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昔から、さまざまな場所に神様が宿ると信じていた日本人...
庶民からみれば、「かまどの神様」もいたのそうです。
火がなければ料理も出来ないため、
かまどの神様はとても大切にされていました。
食べものをもたらしてくれる神様への、
「お正月の三が日くらいゆっくり休んでいただきたい」という気持ちから、
大晦日に作った料理をお正月の間に食べる習慣が生まれたのだとか。
「おせち」に保存食が多いのは、こんなところにも理由があるようです。
「おせち」という言葉は、お節句に食べる料理からきています。
日本には伝統的な年中行事を行う5つの節句があります。
もともと身分の高い天皇や公家、神事にたずさわる人たちの間には、
節句に神様にお供えものをし、それをさげていただく習慣がありました。
このとき神様にお供えした料理が「お節料理」だったのですが、
新年がもっとも大切な節句であることから、
お正月料理のことを「おせち」と呼ぶようになりました。
元旦はおせちを少しずつ盛りつけて神棚に上げ、
「この家を守ってください」とお祈りします。
それを神様といっしょに食べることで、
こちらの気持ちが神様に通じてほしいと祈りました。
おせちを食べるときにつかう「祝い箸」は、
一方を年神様が、もう一方を人が使うために、
両端が細くととのえられています。
箸袋には、家族それぞれの名前を書いて、幸せを願います。
鏡餅にも意味があり、神様に捧げるために特別に作ったお餅をさします。
二段重ねで鏡のようにキラキラしているので鏡餅と呼ばれるようになりました。
また、おせちといっしょにいただく「お屠蘇(とそ)」は、
天皇にお正月の食前酒として献じていた
「屠蘇(とそ)」という薬のお酒のことでした。
新しい年の健康を願って飲む漢方薬からはじまったものだそうです。
新しい年を大切にしたい、
豊作にしていただきたい…
そんな感謝と祈りの気持ちから生まれたお正月の“習わし”や食べもの。
そこには1年に1回、わが家にやってきてくださる年神様を敬い、
おもてなしの気持ちがたくさん詰まっているのですね...
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