思い遣る ということ | かふぇ・あんちょび

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このカフェ、未だ現世には存在しません。

現在自家焙煎珈琲工房(ただの家の納屋ですけど…)を営む元バックパッカーが、

その実現化に向け、愛するネコの想い出と共に奔走中です。

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 これを今年の抱負にします。

 稲荷神社のおみくじが私にこの言葉をかけてきたのはまさに的を得た神託であり、私に非常に欠けている資質がこれです。

 独立してからひとりで仕事をしていますが、これがまたものすごく快適です。
鼻歌を歌いながら焙煎前の生豆をハンドピックしたり、ブツブツと自問しながら焙煎機に張り付いたり、原付にまたがって風を切って配達をしたり、誰に相談する事もなく瞬時に決断を下したり、楽しい事ばっかりです。

 給料をもらって働いていた頃には、特に共同作業が苦手だとは思いませんでしたが、断然コッチの方がストレスがなく、くっきりとした自分自身というものを感じる事ができています。

 バックパックを背負って旅をしていた時もそうだったかもしれません。
安宿の大部屋で旅人たちとバカ話をしたり、時には道連れを得てしばらく一緒に旅をしたりするのも大いに楽しかったですけど、喧騒のバスターミナルなんかに佇んで、

 どうしよう、乗っちまうか? 行き先もよくわかんないけど、あの動き出したバスに乗っちまうか?

というような感じは、やはりひとり旅ならではだと思います。

 
 こうして考えてみると、私は何につけても、いちいちヒトと相談して熟考したり知恵を出し合ったりしてより良い選択肢を探すというのが苦手なようで、直感ポン!の出たとこ勝負、なりゆき任せで後はそれなりにどうにかしよう という傾向があるように思います。

 最近 「派遣村」 報道を見聞きするにつれて、彼ら派遣社員に批判的な意見は全て、

 んん? これ、ひょっとして僕の事言ってるの?

という感じにも受け取る事ができるんですよね。

 みんな辛くて面白くない仕事を、安月給で我慢して正社員としてやっているんだ、お気楽にその日その日を生きてきたキリギリスが寒い冬に報いを受けるのは当然だ

と言われると、独立したての私はなんかギクッとします。

 う、うーん・・・。

 たしかに僕らキリギリスは、全体を思い遣るという心に欠けていて、みんなの為に共同倉庫に冬の食料を貯め込むというような事はしてこなかったかもしれない、女王アリの言う事も聞かず、好き勝手に自分の弾くバイオリンの音色に酔いしれていたのかもしれない・・・

とも思う訳です。


 ならばせめて私は、まだ生き残っているキリギリスとして、彼らの為にも精一杯このバイオリンを冬空にかき鳴らし続けようと思います。

 負けるもんか、それならばそれで生き抜いてやる

 願わくは、私のバイオリンの音色、私の珈琲の温かさが、寒さに震えるキリギリス、労働に明け暮れる働きアリ、そして恐怖に脅え己の存在の為にキリギリスを見捨てる女王アリたち全てに届かん事を。

 食べ物も、寝る所も、仕事も分ける事はできないし、辛く面白みのない仕事や、自分の手足を切ってまで生き延びねばならない宿業から解放する事も私にはできません。

 でも、私もここで精一杯やる事にします。