いやぁ、今年も本当にしびれました、「M1グランプリ2020」
まずは「マヂカルラブリー優勝本当におめでとうございます。」野田クリスタルの涙には視聴者だれもが感動したことと思います。まさに「自分たちの形を貫き通して、磨き上げた笑いが頂点を極めた」という瞬間であったと思います。死ぬほどかっこいいです。「自分たちは面白い。」とどんな時も信じ続け、漫才を磨き上げ、戦ってきたお二人・・・かっこいいです。ありがとう。
本当にM1と同じ時代に生まれてこられたことを神様に感謝したい・・・心から、そう思います。本当思ってます。
そして、松っちゃんも言ってましたが、このコロナ禍でこの大会を開催してくださったM1関係者の方々には尊敬と感謝の念しかありません「漫才できることの幸せ、漫才を見ることの幸せ」を国民が一体となって感じられた大会となったのではないでしょうか?本当に本当にありがとうございました。
さて、僕的に史上最高の盛り上がりを見せた2019年を終え、スーマラの武智さんが「2020年の決勝は本命不在の【妖怪大戦争】」と評したように、正統派、もしくはこれまでの形に習った漫才だけではなく「粗削りなパワープレイ」や「新しいシステム」「発想の飛躍」を駆使した漫才が多く決勝に残った大会となったと思います。僕的には「漫才の裾野の大きさ、奥深さ、そして無限大の可能性」をまたまざまざと見せつけられた今大会となりました。
5081組の漫才師の皆様、本当にありがとう。あなた方一組一組のおかげで漫才という競技が活性化し、M1を社会現象にまで押し上げ、漫才を進化させているのだと思います。
番組オープニングのいわゆる「煽りVTR」、そりゃぁいつもかっこいいのですが、今年は特に特に「マスクを取る芸人の姿」が世の中で一番かと思うほどかっこよかった。舞台に上がる直前にマスクを取るのですが、本当に鳥肌立ちました。かっちょいいなぁ。一瞬芸人になりたいと思いました。(笑)
では、5081組のファイナリストに最大の敬意を払いながら、僭越でえすが1組ずつの素人の勝手な点数と感想を述べたいと思います。
1.インディアンス 「昔は悪かった」 89点
敗者復活からの1組目、「肩の力が抜けて、伸び伸びやってるなぁ」というのが第一印象。田渕のボケが「畳みかける部分と間をもって『ボケの質』で勝負している部分」がしっかり分けられていて、すごく見やすくなったし、そのおかげで畳みかける部分がいい意味でより際立った印象を受けます。巨人師匠のおっしゃっていた「うるさく感じなかった」のはそのあたりが要因だったと思います。きむの突っ込みは、強弱のメリハリがきいていて、「走り出すなよ」「余裕ありそうやな」など田渕の暴走を止めるワードも工夫されていたところが心地よかったなぁ。塙さんが言っていた「突っ込みの発想で笑わせる部分があればなおいい」というコメントも今後のさらなるインディアンスの進化という意味では納得です。そして「何しとんねんコラー♪」のハモリは最高だったし、新しい。ここでの拍手笑いがきっと点数を押し上げてましたよね。あえて指摘する部分があるとしたら「~するです」「美声を放つ」など、きむがわざと言い間違いをして田渕がそれを広げるくだりが少しわざとらしく聞こえてしまいました。でも1番手として最高の漫才をしてくれて、今大会を盛り上げてくれた立役者と言ってもいいと思います。
お気に入りフレーズ※「三半規管攻めんなやコラ!」
2.東京ホテイソン 「謎解きが大好き」 88点
東京ホテイソンが決勝の舞台で見れるとは・・・、もうそれだけで感慨深いですね。初めて敗者復活で見た時から「面白い」と衝撃を受けつつも、富澤も指摘していたように「長く続けると飽きられるだろうな。」とは思っていました。それがそれが、昨年の「THIS IS A PEN」のネタあたりから、「進化してるなぁ」と実感。そして今年の決勝進出、若いのにすごい。いわゆるたけるの突っ込みボケによる「1発の破壊力」で勝負しているコンビで、今年も1発目のボケは拍手笑いをかっさらっていました。その後の「アンミカドラゴン新大久保に出現」「消しゴムコスコスコスコスコスコスパーティー」なども着実に笑いを取っていました。しかし…どうしても「単発の羅列」の印象を受けてしまうのがこのコンビの特徴で、初の決勝としては十分すぎるほど笑いを取っているのだけど、全体の漫才の印象としては、やや低めの点数になってしまうのかと感じました。「単発の笑いの大きさ」はあるのだから、それだけではない「掛け合い」や「たたみかけ」みたいなものがこの漫才の中に入ってきたらもう最強だろうなと個人的には期待してしまいます。でも、最後の「タタ タタ タタ・・・でブラジル」➡「いやぁ・・・・(無言)。」は糸を引くような会場の笑いが起きていて、好きだったなぁ。飽くなき変化と進化を考え続けているなぁと。まだまだ未来あるコンビ、さらなる進化を!!
