キングさん原作映画には好きな作品が多いんです
けど、タイトルに「スティーブン・キングの」
って入ってない作品のほうがむしろ多いので、
 
たとえば「キャリー」、「デッドゾーン」
「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」
みたいに
 
自分が好きな作品があとになって
あれもこれもキングさん原作だったんだって
知って、それでキングさん原作映画を
いろいろ見るようになった感じ♡.。.:*・゜
 
中には映像化作品としての失敗作もいくつか
あって、原作をよく理解してない監督さんの
手腕のせいだって思ったりもしますけど、
 
80年のスタンリー・キューブリック監督の
「シャイニング」もキングさん原作映画の中では
さほど好きなほうではなかった作品
 
私は原作は読みませんけど、原作に忠実かどうか
はキングさん独特のセリフや人物の描写で
だいたいわかるもので、キングさん自身が
脚本を書いた映画もめっちゃある
 
キューブリック版が2時間23分って言う映画
としては十分な長さなのにもかかわらず、
原作の意図を表現し切れていない
って感じるのは私だけじゃないはずです.。・*♡
 
 
■80年公開キューブリック版「シャイニング」
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この80年作をキングさんが不満で批判を
繰り返したのはファンには有名な話
要は一般の読者が小説を読んで
てんでに勝手なイメージ像を描くのといっしょで
 
キューブリックも勝手に解釈して
(キングさんの助言や了承など求めることなく)
独自にアレンジを加えた
原作のプロットを拝借して作り変えた
別物っていう感じです(๑◞ω◟๑)
 
 
2時間23分も使っておきながら肝心な部分を
削ぎ落としてJ・ニコルソンさんの怪演と
おどろおどろしさばかりを演出した
商業的ホラーっていう印象で、
 
そもそもどうして「シャイニング」なのかすら
観るヒトに伝えてない
そしてハナっから不気味なニコルソンさんが
なぜおかしくなっていくのかっていう背景や、
 
妻や子供、家族との関わり、アルコール中毒症
などの本来のテーマのはずの人物描写が
描ききれてない感じで、
 
とうてい2時間の映画に収まるような
題材じゃないことが、
キューブリック版を観て感じられました。。。
 
 
トランス夫妻と幼い息子、料理長ハロラン、
ほぼこの4人だけの物語ですけど、
キューブリック版の良さを挙げるとしたら
この4人のキャスティング
 
中でもダニーを演じた男の子のめっちゃかわいさ
美少年っぷりは最高で、彼に勝る子役は
いなかったんじゃないかって気すらします.。.:*・゚♡

 
■偉大な古典、最高傑作という幻想

Wikiには編集した人の個人的な思い入れで
 
「娯楽作品であるが為に賞レースにこそ
絡まなかったが(意外にも、第1回ゴールデン
ラズベリー賞で2部門(最低女優賞、最低監督賞)
にノミネートされている)
 
映画版『シャイニング』は役者の優れた演技や、
キューブリックならではの恐怖演出と映像美で
高い賞賛を受け、
 
数多くの作品でオマージュを受けた。
今日ではもはやホラー映画の
偉大な古典という域にまで達している。」
 
なんて書かれています・・・(-ω-❁)
映画って結局好き好きの問題なので、
個人の感想にケチはつけませんけど、
キングさんファンとしましてはキューブリック版
「シャイニング」は失敗作の部類
 
 
映画好きにはおなじみのゴールデンラズベリー賞
ノミネートもうなづける
 
監督の拙(まず)さをキャストがカバーしてるので
総合的な出来としてはまずまずかもしれないけど
これを「ホラーの歴史に残る傑作」なんて
崇(あが)め奉るようなレビューもときどき
目にして首を傾げます(-ω-❁)
 
 
イメージ 1
その原因となってるのが恐らくこの宣伝用ポスター
のコピーで
「20世紀最大のモダンホラー最高傑作」
なんていうおかしな日本語のフレーズ=
売り文句にまんまとつられて
 
あるいは感化されて?まんまと刷り込まれて
「ホラーの最高傑作」とか「偉大な古典」なんて
論評するヒトがちらほらいる気が(・ิ⊖ ・ิ。)
 
そもそもキューブリックさんっていう
映画監督をよく知りませんけど、
 
ちょうど「デッドゾーン」の
デビッド・クローネンバーグ監督といっしょで、
キングさんの原作の魅力のお陰でいい映画に
なったっていうだけで、ほかの監督作品は
ろくに知られてなかったりですღღღღ.:*・゚
 
