名古屋市博物館 『ゲーセンミュージアム』行ってきた。 | ちょっとその辺行ってくる!

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中の人のネット環境が絶賛崩壊中なので更新は不定期。
即時の反応は出来ません。

名古屋市博物館の特別展、

『ゲーセンミュージアム』。

およそ70種類の新旧ゲームを

無料で遊べるという実機の展示なんだから

絶対に混む。間違いなく混む。

んで平日に行ってきましたよ。

 

っても昼以降にしか動けないので

現地着は15時近かった。

博物館北側通路には

特別展の紹介パネルがいくつか。

 

どれで遊ぼうか『考える人』が出迎えてくれる。

入場時にチケットをもぎるだけでなく

裏におよその入場時間スタンプが押される。

混雑時には密にならないように入場規制しつつ、

改券して滞在時間が長い人に退出を願うのだろうか。

 

薄暗い博物館の中に

大量のゲーム機が並ぶ様は

密回避もあるのか密度薄めで

有線のBGMやタバコ臭さもないが

懐かしいゲームセンターっぽい。

 

 

 自分にとって身近なゲーセンは

格闘ゲーム機の筐台が数台あるだけの

小さな店ばかり。

鉄拳、バーチャファイター、バーチャロン、

少し時代が新しいが

ビートマニアやDDRとかはなくても

SNKやカプコンの格ゲーは

どこにでもあって、

縄張り的な店で上手くなって遠征するとか

一番熱かった時代だと思う。

それは90年代前半のわずかな期間の業態でしかないけどね。

 

 

 昔、昭和50年代頃のゲーセンは

出玉で景品がもらえるパチンコ屋、

それに近いものだったろう。

『大人の遊び場だった』と

言ってもいいかも知れない。

スマートボールとかパチンコ台の亜種だし、

機械を操作してお菓子を得るとか

メダル落とし的なのとか。

そのせいか高さがあるものも多いから

踏み台になるものも用意されてる。

ゲームの横には消毒液。

モノによってはビニール手袋もある。

ビンジュースの自販機は展示されてるが

販売はされてない。

そもそも博物館なんだから飲食禁止。

 

パチンコ屋は今の形、

あくまで銀玉を遊戯台に通して

出てきた玉数で得られる景品を

近くの古物商が買ってくれる三店方式で

現金になって戻ってくる仕組みになり

遊戯台の本質を固定した。

ゲームセンターは多様性を求め、

様々な遊戯台が開発されていく。

設置場所も遊園地は勿論、

今じゃ絶滅危惧種の

デパートの屋上などにも置かれ

娯楽に特化したものとなっていく。

スマートボールにピンボール、

チープなガンアクションに野球ゲームは

どちらが先かはわからないが

家庭用の玩具にも似たものがあったと思う。

更にビデオゲーム。

大きく重いブラウン管を

テーブルにした筐台となり、

じっくり腰を据えて没頭するものとなる。

喫茶店にスペースインベーダーの時代。

 

スマートボールやピンボールは

その台1つにつき1つの遊びしか出来ず、

動かし方やパターンの変化が起こさないが

ステージごとに敵の数や難易度が変えられ

次のステージへのステップアップがわかりやすく、

自分が上手になってる実感も得やすい。

初期の独特のコントロール方法の

(ダイヤルを左右に回すアルカノイドとか)

ほぼ専用機体みたいなものでなければ

ソフトを入れ替えれば別のゲームになり得る。

機械ごと総入れ換えせずとも

ゲームの入れ替えが容易。

 

壁の本来の展示ケースには

当時の子供たちが夢中だったもの。

あとキン消しとか当時流行ってた漫画とか、

ゲームの雑誌、ゲーメスト。

ゲーメストはゲーム関係のグッズ屋の

まるゲ屋ってのを各地に出してて

名古屋だと名駅東側、

コムテックタワーの北辺りにあって

まだコスプレ衣装の既製品も珍しい中、

餓狼伝説のテリーのグローブとか売ってたよね。

 

個人蔵の品は時折すごいのが出てくる。

憧れが強くて自作したゲームもあった。

 

 

 

 

対戦格闘ゲームが主流になる90年代は

SNKの筐台は4種類のゲームから

やりたいゲーム選んでやるやつだったよね。

 

このタイプはゲームセンターではなく

本当にそこらのコンビニの前とか

レンタルビデオ屋とかにあった。

俺ん家から半径500mくらいでも

最大3軒くらい、6台以上はあったなぁ。

あの当時、カプコンの台は

一台で1種類のゲームしか出来なかった。

んで格ゲーの文化が花開くと

様々なゲームが出来る台を1台でなく、

流行りのゲームの専用台を複数置くようになり、

複数の中ゲームから

遊びたいものを選ぶタイプが消えていく。

 

 格ゲーブームを追わずに

小さなゲームセンターを目指して

UFOキャッチャーっぽいものとか

置いてしまっていた店は

不良の溜まり場のレッテルと

そう呼ばれても仕方ないセンスの景品とかで

PTAとかの怖い人に睨まれたのか

大型店の台頭を待たず消えていった。

 

...センスのない景品の思い出話も

少し書いておくか。

 その頃は野球拳みたいな

じゃんけんゲームをクリア景品や

チープなUFOキャッチャーの景品で

女物の下着が出てくるのがあって、

少し前まで変態仮面が連載されてた頃でした。

 

アホな子が何して遊ぶかは自明でしょ?

