そんな乞食の花道を抜けると、いよいよガートへとたどり着く。
ゴチャゴチャしたヴァラナシの街なみであるが、河岸ではバーンと視界が広がり、かすんだ対岸が見渡せていい気分だった。
どうやら向こう岸は 「 不浄の地 」 として扱われているらしく、かすんでいるからか建物の影がまったく見当たらない。
それは、世界の果てを眺めているような、不思議な光景だった。
そしてこちら側、階段状に川面へと降りるガートには、沐浴する人びとのにぎやかな姿があった。
みんな、朝日を浴びながら沐浴したり、バシャバシャと泳いだり、石鹸で身体を洗ったり、歯を磨いたり、洗濯したりしている。
それは限りなく聖なる河であるのと同時に、限りなく俗なる日常生活の舞台としての河であり、そこには何の違和感もなかった。
河の水はけっこうキタナソウであったが、泳ぐのは楽しそうだ。
・・・そうかそうか、ヨシヨシ。


