――正解のわからない“不登校”との向き合い方


娘が、まったく学校に行かなくなってから、

家の中の空気は

どこか張りつめたままでした。


朝、起きられない。

声をかけても、返事がない。


無理に起こそうとすれば、

この子を壊してしまう気がして。

かといって、何も言わずにいることにも、

不安が募っていきました。


娘は、

怒られるのではないか。

否定されるのではないか。


そんな恐怖を抱えているのか、

全身に、緊張感をまとっているようでした。


食事はとれている。

朝、顔も見せてくれる。


それだけで、

「まだ大丈夫なのかもしれない」と

思ってしまう自分もいました。


でも――

一日のほとんどを、

静かに自分の部屋で過ごす娘を見ていると、


このままでいいはずがない、

という気持ちと、

このままそっとしておくしかないのかもしれない、

という気持ちが、

心の中でぶつかり合っていました。




「不登校」に、

どう向き合うのが正解なのか。


ネットで検索しても、

本を読んでも、

人に相談しても、

答えは、ひとつに定まりません。


休ませたほうがいいのか。

声をかけ続けたほうがいいのか。

学校とどう関わればいいのか。


どれも正解のようで、

どれも違うような気がして。


日常は、

あまりにも突然、変わってしまいました。


高校受験という選択肢も、

それまでは、

考えたことすらなかったものです。


目の前に、

たくさんの「選択」と「不安」が

一気に押し寄せてくる感覚に、

息が詰まりそうでした。


私自身も、

かなり追い込まれていたと思います。


それでも――


娘には、

下手なことを言ってはいけない。


そのことだけは、

なぜか、感覚的にわかっていました。


娘は、ほとんど話をしません。


けれど、

食事はとっていましたし、

ときどきリビングに出て、顔を見せてくれます。


一日の多くを、

静かに部屋で過ごす。


そんな日々が、

淡々と過ぎていきました。




※ここまでが、

「不登校になるまで」の私たちの話です。


次回からは、

そこから私自身が何に悩み、何を間違え、

そして何に気づいていったのかを

少しずつ書いていこうと思います。