息子と娘宛に

10年前に投函された手紙が届いた。

わたしの母が書いてくれていた。

北九州市の市政50周年記念イベントだったらしい。

 

10年前のその日

小学校5年の長男は

習っていたスイミングを辞めたのだという。

幼稚園にバスが迎えにきてくれ

帰りは自宅に送り届けてくれる。

共働きの我が家では

子どもの習い事は

バスの送迎があるものか

自分で歩いて行ける距離のもの。

小学校になってからは

送迎バスはわたしの実家に来てた。

母がいつも乗り降りを管理してくれていたのだな。

 

夫婦共に不規則な勤務。

夜勤もある。

母がいなければ続けられなかった。

 

10年前

私たちはかなり苦悩していた。

長男が普通ではないと言われ

何度も何度も学校から電話がかかった。

 

テストを受けなさいと言われ

診断結果を聞きにいったな。

できることとできないことの差が激しいのですと。

普通は平均的なのに凸凹なのですと。

 

息子がおかしいのだと信じ込んだ私たち家族は

まともな人間に育てようと必死だった。

彼はいつもいつも怒られていた。

学校でも、家でも。

 

10年経ち

息子は実に楽しそうに生きている。

いったい

普通とはなんだったんだろう。

あの頃のわたしは息子の何をみていたのだろう。

なぜあれほどまでに

普通が欲しかったのだろう。

 

今でも彼は

得意なことと苦手なことがある。

書いてて笑っちゃう。

得意なことと苦手なこと。

みんなある。

わたしは方向音痴がひどすぎる。

夫のダンスは笑って笑ってみていられない。

母は歌が下手らしい。聞いたことがない。

 

10年後の今

それでいいんだと思えて

家族がいつも笑っていて

手紙を出してくれた母も元気でいる。

幸せだな。

 

さあ

これからの10年はどうなるかな。

 

10年後夫と仲良く元気で生きていたい。

子どもたちも健康で笑顔でいてほしい。

大切な人ができているかな。

 

そして

私はその時も

子育てママに寄り添っていたい。

性を語っていたい。