ちなみにキューブリック監督の代表作はなにか
と思って調べたら、
68年の「2001年宇宙の旅」
(これもアーサー・C・クラークの原作の賜物)
 
80年の「シャイニング」以降は
「フルメタル・ジャケット」(87)、
「アイズワイドシャット」(99)だけ
99年に70歳で亡くなってます(๑◞ω◟๑)
 
シャイニング公開の80年当時は50歳で
キングさんは33歳、
恐らくキングさんを見下して勝手をしたんじゃ
ないかって想像します.。 。.:*・゚
 
 
■17年後に生まれたホントのオリジナル
「シャイニング」❤
 
大人の事情で「シャイニング」の映像化権を
持ってたキューブリック
 
彼に対しての批判をやめることで、17年後の
97年についに盟友ミック・ギャリス監督と
組んで映像化を実現したキングさん
 
それが90分X3日連続放送=4時間半の
TVミニ・シリーズでした(b'v゜*)❤
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ほとんどのヒトが80年版を先に観て、
キングさんが製作総指揮・脚本を担当した97年
のギャリス版を観てないヒトもいるでしょうから
 
「シャイニング」といえばキューブリック版が
「オリジナル」って感覚で、97年版を批判する
ヒトも中にはいるんだそうで。。。
 
実際には17年後に生まれた97年版こそが
ホントの「オリジナル」で、
原作者自身が製作総指揮・脚本を担当した
原作に忠実に作られた映画です.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚
 
私の中では97年版を観る前から
どっちが好きかわかってましたけど、
4時間半ぶんは映像を使わないと
十分描ききれないことが
実際に観ればすぐわかります♡.。.:*・゜
 

■キングさん、ミック・ギャリス監督
スティーブン・ウェバーさん(ジャック役)の
コメント
 
●ミック・ギャリス監督のコメント
キューブリック作品のリメイクではない、
ニコルソンの演じた役に対する緊張感がジャック
のオーディションを受けに来た俳優たちにあった
 
彼のように最初からの変人ではなく、
健全なヒトを選んで狂わせようと思った。
スティーブン・ウェバーは普通の男を
演じると言うことを理解していた。
 
私は原作に忠実な物語を作りたかった。
映画が原作と違いすぎて愕然とした。
今では映画版も好きだが当時は落胆したのを
覚えている。
原作で書かれているテーマがまったく
反映されていなかった。
 
 
原作のテーマは親としての責任、家族への暴力
に対する罪悪感、アルコール依存、誰しもの心に
巣食う怪物が膨らみ爆発しそうになっている
 
最初がボイラーの場面なのは偶然などではない。
最後にはボイラーが鍵にもなる。
いろいろがっかりさせられたから、
キューブリックが作ったものとまったく違う
スタイルに仕上げた。
 
原作を第一に考えて作った。
原作者が脚本と製作総指揮を担当してくれたのは
幸運だった。2つの作品は全くの別物だ。
キューブリックのファンは今回の映画に
否定的だった。

 
●キングさんのコメント
教師をしながらの執筆活動で、若いころは主人公
のジャック・トランスと似たような生活だった。
 
1846年の開発民ドナー隊(がシエラネバダ
山脈山中で越冬を余儀なくされて、多数の
餓死者や凍死者の出る中、必然的に人肉を
食べざるを得なかった事件)を
物語に取り入れたかった。
 
家族で訪れたオフシーズン間際のホテルに
貸し切り状態で泊まった実体験が小説のベース。
 
 
この物語は28歳のときの作で、
早婚で若いときに結婚生活や子育てで苦労、
2歳で父と別れて父親の記憶がない、
 
初めての子育ては大変だった、
自分の愚かな姿を書くことで自分を理解し
よい父親になれると思った。
 
ウェンディは妻がモデルだが自伝的な物語を
書く気はないのでまったくいっしょではない。
ウェンディは自己主張できて夫と対等な関係、
夫を苦しめるホテルの亡霊と戦える女性。
書いた当時自分自身もアル中だった。
 
 
●ミック・ギャリス監督のコメント
オーディションを受けずに役が決まったのは
レベッカ・デモーネイだけ。
チア・ガール的な雰囲気がキングの持つ
ウェンディ役にぴったりだった。
 
