どうして助産師になったんですか。


何百回と書かれたこの言葉

ほかの仕事を選んだ人も

同じように聞かれてるんだろうな。


『テレビを見て。』

答えながらいつも思う。

もっとかっこいい理由がよかったな。


中学生の頃見た

女優の竹下景子さんが病院を訪問する

ドキュメンタリー番組で

助産師という職業を知ったんだった。


それまでは

親戚みたいなおじさんが

手に職をと

繰り返し言ってたから

教員、薬剤師、などなど

思ったりした。


しかし

そのテレビは

わたしをズキュンと打ち抜き

今に至る。


ところで私は

いろんな学校に話をしにいく。


性教育

命を大切にの授業

看護職に就くためにはどうしたらいいかを話す授業などなど。


あとはね

いろんな職業の人を集めて

職業人の話を聞いてもらうっていう

イベント的な授業もある。


助産師がどんな仕事をしているのか

どんなところが魅力か話す。


最近の学校は

小学校でも大学でも

後日感想をくれることが多い。


その時にかならず

本当にかならず

書いてあることがある。


宮尾さんは

助産師という仕事が好きなんだなぁと

わかりました。


そうなの。


私はこの仕事が大好き。


病院勤務時代も

三交代していた時も

師長時代も

そして

開業して

分娩を取り扱わなくなった今も


助産師という仕事が大好き。


幸せだよな。


人生は案外あっさりと決まっちゃう。


夢や希望がないって人もいる。

なんになりたいのかわからないって人も。


たくさんの人と出会って

たくさんの本や映像を見て

たくさんの体験をする

擬似体験でもいい。

そうしたら

ズキュンと撃ち抜かれることに

出会うかもしれないね。


そしてそれは

中学生や高校生の時に

出会うとは限らない。


大人になってから

就職してから

結婚してから

子供ができてから


後に出会ってこともある。


今から出会ってこともある。


職に限らない。

何かに出会うってこと。


出会うよ。きっと。