母が入院してから2カ月になろうとしています。
リハビリも頭打ちで、歩行器を使わなければ歩くことはできないとのことで、
そろそろ次の落ち着き先を決めてくださいと、
病院からも督促があり、ケアマネさんとも相談しながら
施設を探しているところです。
とはいっても、都内でここぞと思うところは待機者数が数百人!
おいそれとは見つかりそうもありません。
そこで、隣接する埼玉県まで範囲を広げて、
見学に行ったり書類を揃えたりといったことをしています。
いつ移動してもいいように、母の持ち物を整えておかなければいけないので、
実家に行っては衣類やら何やらを探しているのですが、
バスタオルなどは天袋にしまいこんであるはずだと思い、
脚立に登って天袋をのぞいてみました。
小柄で高齢の母はもう何十年も開けたことがなさそうな天袋には、
うず高く埃が積もっていて、何が何やらわけがわかりません。
一つひとつ箱を引っ張り出しては中身を確認していたら、
小さな箱を見つけました。
「ティリ ロイヤル」 と書かれた箱です。
ふたを開けてみると、パイレックス製のコーヒープレスポットでした。
さすがに箱はしみだらけですが、スペアの濾過布までついた新品!
亡くなった父はネルドリップ派でしたから、
鼻にもかけられずにしまいこまれていたのでしょう。
実は私は大のコーヒー好きで、毎朝、事務所で仕事を始める前に
お豆をひいてモーニングコーヒーを飲むのが習慣になっています。
抽出にはガラス製のコーヒープレスを使っているのですが、
これがだいぶくたびれていて、コーヒーの粉が外に出てしまい、
カップの底に澱のように沈んでしまうのです。
そこで、長いこと眠っていたこのポットを使わせてもらうことにして、
バスタオルやら衣類やらと一緒に事務所にかついで帰りました。
せっかくだから、スペアの濾過布をもう少し調達しておこうと、
ネットで検索してみたら・・・
この製品は1970年代、つまり40年以上も前の品物だとのことで、
昭和レトロの品物を扱っているアンティークのお店に出品されていて、
すでに 「Sold out」 になっていました。
そうかぁ・・・昭和生まれの私にとっての 「レトロ」 は、明治・大正だけれど、
平成も20年代後半の今では、昭和も 「レトロ」 なんですね。
かく言う私めも立派な 「レトロ」 ということになります ( ´艸`)
使ってみると、シリコン製のリングときめ細かい濾過布のおかげで、
押し下げるにはかなりの力が必要ですが、
澄んだおいしいコーヒーが抽出できました。
適度な重みがありハンドルも持ちやすい、なかなかの優れものです。
コーヒープレスポットは最近のものとばかり思っていたのですが、
40年以上も前にこんないい製品があったことに驚いています。
無断で持ってきちゃったけど・・・
大事に使わせてもらうね 「ばあちゃん」