こんばんは。

 

 

 

 

私たちはその時々によって権威的な立場に立つことがありますよね。

 

 

 

 

お子さんのいる方はお子さんに対して、部下がいるなら方なら上司として、

先生やコーチ、セラピストならクライアントや患者さん、生徒さんなどに対して、

 

自分がリーダーとして人を導かなければいけない場面があると思います。

 

 

 

 

私はここ15年ほど権威的な立場に立つと共に、

自分自身も下となる経験もたくさんしてきました。

 

 

 

 

無知で若い時ほど、人の上にやっと立てた時、その権威をふりかざしがちです。

それまで我慢して権威に従ってきた人ほど、今度は自分が上に立った時に

下になった人に支配的に振る舞う傾向があります。

 

 

 

 

そして、権威のネガティブな特徴とは何かといえば、

「自分こそは正しい、自分にしたがえ!」と思っていたり、

相手に関することでも、自分の方に支配権があると思っていることです。

また、自分の指示やアドバイスには絶対に従えと思っている人もいるかもしれません。

 

それは、その人の過去の成功に根ざしている事や、

自分が失敗した時の経験に根ざしていることが多いのですが、

それを与えている本人も正しいと思ってやっていることが多いのです。

 

 

 

しかし、どうでしょう。

権威的な立場に立ったことがある人なら誰でも感じている通り

結構、相手は言うこと聞かなくないですか?(笑)

 

 

 

 

子供なんて言うこと聞かないですよね。時によっては歯向かってきます。

例えば、子供によっては「やるの忘れた〜」とか言ってわざとやりません。

 

クライアントや患者さん、お客さんでも、

「でも〜」と言い返してきたり(笑)

「他の人は〜って言っているんだけど」とか他の権威を使って

反抗されるとイラっときますよね(笑)

 

 

 

それで、何が一番大切かというと、すでに皆さんも感じている通り、

 

 

 

自分のやり方を押し付けないこと

 

 

 

なんです。

 

権威として私もたくさん失敗して、勘違いしてきました。

 

相手が明確な目標を持っている時ほど、

結果に対する責任を負い過ぎてしまい、口出しし過ぎてしまいます。

 

 

 

相手に結果を出して欲しいと思えば欲しいほど、相手に対して正しいだろうことを押し付けたくなります。アドバイスしたくなります。

抵抗をあからさまにされればされるほど、説得し、押し付けようとしたくなります。

 

しかしながら、どれだけ従順に見えるように振る舞う人でも、

実はそれを「心底からは」快く思っていなかったりするんですね。

 

 

 

 

なぜなら、多くの人は、

 

 

自分で決めて、自分でやった方法で成功したという経験

 

 

を求めているからです。

 

 

 

 

だから、十中八九正しいであろう方法をその人(子)のために言ったのに、

わざと「成功しない」「失敗する」ということをその本人も選んだりします。

 

 

 

 

なぜなら、その人(子)もまた、自分が正しいと思いたいがために、

権威が間違っていたことを証明したくなるからです。

 

 

 

 

私は以前、ある音楽のコンクールで全国一位になったことがあります。

その時、課題曲を決めることも演奏法も先生の指導によるものでした。

 

コンクールで一位になった後、私が感じたことは何だったと思いますか。

 

「私が成功したわけではないのではないのか?」です。

 

教える人はその人が成功することを望んでいるかもしれません。

しかしながら気をつけなければいけないことは、

その人の人生はその人のものだということです。

私は私の演奏を聴いてもらいたかったし、その演奏が人に届くことを求めていたのです。

 

過度に指導が入ってしまうと、

やる気が失せるか、結果が出ても権威に横取りされてしまうように感じます。

 

 

 

 

以前もお話ししましたが、私はスピリチュアルなカウンセリングやヒーリングの他にも、

不登校のお子さんの指導を行うこともしています。

 

