#161 アンジュナ・ビーチ | かふぇ・あんちょび

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このカフェ、未だ現世には存在しません。

現在自家焙煎珈琲工房(ただの家の納屋ですけど…)を営む元バックパッカーが、

その実現化に向け、愛するネコの想い出と共に奔走中です。

 ゴアでは、とにかく毎日海を見て過ごした。


 僕の旅はここまで、どちらかといえば荷物抱えて満員の鉄道やバスでもみくちゃ、選択肢があれば常に安価な方を選び、劣悪な移動手段や安宿でよれよれ、といった感じが多かったように思うが、(ヒッピー向けとはいえ)ビーチリゾート!でのんびりするのもいいじゃないか。


 数少ないバックパックの荷物の中には、ちゃんと日本からはるばる海パン運んできていたのである。

中国大陸、ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠、パミール高原を越え、アラビア海でようやく出番がやって来た訳だ。


 アンジュナビーチには、太陽ギラギラ、流行りの音楽ガンガン、ごった返す人ごみの中で、つかの間の夏を精一杯楽しもう!という日本の海水浴場のような感じはかけらもなかった。


 砂浜のぱらぱらとまばらな人影は、ちょっと海に浸かったり、日光浴をしたり、座り込んでぼんやり会話をしたりしている旅人たちであり、その旅人たちを目当てに、両手に布地やおみやげ物や飲み物なんかを持った地元の物売りのヒトたちがのんびりと歩いているだけである。


 僕は毎日そこで存分に泳いだり、砂浜の太陽を浴びて昼寝をしたり、物売りのヒトたちととぼけた会話をしたりしてのんびりと過ごした。

ただ海風を感じ波の音を聞いていると、6ヶ月の間に日本からここ天竺まで駆け抜けてきた旅路もなんだかウソのようでもあった。


 空腹や喉の渇きを感じると、のそのそと砂浜を離れ、目と鼻の先のカフェ?レストラン?へと移動。

ここには掘っ立て小屋ではあるが実に魅力的なレストランがそれこそ無数にあって、ちょっと気のきかない感じの地元のにいちゃんウエイターが、それぞれの店で似ているけど微妙に違うメニューで僕を迎えてくれる。

 周りの席には、僕と同じような感じでぼんやりと海を見たり、本を読んだりしている旅人たちがいる。

気が向けば、彼らと礼儀正しい旅の話を楽しむ事ができるし、そうでなければただぼんやり座っているのもまたいい。


 うーん、世界の終わり、旅の終わりの地は、ここゴアでもいいなあ


あの時僕は、確かにそうも思っている。



         旅路の果て