#120 タキシラ博物館 | かふぇ・あんちょび

かふぇ・あんちょび

このカフェ、未だ現世には存在しません。

現在自家焙煎珈琲工房(ただの家の納屋ですけど…)を営む元バックパッカーが、

その実現化に向け、愛するネコの想い出と共に奔走中です。

 実は名前を憶えていないので本当にタキシラ博物館というのかどうかわからないのだが、まあとにかく、タキシラにある博物館である。


 その博物館のベンチに座っていると、見学に来ていたらしい学生たちがわっと寄ってきて、口々に英語で僕に話しかけてきた。

会話の内容はたわいもない自己紹介だとかその程度だったように思うが、何故僕がこの学生たちとのおしゃべりを記憶しているのかというと、それが僕のひと月のパキスタン滞在における唯一のパキスタン女性との会話だったからである。

まあ、女性といっても中学生くらいの歳の女の子たちであったが。


 それだけではなく、ベールで顔を隠していない彼女たちは、僕に写真を撮ってくれないか、と言うではないか。


       画像



 ラワールピンディの安宿ポピュラー・インで下働きをしていた少年は、僕にこう語っていた。


 「 俺は今年19歳だよ もちろんセックスにもすっごく興味がある 経験ないけど

 

 仕事場のここでは、お前たち日本人や西洋人たちが男も女も仲良く話をしてるけどさあ、俺らにはそういうチャンスはない訳よ おまけに旅行者のオンナは顔も隠していないし、半袖シャツなんか着て肌見せまくりだしさあ、ムラムラしちゃうよねえ


 え? 西洋人はセクシーかって? ああ、そうだねえ でも、世界一美しいのはやっぱりパキスタンの女性よ! 」


 うーん、そうは言うけど僕はパキスタンの女性の顔を一度も見たことがないぞ!


と僕が答えると、彼は鼻息も荒く自分の部屋へ映画雑誌を取りに戻り、女優の写真を見せながら僕にパキスタン女性がいかに美しいかを力説したのだった。


だから僕はタキシラでようやくパキスタンの娘さんたちとご対面しおハナシをすることができて、大いに満足したのである。


 彼らは一体どうやって恋愛や結婚をするのだろうか…? そこらへんをちゃんとインタビューしておかなかったのが悔やまれる。