ある子供はこれは嫌だ、あの教材は嫌だ!と言います。

親御さんの締め付けやコントロールが厳しいほど、

反転して自己主張が激しくなるようです。

 

それで、本来ならば絶対に使ったほうが合格の近道である教材をあえてカットしました。

 

「あなたが嫌なことはしなくていい」

「あなたがしたいことをしてやってみよう」

「私はあなたがしたいことをサポートするためにここにいる」と伝えました。

 

 

 

するとどうでしょうか、

私が押し付けなかった教材が実は必要だったと、

3ヶ月ほどたった頃になって自分からそれを使うとリクエストし出したのです。

 

普通の親御さんだったら「ほら、私が言ったでしょ!」なんていうかもしれません(笑)

それだけは絶対にやめたあげてくださいね(笑)

 

私の決断でやってみたい!私の方法でやりたい!が彼女の望みだったのです。

 

失敗してもいいから、うまくいかなくてもいいから、遠回りしてもいいから、

その人(子)の人生だから......

と、相手を信頼することで自動的にベストな流れに戻っていくのだと改めて感じました。

 

 

 

 

また、非常に従順に見えた他の生徒さんで、なかなかできるようにならない子がいました。

勉強はものすごくやっているようにみえるのにできるようにならない......

そこで、これまではこちらがその子のために良いだろうと考えていた課題を与えていたのですが、宿題や授業内容もその子に決めてもらうようにしました。

すると、どんどん難しい英語の長文なども読めるようになってきたのです。

自分で決めさせると、その責任はやはりその子自身が持つことになるので、勉強に向き合う姿勢も変わったのだと思います。

 

 

 

 

私たちは大切な人に対してほどコントロールしがちです。

しかしながら、コントロールするとうまくいかないか、

うまくいってもどこかに歪みがでるか、再び問題が発生するかなんですよね。

 

 

 

 

自分が権威的な立場に立った時、相手の年齢に関わらず、

すでに相手との立場においては単に立場だけで「50:1」くらいの差があり、

上に立った時ほど謙(へりくだ)らなければバランスが取れないのだと思っています。

 

 

 

 

親であっても、先生であっても、先輩であっても、セラピストやコーチであっても

すでに、上だとみられている。

もっと言えば「先にたくさんもらっている」という事です。

 

何もしなくても愛されている立場である。尊敬されているところからスタートしている。

と思っていなければバランスは取れないのかもしれません。

 

 

 

 

だから、権威を振りかざすなんてあり得ないんですよね。

リーダーは「自分は尊敬され信頼され、愛されている」というところからスタートし、

自分が上であることで、すでに圧迫感や抑圧感を相手に感じさせている......

ということに気づいていないといけないのかもしれません。

(※ちなみに、圧迫感や抑圧感をどれだけ相手が感じているかはその方の親の影響が大きいと思います)

 

 

 

そして、自分に自信がある時は相手を押さえ込もうとしたり、

自分のやり方を押し付ける必要がないということです。

自分に自信がない時ほど、下の人を押さえつけようとしてしまいます。

 

自分に自信が持てない時に、反発されたり、従ってもらえないと

無力感とか、自分は尊敬されていないとか、自分が不十分だからと思ってしまうからです。

けれど、反抗的な人というのはそのほとんどが親御さんからのコントロールが厳しかったり、支配がきつかった人たちです。

ですので、その子やクライアントさんが親との葛藤を抱えているようであれば、その方の抱えている問題だと思っていていいと思います。

 

抵抗する方も、また支配される、またコントロールされる、自分の人生が乗っ取られると怖がっているのです。

 

 

 

 

最後になりますが......

 

コントロールせずに委ねて見守ってみよう。

子供でもクライアントでもその人の中にある貴重な種が育っていくことを

単にそばで見守らせていただこう。

 

その出来事が全ての人にとってのベストな結果に導かれていくことを見るほかない。

今はそう感じています。

 

経験を重ねるごとに自分(自我)でコントロールしなくても、

目の前に現れる結果の美しさを感じています。