子供は彼のほとんどの作品に登場するが、
ダニー役の少年はセリフが多い、
難しい演技が多いために演技力で選ばれた。
 
 
●主演スティーヴン・ウェバーさんのコメント
キングの小説は数多く映像化されていて
そのほとんどが傑作だが失敗作もある、
彼の小説の映像化で重要なことはどう脚本化
するかという点に尽きる。
 
登場人物の内面や潜在意識をどう表現するかだ。
これが映像化の最大の難題、
大袈裟ではなく事実だ。
 
 
●キングさんが語る
キューブリック監督とのエピソード

キューブリックは作品の中で人間の暴力性への
傾倒を示した、
この作品を出版した当時映画化の話が多く来た、
1年ぶりにコロラドから戻って来た時のことだ。
 
妻がキューブリックさんから電話よと言った、
電話を取って「もしもし」と言うと
「死後の世界を信じるか」といきなり聞いてきた
 
「君はどうだい?」と逆に聞き返すと
「ノー!死は終りだ」と彼は答えた、
さらに「地獄も信じない」と。
 
「じゃ幽霊は?」
と聞くと彼はきっぱりと断言したんだ、
「人間の暴力性への傾倒だ」とね。
 
 
ある人里はなれたホテルに精神病を患った男が
いて幽霊が出たと騒いだらしい
この小説の僕なりの捉え方はこうだ
 
ジャックという男は意志が弱くいつも心が揺れて
いるんだ、だから強い力に屈してしまう。
ここで疑問が浮かぶ、もしホテルに幽霊がいない
としたらすべてがジャックの仕業になってしまう
 
幽霊がいれば彼は犯人じゃない、
でも後日談としてこんな話を書いた、
当時キューブリックは恐怖映画の題材を探してた
そうだ、そして別室にいた彼の秘書が
ドスンという音を聞いた、
一旦静かになってまた音がした
 
気に入った本が見つからず彼が
本を壁にぶつける音だった
最後の音がしてから6時間ほど沈黙が
続いたらしい
 
秘書が心臓発作かと思っていると
ドアが開き彼は「見つけた」と。
それが「シャイニング」だった。
 
 
●ウェバーさんが語るキューブリック版との比較
この作品とキューブリック版は当然比較されるし
もちろん僕とニコルソンの演技も比較される、
 
ニコルソンは僕にとって憧れの名優だ、
普通なら引き受けない、
俳優として立ち向かうのはあまりにも無謀すぎる
 
でもスティーブン・キングから嬉しい話が
飛び込んできた
オーディションのときはニコルソンのことは
忘れ彼の演技もすっかり頭になかった
頭にあったら怖気づいて何もできないさ
 
この作品は単なるホラーじゃない
アル中や家族崩壊など多くの側面を持った作品だ
登場人物に共感するんだ
 
ニコルソンやシェリー・デュバルに入り込めない
のは別世界の人間に感じるからだ、怖すぎるしね
この作品に比べるとリアリティが感じられない。
 
この作品の場合は十分に時間があるから
登場人物に対しての理解度が深まるんだ、
この作品はホラーじゃない、
幻想と恐怖が混じったドラマなんだ

 
■スティーブン・ウェバーさんの演じる
ジャック・トランス
 
 
 
ご本人がコメントしたように、
80年版のイメージが多くの人に
強く残っていて難しい役どころ
 
でもキングさんが28歳で初めての子供を
育てたときの苦労体験、奥さんとの関係、
アル中の実体験がベースの物語であることを
考えると、
 
主演のジャック・トランスは明らかに
ジャック・ニコルソンさんじゃなくて
ウェバーさん向きの役
 
ニコルソンさんの怪演は確かに彼ならでは
ですけど、原作と違うっていうのは
うなづけます(。▻‿◅)ノ♡♡♡
 
 
ウェバーさんはもともとコメディドラマの
俳優さんだそうですけど本作の演技は見事で、
キングさん原作映画の主演俳優さんの中でも
指折りの好演(◕-◕〃)❤
 
のちに「デスペレーション」(06)でも
主演(☆´v'b)b❤
 
80年版に馴染んだヒトにとって先ず
ニコルソンさんの役を演じるウェバーさんの普通
すぎるビジュアルに違和感を覚えるはずですけど
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人物描写に十分時間をかけてるだけあって
観てるうちにすぐにこっちのほうがホントの
ジャック・トランスだって事に気づくと思います
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エリオット・グールドさん演じる支配人アルマン
が従業員たちに嫌われてるって言う描写も
80年版にはありませんけど、
80年版と違って97年版でアルマンが出るのは
冒頭のワンシーンのみ
 
