「茨木童子がうで栗五合つかんでおむしゃる・・・」
発声練習でもお馴染みの「外郎売」に登場する茨木童子が
東京に現れました!
鬼である茨木童子は、鬼を成敗する渡辺綱という武士に
左腕を切られ、奪われてしまったそうです。
それを取り返そうとした茨木童子は、
渡辺綱の育ての親である伯母・真柴に姿を変え
奪われた左腕を取り返そうとします。
手柄として奪った左腕を大事に箱の中に保管していた渡辺綱に
伯母・真柴は是非見せてほしいとせがみます。
そして伯母・真柴は、自らの左腕が入っている箱に手をかけようとします。
と、その時です!
目撃者たちの足元が揺らぎ始めました!!
彼らは何が起きたのかと色めき立ちます。
「これは何か良くない出来事の前触れなのか・・・」
しかしほどなく、それは収まりました。
伯母・真柴は、箱の中を覗きこみました。
中身を見た途端、伯母・真柴は鬼の形相となり、
ついに本性を現わして茨木童子となり、左腕を取り上げたのです!!
目撃者たちは、あわててその場から逃げだしました。
伯母・真柴が箱に手をかけようとしたとき
足元が揺らいだのは、地震が原因だったそうです。
震源は茨木、いや茨城沖。
「茨木童子のたたりだったのでは・・・」
目撃者は、口々にそう言いました。
しかし目撃者たちは何故か、渡辺綱や伯母・真柴に
魅了されていたのです。