WAX原型制作 の巻

とうとうユニクロのヒートテックを着始めました。

冬ってあっと言う間にやってきますね。

こんにちは。

糸鋸をたくみにあやつる糸鋸師こと、創作ジュエリー作家のもりたゆかです。

さて、彫金とはなんでしょう？？

本来は金属にタガネなどで彫ったり、削ったり装飾を施す金属工芸の技法の１つなんですが、現在はジュエリーのデザインから制作全般を指す表現として使われております。

また、トンカン叩いて鍋や器の形状をたたき出していく鍛金（たんきん）、鋳型に金属を流し込んで作る鋳金（ちゅうきん）などが代表的です。

ちなみにワタシはタガネ彫修行中です。あの職人さんは人間では無い！と思うくらい高度で神経を使う技術です。

彫金と鋳金

①彫金（ちょうきん）

ワタシが主に使う手法。糸鋸でパーツを切り出し、曲げたり削ったりしてからロウ付けをし、磨くという最もオーソドックスなやり方かと思います。

エッジがしっかり出て、どちらかというとカッチリした雰囲気に仕上がります。

専門的工具、知識と技術がある程度必要です。

②鋳金（ちゅうきん）

原型をつくり鋳型を石膏でとり、溶かした金属を流し込む手法です。仕上がりは若干角の取れた柔らかいイメージに。

アクセサリーの原型は主にロストワックスと言われる蝋剤を使います。

分かりやすいのは、ドクロとか立体的なクロスなどの、３Dな感じのデザインには鋳金が向いているかなと。ブロックから削り出して立体造形していきます。ワックスは金属より断然柔らかいので、扱いやすく初心者向きです。

想像以上に原型が忠実に鋳物化されるので、原型命です。また細い、薄いなどは鋳造に失敗する場合もあります。

デザインによって技法は使い分ければいいでしょう。

各技法の細かい長所短所は専門的な話になるので、お教室に来てください。

オーダー制作中

ただいま製作中のオーダーは、リング。

こちらはブタのおしりモチーフのリングですが、全体的にぷりっとしたデザインなので、ロストワックスの鋳金でいきます。

ワックスには、チューブタイプ、ブロックタイプ、シートタイプなどなど用途に合わせ形状も様々。色によって融点や硬さ粘りなどが微妙に違うらしいが、ワタシは主にブルーを使います。

師匠が使っていて、そのまま何となく使いやすい感じがしてるだけで、作業場の気候や自分に合うものを使うといいでしょう。

今回はリングなので、チューブタイプを使おうかと思ったが…

チューブは元々の穴のサイズが７から。

今回は２と、かなり小さいサイズなのでブロックに穴をあけました。その辺も臨機応変に。

WAX鋳造法

主に、ヤスリとスパチュラと、デザインナイフと針を使って細工を細かく仕上げていきます。

手のひら側には鼻。ぶーぶー

ちなみに、ワタシの細工は細かいことが多いので、スパチュラもデザインカッターの刃も自分用に削っています。

細くしたり、薄くしたりしています。小回りが利くようにと申しましょうか。

工芸は道具が命なので、市販品に自分のクセに合うように手直しするのもよいかと思います。

ヤスリ跡も全て再現されてしまうので、形を整えたあとは紙やすりで丁寧に＃800~＃2000くらいまで磨きます。

最後はパンストの切れ端で磨き上げます。←豆知識

おしり側の肉厚なところは重さとコスト削減。見えない処の裏側の厚みをダイヤモンドビットで削ります。

うちは鋳造の機材はないので、鋳造屋さんに郵送。

期日はかかりますが、銀のぶたとなって返ってきます。

手元に返ってきたら、仕上げの加工、磨きで完成です。

あとがき

ブタちゃんは、子宝にめぐまれる→富、金運、幸せの象徴として、世界中で愛されるラッキーアイテムです。

ねずみでもええやんと思うところですが、

日本ではトントン拍子なんて言われることも♪

ジュエリー制作には…

・彫金には、彫金（ちょうきん）、鍛金（たんきん）、鋳金（ちゅうきん）の技法がある。

・デザインに合わせて、技術を使い分けられると便利。

デザインを描きながらも、こうやって進めていけるな～と頭の中で想像しながら描けると効率いいですね。

ところで、扁桃腺の「扁桃＝アーモンド」とつい最近知りました。うちのご近所にアーモンドの木があり、たしかにアーモンドの花は桃の花に似ている。ワタシたちの喉にはアーモンドが二つくっついてるらしい。

 

おしまい

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