お気に入りフレーズ※「ありゃりゃぁ」
3.ニューヨーク 「爆笑エピソード」 90点
これこれ、これを待っていたんですよ!!ニューヨークらしさが抜群に出ていたこのネタ。やっぱり好きだなぁ。そして「玄人受け」をしたネタでもあり、YouTube等でこのニューヨークのネタが各方面で大絶賛されていました。「店主がこっそり生レバ出してくれる」「1万円かけて一気飲み」など本当にコンプライアンスぎりぎりのいいとこついてきますよね~。このコロナ禍の自粛ムードすらも「フリ」にして、漫才をするニューヨークカッコいい!!「このご時世なめんなよ!」の屋敷の突っ込みがもうこのネタの本質であり、お客さん全員の代弁ですよね(笑)。僕的には「最後に人妻とチャリで2ケツして帰った」➡「いや、誰と何してんねん」のくだりが大好き。何度見ても笑えます。「ネットで知り合った人妻とゲーセンでメダルゲームだけはすんなよ」の突っ込みもたまりません、屋敷らしい~。
ネタの構成としては、前半嶋佐が軽犯罪を羅列して、屋敷が突っ込むという形。そして後半それを発展させて、そんな嶋佐が選挙や献血などのいいことも交互にしていって「倫理観どうなっとんねん。」という流れに持っていくもの。もしこの後半にお互いのかけあいでもっと熱量高く展開する部分があれば、絶対にラスト3組に残っていただろうに・・・とめっちゃ残念に思います。ただ逆に言えば、「M1らしい後半の盛り上がりや爆発」がないのにも関わらず642点というこの点数をたたき出すのはすごい!さすがはニューヨーク、来年こそは「らしさ」そのままにネタの構成をもう少しM1に寄せて作りこんでほしい。そして、優勝してほしいです。
お気に入りフレーズ※「ネットで知り合った人妻とゲーセンでメダルゲームだけはすんなよ!!」
4.見取り図 「敏腕マネージャー」 93点
3年連続決勝進出の見取り図、今年は優勝候補として挙げられ、優勝をねらう勝負の年。準決勝のウケはいまいちという噂を聞いてドキドキの決勝の舞台。昨年の「キラーワードの応酬しゃべくり漫才」から一転、今年は漫才コントでの挑戦でした。「やっぱり安定してるなぁ。」というのが見取り図への印象。リリーの「ごぼうまえ」の嫌なかみかたはありましたが、盛山のフォローもあり終始安定した笑いを取っていたと思います。まず「いかれたマネージャーに、芸人が振り回される」という設定がもう分かりやすくて面白い。何より盛山は振り回される役がめっちゃ似合う(笑)。そしてリリーが明らかにおかしなことをしているのに、「なんで押し返せるん」の押し合いに代表されるように、平然とやり返す姿がツボでした。さらに、「無意識にやってしまいました」の伏線回収が気持ちいいくらいにバチーっと決まった~、万歳。しかも前回はやってないパターンの伏線回収だっただけに、「ここでこう来たか!」と気持ちよく裏切られました。見取り図は伏線の張り方がうまく、漫才の構成もしっかりしています。ここで大きな拍手笑いがあり、ぐっと点数も上がったと思いました。そしてもはや見取り図の代表技術の一つと言ってもよい「ドンキーコングかなんかですか?」のくだりももちろんよかった。(個人的には昨年の「ベジータか何かですか?」が最高(笑)。)漫才の構成、喋りの技術、分かりやすさ、笑いの量など総合的な作品としてめっちゃ質が高かったなぁ。「ここまでの1位やろな」と確信できる漫才でした。
※お気に入りフレーズ「俺車無いん?」
5.おいでやすこが 「カラオケが盛り上がらない」 96点
ついに来ました、準決勝で会場をひっくり返すほど爆笑で揺らしたという今大会一番の注目のピンコンビ「おいでやすこが」。決勝でもやってくれましたね~。まずは、おいでやす小田とこがけんそれぞれの技術がしっかりしてる。当たり前ですけどそれがまず大きな土台としてあるなと思いました。巨人師匠が「おいでやす小田くんなんて、何でもないことを大きな声で言ってるだけやからね。」とおっしゃってましたが、声の出し方、地団駄の踏み方、突っ込む間やタイミングなどもうすべてが一級品だからうけるわけですよ。(もちろん巨人師匠もいい意味も含めておっしゃっていると思います。)漫才師としての技術はない中で、この小田の突っ込みを「最大にして最強の武器」としてこの戦場で戦っている2人。「どうすればこの武器を最も有効に使えるのか?」ということに主眼を置いてこの漫才は作られているなと感じました。