朝には紅顔ありて夕べには白骨となる・・・
この世は無常で命は儚く,予測がつかないということです.
ほんの瞬くほどの時点を境に,
人生の針路はまったく思いもよらない方向へ,
ぐるりと変わってしまうことがあるものです.
頭を冷やして考えてみれば,至極当然のことではあるのですが,
普段のくらしの中から,そういう思いはできるだけ
締め出してしまおうとするものなのかもしれません.
そして・・・いざという時に途方に暮れることになる.
つい1週間前,義兄(姉の夫)が急逝しました.
奇しくも本人の誕生日の朝のことでした.
前日まで何の予兆もなく,
散歩の途中に見た美しい夕焼けの写メを
姉に送ってくれたそうです.
朝になって息をしていないことに気づいた姉が,
救急車が来るまでの間,必死に心臓マッサージをしたけれど,
空しく帰らぬ人となってしまいました.
この1年あまり,姉たちはコロナの影響で上京できなかったので,
義兄ともずっと会えないまま,
最後のお別れすらできませんでした.
姉は何もかも義兄任せで過ごしてきたものだから,
預金通帳の場所もわからない状態です.
義兄と姉の穏やかでゆったりとした暮らしも,
たった一晩で泡のようになくなってしまい,
姉を一人で置いておくわけにもいかないからと,
子どもたちが東京に連れてきたのはいいけれど,
あまりに突然のことで皆が混乱していて,
さて,これからどうフォローしたものかと,
頭を悩ませています.
「いま」 この瞬間を大切に味わうことのかけがえのなさを,
否応もなく突き付けられた思いです.