 
5ヶ月前からジャックが断酒を始めたアルコール
中毒症だったことで、ホテルの管理人に彼を
採用することに反対していた
 
それはかつてホテルで事件を起こした従業員
デルバート・グレイディがアル中だったから
 
 
80年版はこのジャックのアル中克服努力中
っていう原作の核となる背景を削って、
グレイディの怨霊が取り憑(つ)いたかあるいは
 
孤独に苛(さいな)まれた結果の凶行として
曖昧に描いていて、お酒の問題や妻、
息子との問題には踏み込まないで
あくまでジャックの変貌していく様にフォーカス
 
97年版はグレイディ個人じゃなくホテルが持つ
「シャイニング=輝き」=パワーが、ダニーの強い
「シャイニング」を取り込もうっていう狙いで
霊をジャックに取り憑(つ)かせて、
一家を皆殺しにさせようってことがわかるので、
タイトルにも納得します♡.。.:*・゜
 
 
80年版を見ても何が「シャイニング」
なのかはわからない。。。
 
 
■妻ウェンディもまったく違う人物像
 
80年版のウェンディはタバコが70年代の
女子を象徴してるかのようなアイテムで、
明るいけど結局ジャックの言いなり
 
 
どうも2人が夫婦だっていうリアリティが
感じられないのはやっぱりニコルソンさんが
もとから普通じゃなさ過ぎるのと、
対話がほとんどないせい
 
彼女の演技自体は素晴らしかったですけど、
97年版のレベッカ・デモーネイさんは
ずっと奥さんらしいって言うイミでリアル
 
 
夫はアル中だったけど自分には暴力は振るわない
息子にもたまたまかんしゃくで力が入って
ケガさせてしまっただけで、
 
夫のことを愛してるっていうようすが
きちんと描かれているので
レベッカの演じるウェンディがまさにぴったり
 
キングさんのイメージに合うので唯一
オーディションなしで選ばれた彼女
 
ジャックとウェンディの夫婦の対話にじっくり
時間をかけてる97年版は、単なるホラー映画に
仕上がった80年版にはない夫婦の問題、
 
父と子の問題、家庭内暴力、ジャックの
アルコール中毒などの、アメリカの普通の家庭に
とって身近な問題が大きなテーマとして
描かれてます♫♫♬
 
 
■ダニー役の少年は聡明で演技派
 
97年版のジャケ写だけみてがっかりだったのは
この幼い息子ダニー役の少年、
80年版の子があまりにも可愛すぎたので
仕方ないといえばそれまでですけど、
もう少し可愛い男の子がいたんじゃね・・・?
って第一印象。。。
 
 
ただしこのダニー役に限らないんですけど、
とにかくセリフがいちいち長い
 
それはすべてキングさんご自身の脚本のせい
ですけど、セリフの中で登場人物のキャラ紹介を
させたりっていう日本のドラマのような露骨な
拙(まず)さ、ムダがいっさいなく
 
めっちゃさりげなくそれぞれの心情や背景を
観てる人に会話の中で伝える技術って言うか
脚本はやっぱ凄くてなかなかわかってても
マネ出来るものじゃない巧みさ、
 
 
橋田壽賀子さんの長ゼリフは有名ですけど
橋田先生の場合は素人がおなじことをしたら
プロにすかざす批判されそうなセリフでの
状況説明をご丁寧に繰り返すっていうスタイル
 
橋田先生だから誰もケチをつけられないんで
しょうけど、そういう拙(まず)さ
=無駄なセリフがない=削るところがない
 
一語一句が重要な意味を持っていて的確に
その人物の心情と人物像をあらわしてるので、
肝になるセリフを書き留めておこうと思うと
 
結果的にほぼすべてのセリフを
書くことになってたりします♫♫♬
 
 
このダニーは80年版と比較にならないほどの
セリフの量と、優れた演技力を要求される役で
あだ名が「ドク=先生」っていうくらい聡明な
子供、7歳ていどで小学校卒業レベルの知能
 