 

...同級生のやったことを伝聞で、

聞いただけだからねっ!?

マジでやってたかは知らない...。

 

 

あとプリクラの登場でゲーセンでの

ゲームの設置スペースが減ったり

プリクラ専門店とか出来てたなぁ。

家庭用ゲーム機(PS、SS)が出て、

鉄拳やバーチャなどが家で遊べるようになり、

キャラごとに攻撃の連携が違ってたものを

単純にしたチェーンコンボ以外は

エリアルやブロッキングなど

コマンド表以外にも覚える操作が増え、

動きも速くなって初心者には敷居が高くなり

新規は家庭用へ流れて

ゲーセンの格ゲーブームは衰退していく...。

 

 今見れば

粗いポリゴンの人物造形、

ジャンプすると風船のように舞い上がる

リアリティーがない間抜けな動きもあったが

あの時代、これが面白かったんだ。

店が大会を開いたり安い店を探したり

あちこちの店に遠征したり。

新しいゲームでも面白くなければ

誰もやらない。

KOF全盛期にシューティングのソニックウィングス、

横スクロールアクションのメタルスラッグは

コアなファンは居ても遊ぶ人は少なく

設置するゲームのチョイスが

店の寿命を決めていたのかもなぁ。

 


 

小規模ゲーセンは格ゲーと共に衰退したが

大型店舗は大型の機体を並べて

日常では味わえない遊びを提供する場として粘った。

アフターバーナー2は

格ゲーブームの時にはあったよね?

戦闘機のコックピットを模した体験型ゲーム。

操縦座席が操縦桿と連動して動く。

乗って秒で悟る。「これ酔う!!」。

回避の為に上方や左右に振ると

座席が揺れて傾きもう操縦どころじゃない。

下方に向けて自滅墜落して終わらせたが

下りてしばらくは歩くたびクラクラしてた。

立ち直ってラフティングの

ラピッドリバーもやったが

機体が揺れたり傾いたりするもの。

もちろん酔うので途中でパドリングやめて

流れに竿差す程度、

左右に曲がる程度の動きしかせず

ゲームオーバーになるのを待った。

 

スマートボールやピンボール、

アナログゲームの中では

ミラー25

これが単純ながら面白いゲームだった。

25個あるボタンを1から順番に押すだけだが、

台の正面につけられた鏡越しじゃないと

ボタンの数字が読めない。

手の動きは見てる鏡と前後が逆になり

目で見たまま動かすと

左右は問題なく動かせるのに

前後は目的のボタンから手が遠ざかる。

理屈はわかってもすぐに適応出来ない。

もどかしさが楽しいタイムアタックゲーム。

 

銃型コントローラーのガンシューティングは

レトロなのから

最近のまでバリエーションがあって

あまりやらなかったゲームで新鮮だった。

昔は異端だと思ってたゲームだけど

実は昔からあるものだったんだな。

 

 

 

15時回ると小学生が増えてくる。

子供の入場料は夏休み前は300円。

近場なら期間パスポート買ってたり

その都度入っても実在のゲーセンより安上がり。

羨ましいぞ地元の小学生ども!!

わらわらと現れる子供たちに

人気ゲームは占拠されていき、

大人が子供に混じって並ぶのはつらくなってくる。

 

そこで大人の嗜み、競馬ゲーム。

いや、アヒルレース!

アヒルのヨーイドン。

子供みたいな声で着順をコールする

ああ、そうだ。そんな声だったわ。

昔、拾ったメダルを戻すつもりで

投入したら当ててしまい

調子こいて60枚くらいまで増やしたところから

一気にスッた覚えがある。

規則性に気づいて勝つ馬を絞ってたのが、

別パターンが出て勝てなくなり

保険に複数買ってだんだん目減りするんだよなぁ。

 

 

 

特別展の滞在は2時間くらい。

一応余裕を持って常設展示室に行くと

シャッター下ろして閉館準備中。

でも俺に気づいて止めてくれた。

受付にいた人に

このチケットは使用当日限りじゃなく

特別展の期間なら行使可能かを確認して

可能とのことだったので

常設展は後日見ることにして退館。

 

 

 

 外の庭園を小学生が駆け回り

タイル舗装の道を自転車で走ってる。

駐輪場にも子供の自転車が並んでいて

まるで公園みたいになってる。

俺の知ってる博物館じゃないみたい...。 

『この夏、博物館はゲームセンターになる』の

キャッチコピー通り、

凄いことになりそう。

館内も、そして外もきっと...。

 

 

 

名古屋市博物館は何年ぶりだったろう?

何年かに一度ペースでは来てるはずだが

記憶にあるのは

明治大学と名古屋大学、南山大学との

交流展示の際、ギロチンが見たくて

(アイアンメイデンに獄門台にも大興奮だっ)

喜び勇んで来て、

展示品の中に贋作の展示もあって

化石が何かわかってない時代に

研究者だったヨハン・ベリンガーを

からかう為に友人たちが作った偽物の化石って

予定外の珍品の展示が見られて

大喜びしたのは覚えてるんだが...。