そういう意味でおいでやすの突っ込みも前半はやや抑えめで、徐々にボルテージを上げていって「グッバイサンデー、ほら来たマンデー、・・・」のところの「知らんなぁ~」「約束が違うやろ」で大爆発させるという構成も見事でした。松本も言っていた「もう単純明快なんですけど笑っちゃうんですよね」の評価が、まさにこのコンビの評価として芯を食っていると思いました。近年突っ込みのワードセンスや突っ込みの形が多様化しながら試行錯誤されてきている流れの中で、「ボケに対して強くしっかり突っ込む」というこの漫才の基礎・基本の形を技術の卓越した人がするとこれほど面白いのかということを、これでもかというほど見せつけてくれたコンビでした。ピン芸の20年がしっかり背景に見えた漫才。会場も審査員も大爆笑、納得の1位でしたね。
※お気に入りフレーズ 「火曜まで待ったぞ!」
6.マヂカルラブリー 「高級フレンチ」 94点
土下座の登場からの「どうしても笑わせたい人がいる男です。」の一言、最速のつかみで会場をわしづかみにしましたねぇ。そして、始まった瞬間「数年前の敗者復活のネタだ。」とすぐに気づき、「準決勝会場を4分間笑わせ続けたという『つり革のネタ』しないのか?」ということにまず衝撃を受けました。そして最初に思ったのは前半のきっちりしたフリが見事だなぁということ。高級フレンチのマナーを村上がきっちり説明して、野田がそれを懸命に聞き「もし、間違ってるとかあったら言ってね。」というフリをしておく。漫才なのでそれを裏切ってボケていくわけだけど、このきっちりとしたフリがあることで、常識的なマナーから外れてくるボケの範囲を狭く想像させる効果があったと思います。そこであの破天荒な走り込み入店からのシェフの心臓をつぶすボケが来たからもうそのギャップの肥大さに「うわぁやられた~。」というくらいの爆笑が起きました。(松本の言う「瞬間最大風速」)、そのあとの「まずコートをかけたほうがよかったか」という現実のマナーに戻ることでまたギャップを演出するのもお見事。(僕はここが意外に好きでした(笑))後半で言えば「真ん中の丸太から使っちゃったな」)村上の突っ込みもいいですよね~上手い、聞き取りやすいし実は野田の動きをきっちりお客さんに分かりやすく説明しつつ、突っ込んでいくという高等技術、素晴らしいです。松ちゃんの言うように後半の最後の「デモン」の一連のくだりが、失速感を見せてしまいましたが、それでも前半~中盤で十分その野田クリスタルの才能豊かな独創性と確かな技術で会場の笑いをもぎ取りました。いやぁ素晴らしい。
※お気に入りフレーズ 「ねぇ、多分違うよ~」
7.オズワルド 「改名したい」 92点
このコンビは準決勝からM-1にかけてるのがよく伝わってきたなぁ。昨年の「上質なボヤキ漫才」だけでも十分すごいのに、そこからプラスアルファー「勢い」と「熱量」を後半にかけて大きく加えた漫才になっていました。それがいわゆる「巨人師匠」と「松っちゃん」の「評価2分事件」へとつながるとはねぇ。僕の意見としては、松ちゃん派で、前回の漫才では「静と動」が「9:1」くらいの割合の漫才だったかなと思います。それでも、静かな部分でボケの質や突っ込みのワードセンスでかなり笑いをとっていたのは本当にすごかった。そして「9:1」の割合だからこそ最後の声量大き目の突っ込みが漫才全体の中で際立って生きてきて、「唯一無二のオズワルドの漫才」になっていたんだろうなと思います。でも昨年優勝できなかったことで今年は「7:3」くらいの割合に伊藤の声量を大きくする部分を増やしてきました。確かに後半にかけて盛り上がりは作れたし、勢いも付いたと思います。でも僕も若干オズワルドとしては「無理している」「ややうるさい」と感じられてしまいました。そのあたりが評価の分かれる部分があるのだろうなと思いました。それでもそれでも「改名したい」というオリジナリティーあふれるネタの内容で、会場の笑いをがっつりとっていたのはさすがとしか言いようがありません。「逆に?」「もしかして君も入れる側の人間って聞こえたぜ?」などのオウム返し突っ込みは秀逸だし、「それはイナリ生む人の動きだな。」などの静かな突っ込みも最高でした。(この声を張らないパターンの秀逸な突っ込みたくさんほしかった。)がそして最後の「てめぇずっと口あいてんなぁ。」はお見事、構成もしっかりしてます。来年にかけては僕的には「8:2」くらいの割合で「静と動」の割合を作り上げてほしいなと・・・個人的には思っています。でも、成長した漫才に感動です。