80年版は幼稚園児並みにただ黙々と無邪気に
遊ぶ男の子でしたけど、97年版ダニーは
とにかくセリフが多いんです(๑◞ε◟๑)ღ
 
上唇がドナルドみたいでAKBの板野友美ちゃん
で有名になった「アヒル口」が特徴的な彼
 
80年版のめっちゃ可愛い少年には
ビジュアルでは遠く及ばないんですけど
演技力は素晴らしいので、
オーディションで選ばれたのがうなづけます♬
 
 
■ディック・ハロラン役
 
 
コチラも80年版と97年版ではドえらい違い
ですけど、マイアミに実家があってオフシーズン
はそこで過ごすオシャレなおじいさん
 
それが遠く離れたコロラド州の世界一のホテルで
働いてる料理長
っていうところもちょっとしたポイント、
 
80年版ではマイアミ感ゼロですけど
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97年版はオシャレな赤のオープンカーで
服装もダンディ、
マイアミのプレイボーイ的キャラ♡♥♥♡♫
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メルヴィン・ヴァン・ピープルズさんていう
映画監督さんで、70年には
「ウォーターメロン・マン」ていうコメディ
映画を監督、白人の人種差別主義者が突然
黒人になる話だそうです♫♫♬
 
彼もダニー同様超能力「シャイニング」の持ち主
おばあさんと口を開かずに会話をしてた
(テレパシー)とか、過去や未来が見える透視能力
未来に起こる「可能性」が見える
予知能力者っていう点でダニーと共通
 
ダニーのほうは強く念じるとモノを破壊する
念動力的な力も強くて、
ディックのおばあさんがその力のようすを
「輝き」って言ってたワケです♡*゚¨゚゚・
 
80年版ではこれに触れてないので
何で超能力が「シャイニング(輝き)」
なんだかワケがわからないままの
怨念ホラー映画になってました。。。
 
97年版を観て初めてそのことがわかる
んですけど、ダニーの「輝き」が強いとか、
ホテルそのものにも「輝き」を感じる♡。・:*:・゜
 
なので本来ディックは97年版のように
主役の一人、重要人物なんですけど
妻子を殺したグレイディの呪いか何かで
ジャックが斧を持つ80年版では
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ホテルに着いた途端殺されて雪上車を乗ってきた
って言う都合のいい役割を果たしただけ
まったく「シャイニング」としての
存在感を発揮しません。。。
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その点97年版ではシーズン中に芝地で
行われてるクロッキーのマレットが武器
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そのためジャックが扉を壊すのもひと苦労
ですけど、お陰でホテルに着くなりそれで
襲われたディックが80年版同様
死んじゃったって思ったのが、
 
実は無事でその後ウェンディとダニーの母子を
救うっていう主役っぷりを発揮します♪♫♩♬   
 
 
■デルバート・グレイディ
 
 
80年版では妻子を殺して自分も猟銃で自殺、
霊としてサービスマンのいでたちで
ラウンジに来たジャックとぶつかって、トイレで
服のしみを取るときに会話して
グレイディとわかる・・・
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彼の二人の娘の霊がたびたびダニーの前に現れて、
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グレイディがジャックに妻子を殺すよう
そそのかすんですけど、97年版ではラウンジで
ジャックにお酒を勧めるバーテンダーとして登場
 
ラウンジのあるフロアのパーティはかつての
支配人ホレスの開いた仮面舞踏会で、
80年版はまるでこのことには触れませんけど
 
原作=97年版ではこのホテルが大統領や
有名人が泊まってきた世界一のホテル、
リタ・ヘイワース(「ショーシャンクの空に」で
おなじみ)似の美女からダンスに誘われたりも♡
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アル中がテーマでホテルにはいっさいお酒を
置いてないはずが、霊の仕業ですっかりお酒を
飲んでるかのような幻想に取り憑かれる
ところも大きなポイント
 
「シャイニング」のパワーでホテルが
ホレスとグレイディの姿を借りて
ジャックの頭を支配しようとします。。。
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■特別出演がマニアックなファンに
垂涎(すいぜん)もの
 
