入って初めてリテラシーという単語を耳にしました。
物事の本質を理解して、自分なりの理解を表現する能力のことを言います。
氷河期時代は募集数が圧倒的に少なかったので、その枠組みの中に入る競争が必要でしたが、今は会社における、業界における、自分の生活におけるリテラシーが必要になる時代だと思います。
それはある種競争してゴールにするよりも難しい、答えを自分なりに解釈して選択する必要があるもので、何をやっても幸福にも不幸にもなりえるものです。


自分にしかできないとか、個性とかよく言われますが、平たく言ってしまうとそういう事です。
就職活動で問われたなぜこの会社なのか?という問いは、
この会社でよかったのか?と形を変え、
面接官からヒアリングされた質問を、今度は自分自身が自問自答を繰り返すことになります。


その中で、私が一つの判断基準として使っている、大学の時に社会人の先輩から聞いた金言です。

 

今やっている仕事が、

 

「自分のやりたい事」で

 

「自分のできる事」で

 

「お金になる事」か。
 

これを自分のリテラシーで表現でき、自分で納得できるかというのが、付く職業で大事だという事です。








ただし、これの難しいのがこの3つどれもが時間によって変化するという事です。
やってみればやりたい事も変わるし、出来ることは増えてくるし、売れるモノやサービスが売れなくなったり、その逆もあります。
社会人を40年分の10ちょっとやってみて、その期間ですら変わります。40年もこの3つが一定で続けられるものなんて、それは奇跡です。特に40年も自分のできる事が変わらない人なんて、この世に存在しないでしょう。IT業界だとそれは退化です。



分かりやすい例えかどうか難しいですが、日経225という株の銘柄があります。
端的に言うと、会社の日本代表225社という感じでしょうか。よく言う「いい大学を出ていい会社に入る」の「いい会社」だと思います。
この記事を見ると、2010年から2015年の15年で約4分の1がスタメン落ちてます。潰れた会社もありますね。この時代で社会人やってて、「いい会社に入ったから一生安泰だー!」と思ってる人は、もうだいぶ時代に取り残されてます。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/matome/20150414-OYT8T50012.html
やりたい事をたとえ無視して、やれる事とお金になる事を重視したとして、これです。
この会社の中でも、リストラもあるし、このリストにない子会社に行く。なんていう人が半数以上でしょう。


なので、社会人をスタートしても、自分のやりたい事」で「自分のできる事」で「お金になる事」か。この3点は常に見直さなきゃいけないし、そこに合うように自分をシフトしていかなければいけないと思っています。
私が就職活動をしているときに、ほかの人のエントリーシートで「日本を変えたい」という文言を入れる人がいました。その時も今でも、私にとってはやっぱ違和感です。日本とか集団とか社会とか、そういう不確定要素の集合体の有象無象が人一人の思うように変えられるわけがないと思っています。


なので、変わるのは変えるのは自分で、その時やりたいと思って、市場とか人間関係とか、時間の使い方を自分で分析して必要な場所を自分で自分に提供してやる。
というのが職業を見つける事に関する私の思いです。


安倍政権が働き方改革と唄っているのは、その中で不幸な選択をしてしまった人を減らすためのルール決めであり、ヒカルさんがやった事も、選択肢がない人に選択肢を与えるという営み。
こういう施策は、自分で選んで入った会社が、自分にとって不正解だった確率を減らすことはできるかもしれません。
これはこれで良い事でぐんぐんやっていけばいい話ですが、個人の話に落とすと、結局自分が自分に提供してやる選択が正解であるかどうか、その選択とは軸が全く違うのです。


その選択がやはり間違っていると、痛い思いをするのは自分だし、その人にとってはそれが全てです。
そしてそこには「裏切られたー!」とか「思ってたんと違う!」と思うのも自分で、「入ってよかったー!」と思うのも自分です。
「最初は良いと思ってたけど、なんかなぁ・・・」と思うのも自分だし、「やってみたらそこそこ面白いやん」って思うのも自分です。
会社や国に期待をするのはゼロではないけど100でもない、結局自分自身のリテラシーの問題なのだという事です。


案の定長くなったので、続きはまた今度。