#52 ハラホリン | かふぇ・あんちょび

かふぇ・あんちょび

このカフェ、未だ現世には存在しません。

現在自家焙煎珈琲工房(ただの家の納屋ですけど…)を営む元バックパッカーが、

その実現化に向け、愛するネコの想い出と共に奔走中です。

 一晩休むと、シゲさんの体調ははだいぶ回復したようだ。
安心したので、翌日は独りでハラホリンの町を歩いてみた。
一応ヨーコちゃんのガイドブックから町の地図を書き写してきてはいるのだが、ハラホリンの町はどれが道なのかすら分からないので全くお話にならない。
原っぱに適当に建物を建てたような感じである。

 川の水を汲んでいる子供たちがいたので、ザハ ( 市場 ) の場所を聞いてそっちの方角へ向かった。
この日は日曜日で、市場が開かれている筈なのであった。
道行く人たちに聞いたところによると、開始時間は12時から2時の間のいずれからしかった。

 1時に始まったザハは規模が小さくてちょっとがっかりした。
中国製の服とか、コカコーラなどが売ってある。
モンゴルの人たちがみんな履いているブーツが欲しかったのだが、市場でようやく見つけたたった一足だけ売っていたやつは残念ながら僕には小さすぎた。

 ホテルのバーに勤めているという兄ちゃんが僕に気がついて声をかけてきたので、羊、羊、と連呼して売っていた羊肉を2キロ買ってもらった。
1200トグリグ ( 250円 )。

 にいちゃんと一緒に宿に戻り、食堂のおばさんに頼んで料理してもらいシゲさんと昼ごはんに食べた。
さすがにふたりで2キロは多すぎたのでおばさんやにいちゃんにも応援してもらう。
塩味で茹でた羊肉は素朴で旨かった。
ナイフで骨からそぎ落としてむしゃむしゃ食べる。
イェルティエンという名のバーのにいちゃんが、膝蓋骨らしき四角い骨を取り出して、サイコロのように遊ぶやり方を教えてくれた。
微妙に形の違う骨の各面には、ホニ ( 羊 )、ヤマ ( 山羊 )、ムル ( 馬 )、テメエ ( 駱駝 ) の名前が付いているところがいかにもモンゴルらしかった。

 夜には部屋にヤトゥンスルンという名の兄ちゃんが遊びに来た。
昨日僕らのせいでこの部屋から追い出された人物である。
ようこちゃんと作ったカタコトモンゴル語会話集の助けを借りて話したところによると、彼はウランバートルから来ていて、警察とか軍関係とか何かそういった職業をしているらしい。
 明日は一緒に遊ぼう、という事になった。

 写真はハラホリンの町の遠景。
草原では、いまにも手が届きそうなくらい雲がやたらと低く感じられた。