97年版でAA(断酒会)に参加するジャック
一人一人が自己紹介していく中に出てくる
のが監督のミック・ギャリスさん、
画面のクレジットは偶然の一致だそうです♫
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そしてホテルの霊たちのパーティーのバンマスを
務めるのがスティーヴン・キングさん、
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彼はもともと初期の「クリープショー」の頃から
めっちゃ出たがりで、ちょくちょく自分の
原作映画にカメオ出演してるんですけど
今回もノリノリ
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時間の都合でお蔵入りになったカットシーンには
最後に霊たちの顔が溶けるっていうくだりも。。
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「ギフト」(00)、「スパイダーマン」
シリーズのサム・ライミさんも雪上車を
ディックに貸すガス・ステーションの男役
 
 
「ショーシャンク~」(94)、
「グリーンマイル」(99)、「ミスト」(07)で
キングさんの原作を映画化したフ
ランク・ダラボンさんはほんの一瞬
(右の方のスキンヘッドの紳士)
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ツーカットのみでなかなか気づけませんけど
パーティーの客の一人で。
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■テーマの違う別物、TVの制約
 
80年版はキングさんの原作を勝手に作り変えた
点で否定的に見てましたけど、
97年版の装飾庭園(トピアリー)の動物が
襲ってくるようすをCGにしたものより、
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80年版の4メートルの垣根で囲まれた迷路
のほうが見ごたえとスリル、ミステリアス
スマートさがあった気がします(❀ฺ◕ฺω◕ฺ)
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ただし97年版のホテルが実際にキングさん
自身の着想のモデルになった場所で、
この上ない舞台っていうのも素敵です:..。♦♫♦*゚¨
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キューブリック版では夫と妻、
父と息子の間の葛藤は解決されません
97年版はお酒・夫婦関係・
初めての息子との接し方など、ごく普通の
問題を抱えた男の罪の償い、贖罪がテーマ
 
そして
97年版では冒頭で管理を任されるボイラー、
毎日圧力を下げないといけないっていう危機感は
まさにジャック自身の抱える悩みを象徴していて
 
誰しもの心に巣食う怪物が膨らみ
爆発しそうになっている、
そのボイラーが物語の締めくくりにも。.。*♡
 
「三匹の子豚」をモチーフにしたような
くだりもあるんですけど、
ジャックの武器が斧でなくクロッキーの
マレット(ハンマー)だったのはTV用演出
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90分X3日=270分で放送するために
劇場用映画ではなくTVのミニ・シリーズを
チョイスせざるをえなかったワケですけど
 
それが大きな足かせ=リスクにもなって
暴力的な描写、たとえば家庭内暴力
=ジャックがウェンディやダニーに乱暴する
のはNGとか
 
顔面血まみれもNGだとか、
映画に比べるとTVのほうは想像以上に
倫理委員会がうるさくって表現の制約が
多いそうです(_ _✿)
 
 
グレイディの2人の娘が殺されたシーンとか、
80年版ではめっちゃ大量の血が流れる
みたいな残虐シーンもあって
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それらと単純に比較して事情を知らずに
97年版を生ぬるいとか
怖さが足りないみたいに思う人もいるかも。。。
 
劇場版みたいなヴァイオレンス描写に
規制がかかったせいでこうなって、
 
スプラッシュ好きには残念でしたけど
そういう事情をも発想の転換で物語に反映
昇華したあたり才能があふれまくり♡。・:*:・゜
 
 
 
■ダニーの友だちトニー
 
80年版では書類を散らかしたダニーの腕を
ジャックが酔った勢いで引っ張ったために、
ダニーの肩が抜けたんですけど、
 
保育園の頃から空想上の親友トニーを作り上げて
自分の人差し指をトニーに見立てて会話
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ふだんトニーは口の中に隠れてるっていう
おとぎ話的な発想
 
いっぽう97年版はトニーは幻影として
ダニーにだけ見える若者、
宙に浮いたりしてるところはギャリス監督自身
最高とは言えないって言ってますけど、
あくまでキングさんの原作によるもの
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ダニーの「シャイニング」(超能力)のひとつ=
透視能力の象徴で
時おりダニーが助けを求めた存在
 
夫婦の関係が悪くなった頃に現れた空想上の
親友っていう点でいっしょですけど、
物語の締めくくりでその正体が
10年後の自分自身だったことがわかって
 
ママのウェンディとディックが見守る中
高校を主席で卒業、
その式で亡くなったパパも現れてうるうる。。。
感動のフィナーレです♡、。・:*:・゜
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ちなみにコチラはダニーを演じた
ダニー・ロイドさん(73年生まれ)41歳と
コートランド・ミードさん(87年生まれ)
27歳の最近。。。