ここには西夏王陵というでかい土饅頭のようなお墓があるらしく、それを見たくて来たようなものなのだが、宿の服務員のお姉さんに聞いてみると、どうも町からかなり離れた砂漠みたいな場所に行かないと見れないようだ。
仕方がないのでCITS ( 中国国際旅行社 ) のオフィスに行ってみた。
この旅行社、中国入国当初からその存在は聞いていたのだが、利用するのは今回が初めてであった。
どうやらお墓は町から50kmくらい離れているらしかった。
写真を見せてもらうとこれが凄い迫力で、もうどうしても実物を見たくなってしまった。
このオフィスでも車を手配できるが、料金は人数ではなく車1台あたりだから200元 ( 2300円 ) 払ってくれ、ということだった。
高い! 15元の宿に泊まって観光に200元・・・
まあそれでも見たいんだから仕方ない。
日本語か英語の話せるガイドさん付けて下さいね、という条件で、初の豪華個人ツアー決行となった。
運転手さんと英語がバリバリのガイドさんのふたりに連れられて車に乗ること1時間、李元昊の一族の墓は、羊飼いたちが放牧する草原の真ん中に聳え立つ巨大な土饅頭の群れであった。
李元昊の名は、井上 靖の小説 『 敦煌 』 で読んだ記憶がある。
主人公が恋をした西域の王族の娘を横取りし、死に追いやった西夏王である。
西夏を興したタングート系の民族は、西方から吐蕃 ( チベット系民族 )に追われてこの地にやって来たのだそうだ。
そしてその後北方からのモンゴルの侵入によって滅亡する。
羊たちがのどかに草をはむ風景を眺め、遥か昔に大陸で繰り広げられた幾多の物語に思いを馳せた。