※お気に入りフレーズ 「もしかして君も入れる側の人間って聞こえたぜ?」
8.アキナ 「好きな子を楽屋招待」 83点
アキナは準決勝で爆受けしてたとの情報を聞いて、「最高の順番だしこれは期待大!!」とドキドキしましたが、怖いくらいにはまりませんでしたねぇ。カジサックのYouTubeで「何回もこのネタを予選でやっていて、情報が拡散しお客さんの目が慣れすぎていたのでは?」とおっしゃっていましたが、僕は初見でしたが全くはまりませんでした。「M1用に右肩上がりになるように作り上げてきたネタだったんだろうな。」というのは見ていて痛いほど分かったのですが、前半の「好きなん?」の部分から笑いが非常に薄くて、きっと本人たちも「やばい!!」と感じたように見えました。そして後半は如実に志らく師匠がおっしゃっていた「テンションが下がっていった」のが素人目にも分かりました。特別かんだり、大きなミスがあったりしたわけではないと素人目には見えたのですが・・・これが漫才の怖いところですよね、いや本当に。(一つ歯車が違えると漫才全体が悪循環に陥っていくという話を聞いたことがあります。)それでも、山名が怒って「女子来てるからっていきんなよ!」➡「おまえじゃぁ」のくだりは面白かったし、本当ならもっともっと受けるんだろうなと・・・思いました。でも技術もあり、キャラも立っていて、センスもある「アキナ」、僕は大好きなので絶対来年リベンジをしてほしいです。
※お気に入りフレーズ 「漫才に女持ち込むなよ」➡「おまえじゃあ!!」
9.錦鯉「CRまさのり」 90点
錦鯉もこの決勝の舞台で見られることが感慨深い・・・、そして2人とも苦労人だけに本当に応援したくなります。(アナザーストーリーは泣けた~。)さて、このコンビはまさのりさんの「突き抜けたばかばかしさ」に渡辺さんの重みのある分厚い突っ込みが魅力。昨年の敗者復活の「まさのりさん数え歌」もかなり笑ったけど、今年のネタもよかった~。巨人師匠が言うように「笑いの手数」という意味では少ないけど年齢相応なテンポで唯一無二のまさのりさんのキャラクターから繰り出されるボケは「会場の空気」を味方にしてたなぁと思います。「レーズンパンは・・・・見た目で損してる」の天丼を軸にネタが構成され、そこに渡辺さんが地団駄を踏みながら「チキショー」と後方へ歩いていく強い突っ込みを、普通の突っ込みに織り交ぜながらメリハリがきいていたところももう心地よかったです。コンビニのお饅頭を食べちゃうボケなんて、まさのりさんがするからあそこまで笑えたんだろうなぁと思います。ちょっと本当にしてそうだし(笑)。「グルグルグル7×3、リーチ」➡「当たってんじゃねーか」のくだりも、笑いとしてはすごくベタなんだけど、なんでかなぁこの二人だと笑えちゃう。しいていうなら、巨人師匠と通じる部分がありますが、テンポはこのままでも、毎回繰り返されるパチンコ台の模写の部分とか、もっと無駄を省いて笑いを多く入れられたら、もっと評価は変わっていたのだろうなぁと思います。でも来年に向けて期待大。初の50歳代のM1チャンピョン、M1ドリームを2021年期待しています。
※お気に入りフレーズ 「語彙力がバカすぎる」
10.ウエストランド 86点
お恥ずかしながら、このコンビは名前だけは知っていたのですがネタを見るのは初めてでした。見終わった感想としては、上沼さんがおっしゃった「10組目のラストとしてはつらい」というコメントに共感。オーソドックスな井口のしゃべくり漫才なだけに、様々な色のコンビが出尽くしたラストはきつかったなと・・・。「いないよ?、いないよ?」「復讐だよ?、復讐だよ?」のくだりなどは面白かったし、卑屈な心の叫びを凝縮した喋りは楽しかったけど、塙が言っていたように「ネタ全体としての質」をもう少し高めてほしかったなぁというのが僕も同意見でした。後半は、会場にもはまりだして多く笑いも生み出していましたが、基本的に井口のボヤキという1本の武器だけでは、この決勝の舞台だとやや薄っぺらく感じられてしまいました。もっとネタ自体の構成等の中身がよくなれば、このコンビも相当笑いを生み出せたのではないかと思いました。松ちゃんの言うように「将来性に期待」ですね。
※お気に入りフレーズ 「芸人好きな子は、仲良しコント師が好きなんだよ!」
…以上予選10組でした。決勝の決勝は次のブログにてレポートいたします。長文にお付き合いいただきありがとうございました。










