門松やしめ縄、鏡餅などのお正月飾り、
おせちといったお正月にまつわる“習わし”や食べ物は、
すべて年神様をお迎えするための準備です。
まず、「ここがわが家の入口ですよ」という目印が門松。
高いところからおりてくる年神様が
迷わずわが家を見つけてくださるようにと玄関に立てました。
「うちはもう、お迎えする準備ができていますよ~」
というサインを送るわけですから、
余裕を持って立てることも大切です。
前の晩の大晦日に急いで立てることを「一夜飾り」、
「九」が苦しみに通じるという理由で
29日に立てることも「苦立て」といって嫌われ、
末広がりの「八」につながる28日に立てるのがよいとされました。
門松と同じように、
しめ飾りも年神様を迎えるために飾りつけられるもので、
清められた場所であることを表しています。
しめ縄に飾る植物には、
シダの一種であるウラジロの葉には「不老長寿」を
若芽が出たあと前年の葉が譲るように
落葉するユズリハには「子孫繁栄」を、
ダイダイ(夏みかん)には
「代々、続いていく」という意味にあやかり、
「家運盛隆」への願いがこめられています。
玄関から入っていらっしゃった年神様が
お正月の間とどまってくださるよう、
神棚のほかに床の間、かまど(台所)など、
家のなかの主だった場所にもお正月飾りをほどこします。
しめ縄にわらを使ったり、鏡餅に稲穂を飾るのは、
五穀豊穣(ごこくほうじょう)をつかさどる
年神様を敬う意味があり、
お米を主食としてきた
日本人の感謝の気持ちの表れでもあります。
一富士 二なすび 三鷹