ひとり酒 | かふぇ・あんちょび

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このカフェ、未だ現世には存在しません。

現在自家焙煎珈琲工房(ただの家の納屋ですけど…)を営む元バックパッカーが、

その実現化に向け、愛するネコの想い出と共に奔走中です。

一人で飲める? ブログネタ:一人で飲める? 参加中
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 バックパッカーの基本は単独行動だと思います。
ですから、旅行中は大抵、何をするにも独り、でした。

 んん? いや、それを言うなら今でもそうですけど。

 行動をする時に連れがいると、その連れの方に注意力のかなりの部分をもっていかれますので、周りの事をほとんど見ていない状態になるように思います。
 旅と連れ合いとの関係を分りやすく説明するには、あの 『 あいのり 』 というテレビ番組がいい例だと思います。
あの集団の関心事はグループ内での色恋沙汰ですので、実は車窓の風景なんかちっとも目に入っておらず、まったくもってもったいない旅行をしています。
はっきり言って、バスが走っている場所がどこだろうが全く関係ないです。


 え? 話題が違う? ひとり酒の話でしたね。
・・・すみませんね、酔ってるもんですから。

 えー、でえすから、私の場合、旅の間も独りで飲む場面が多くありました。
 中国なんかではビールは水よりも安く飲めましたので、ほとんど毎晩ビール飲んでました。
今はどうか分りませんが、屋台なんかではどんぶりでぬるいビールを飲む、というのが普通だったように思います。

 これがインドになりますと、ちょっと事情が違ってきます。
 宗教的な理由からか、かの国では飲酒はかなり後ろめたい行為のようで、なかなかお酒を飲むチャンスというのに巡り合いませんでした。
まあ、酒ではない別の酩酊するモノには不自由しなかったのですけど。

 そんなインドでのひとり酒の思い出は、カルカッタのパブでの事です。
このカルカッタという街は、ちょっとインドの他の街とは趣を異にしていたように思います。

 貧乏旅行者がたむろするサダル・ストリートという地区から20分くらい歩いた所に、そのパブはありました。
インドの国産ビールとか、ラムとかが飲めたような記憶があります。
 薄暗い店内にいる地元の客たちのほとんどは独りで飲んでいて、ナッツなんかをつまみに、浅黒い顔の中でそこだけ白いはずの眼を赤く血走らせて、皆店内の虚空を睨みながら物静かにグラスを傾けており、すごくイイ雰囲気の飲み屋でした。
 もちろん、と言うかなんと言うかお客の100%がむくつけきオトコたちで、誰も日本人の私に軽口をきいて酒のつまみにするどころか特に注意を向けるでもなく、皆ひたすらに自己の内面と向かい合っているかのような酒の飲み方をしていました。

 あれは非常に旅の孤独とか旅情とかが身に沁みる、素晴らしいひとり酒だったと思います。
たしか飲みしろはインドの物価にしては結構な値段でしたが、私もだいぶ痛飲したはずです。

 インドの街にはリキシャという三輪自転車の乗り物があるのですが、このカルカッタの街のリキシャはソレとはカタチが違っていて、明治時代の日本にあったようなヒトが牽くタイプの、いわゆる人力車でした。
 酔って上機嫌の私は、パプからサダル・ストリートの安宿に帰るのにこのリキシャのオヤジと交渉し、オヤジを後ろに乗せ私が牽き棒を握り、鈴を鳴らし大笑いをしながらカルカッタの通りを疾走した素晴らしい想い出があります。
客席のオヤジはすっと私の運転?にハラハラしっぱなしのようでしたが、到着したらしっかり料金は請求されました。

 旅から日本の故郷の街に戻ってからは、ひとりで飲むのは専ら部屋での寝酒となっています。
寝酒と言っても、週にいっぺんとか、その程度ですかね。

 何故か私の街では客待ちのリキシャが見当たらず、街で酔っ払うとタクシーじゃないと家に戻ってこれないんですよ。

 

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うーん、いや、やっぱコッチか・・・。


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