#126 パンジャブ | かふぇ・あんちょび

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このカフェ、未だ現世には存在しません。

現在自家焙煎珈琲工房(ただの家の納屋ですけど…)を営む元バックパッカーが、

その実現化に向け、愛するネコの想い出と共に奔走中です。

 アムリトサルからデリーへと向かう途中の、ジャランダールという町で一行は銀行に両替へ。


 それにしても、この二人の旅の仕方は非常に興味深い。

自分自身の移動手段を持っていると、旅の自由度が格段に増すのである。

言い換えれば、あてずっぽうで出たとこ勝負の旅であった。


 このジャランダールなる町、結構な都会ではあるようだったが、おそらく外国人旅行者がわざわざ出向いてくる観光地ではないようだった。

別に観光地に行きたい訳ではない。

僕も彼らも国境を越えて以来まとまった両替をしないまま、アムリトサルでは寺院にほとんどタダ同然で雑魚寝していたので、インドルピーを持っていないのであった。


 さて、そこでこの外国人慣れしていない町の銀行での両替である。

僕の日本円チェックと、彼らのドイツマルクのふたつの両替手続きに要した時間は、ゆうに2時間を超えた。


 ・・・。


 可笑しかったのは、その手続きの2時間の間に、ドイツマルク-インドルピーの両替レートが変化したとかで、ピーターは30ルピー分(¥100くらい)損をしてしまう事であった。

さあそれから彼らドイツ人ふたりと銀行の係員との間に喧嘩じみたやり取りが始まる訳である。


 あはは! ドイツ人もインド人も日本人よりずっと押しが強いぞ! 


 まあまあ、別に30ルピーちょろまかそうとしている訳ではないみたいじゃない、 きっとこれがインドの時間の流れ方なんだよ・・・。


 当事者ではない僕が、憤懣やるかたないふたりを煙に巻くような仲裁をしてようやく出発。

どうも僕の旅はいい加減なのかもしれないが、その30ルピーのために失う時間の方がもったいないようにも思えるのだった。


 結局この日は日没までに予定のデリーにはたどり着かず、パニパットというこれまた訳のわからない町でさんざん苦労して宿を探し泊まる。

ようやく泊めてくれる宿を見つけたもののダブルの部屋がひとつしか空いていなくて、僕は屋上にホッポリ出してあるソファで月を眺めながら眠った。


 これは面白い旅になりそうだ。

彼らとの自動車旅行は始まったばかりであった。