#192 ヴァラナシ到着 | かふぇ・あんちょび

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このカフェ、未だ現世には存在しません。

現在自家焙煎珈琲工房(ただの家の納屋ですけど…)を営む元バックパッカーが、

その実現化に向け、愛するネコの想い出と共に奔走中です。

 ガンジス川での沐浴の風景で有名なこの街は、おそらくもんのすごく古い街である。

インドの歴史に全く通じていないので適当な事を言っている訳だが、1200年くらいの京都なんかより、もっともっと古いような気がする。


 駅からリキシャでガンジス川沿いの繁華街(?)に向かった僕が感じた街の鼓動のようなそれは、例えばその京都、あるいは西安といった街で感じていた古さを超越していて、圧倒的な空気の重さのようなもので僕を包み込んだ。


 この太古の遺物のような街はもちろん遺物なんかではなく、今も脈々とその鼓動を続けているのである。

通りには例によってヒト、ウシ、野良犬、リキシャ、荷車がうごめき、ベルの音や人々の声が交じり合って都会のノイズを創り出している。


 到着したばかりのそんな夜の街をリキシャの座席から眺めるのは、例えようもなくココロのざわめく、インドの旅の醍醐味のひとつだと思う。


 そして、この地球の底の底にあるかのような古い街は、まるで僕の到着を歓迎するかのように、突然町じゅうを停電におちいらせたのであった。


 けたたましくベルを鳴らし続け、ある時は口汚く罵り、ある時は進路を邪魔する荷車を足で蹴り飛ばしながらゆっくりとリキシャのペダルを漕ぐオヤジの背中越しに観たこの停電の街の景色と興奮を、僕はずっと忘れないだろう。


 通りの商店や露店では人びとがガスランプやろうそくをともし、そのゆらめく淡い光の中、僕はゆっくりとインドの底へと入ってゆくのであった。


 それは、ゾクゾクと背筋に興奮が走り、全身に鳥肌が立つ、僕のインドの旅のクライマックスでもあったのだと思う。



 ああ・・・ オレ、とうとうココまでやって来てしまったよ